16―事後処理2―合流
※2/7…ニックの言葉使いを修正しました。
リンドとシド、レベッカとエドの簡単な自己紹介の後、ショーマは転移魔法の準備に取りかかる。
「一応レベッカさんは目を瞑っておいた方がいいかも。エドは任せる」
「う、うん。わかった」
『ま、俺は大丈夫だろ』
「じゃあ行くね」
一行はショーマの転移魔法で船からアルカンの港へ転移した。
◇◇◇
「レベッカさん。着いたよ。目を開けて」
ショーマに促され、レベッカは目を開けた。
「うそっ!魔法でこんな事が出来るの!?飛ぶ飛ぶ言ってたから、てっきり空を飛ぶんだと思ってた!ウィス君すごい!」
レベッカは一瞬にしてアルカンの港に着いた事に驚きつつも大興奮。
「こんなことが出来るのはウィステリア君だけですよ。レベッカさん、くれぐれも他言しないようにお願いしますね」
「は、はい!心得ております!!」
レベッカは子供の様にはしゃいでしまった事を恥ずかしく思ったのか、顔を赤らめながらシドからの忠告に頷いた。
『お前、ほんとになんなんだ!?ただの魔族ではないだろう!?』
―――ははは。それはおいおい話すよ。
ショーマはエドに突っ込まれるが、今は話すつもりは無い様だ。
―――あ、隷属魔法を解いておくね。今回はありがと。
『ああ。また何かあれば頼ってくれ。無理難題を吹っ掛けて来なければ助けてやる』
「ありがとう。もしもの時はよろしくね」
ショーマはエドに掛けていた隷属魔法を解く。そして右手を差し出すと、意図を察したエドはその手を取り握手を交わした。
リンドはキョロキョロと辺りを見回す。
「なぁスカイ。どの倉庫が集合場所だろうか」
「集合場所は・・・あ、あの青い屋根の倉庫ですね。じゃあ、みんな着いてきて」
ソラを先頭に一行は移動を始めた。
◇◇◇
一行は積荷の一時保管所である貸し倉庫の一つにやってきた。中にあったであろう荷物は全て運び出され、がらんとした室内には四人の男が車座でたむろしている。
ソラが扉を開けると、それに気付いたつり目の男が立ち上がり迎え入れた。
「お待ちしておりました。私はニックと申します。オズ達から話は伺っております」
「スカイです。予定より遅くなって申し訳ないですね」
「別に大丈夫だ。まだ出発までは時間がある」
ニックは商人らしく丁寧にソラに挨拶をした。ソラもそれに合わせて挨拶を返す。時間通りに来られなかった事を詫びると、オズがぶっきらぼうに大丈夫と返した。
「それは良かった。やはり兄弟というだけあって、ニックさんはテッドさんとよく似ていますね」
「そうですか?兄のことは尊敬しているので嬉しいです」
雑談を始めたソラたちの後ろから、レベッカがトビーに向かって駆け寄り抱きついた。
「トビー!ずっと会いたかった!」
「俺も会いたかったぜ。レベッカ」
トビーは優しく受け止め抱きしめる。二人は見つめ合い、桃色の空間を作り出した。そして今にもキスをするんじゃないかというタイミングで、セシルがトビーの頭を叩いた。
「あぁやだやだ、このバカップル。時と場所を考えなさいよねぇ」
皆苦笑いでその様を見ていた。二人は気まずそうに離れる。
「じゃあ軽く自己紹介をしようか」
ソラの一言でおのおの自己紹介をしていく。
ショーマは一段落したところで、気になっていた事をソラに訊ねた。
「ねぇねぇ父さん、なんでレベッカさんとエドもここに連れてきたの?」
「あぁそれはね、あのまま船で港に向かっていたら二人がキリナントルの船に間に合わなくなってしまうからだよ。出航が予定より早まったみたいでね」
「私達、キリナントル商会の従業員なの。ウィス君のお陰で置いてきぼりにならなくて済んだよ」
『俺は従業員じゃない。ただ上からの指示に従ってるだけだ』
「ふーん。そうなんだ」
「もぉ、エドったらぁ。上からの指示だろうと従業員には代わりないじゃないのぉ」
セシルはエドに突っ込みを入れる。
「そう言えばセシルさんは聞こえる人なんだよね」
「そぉよん。ウィスくんも聞こえるって事は知ってるわぁ」
セシルはウィスにバチンとウインクを投げた。
『セシルは鳥人だから聞こえるんだ』
エドがボソッと呟く。
リンドとシドがちらりとセシルを見たが、ニックと何やら話し込んでいるらしく会話は止めなかった。
ソラは、ふーん。なるほどね。と納得している。
「ちょっとぉ!なに勝手に人の秘密をバラしてるのよぉ!」
セシルはエドに詰め寄り、更に肩を掴んでぐらぐらと揺する。オズ、トビー、レベッカはまた始まったと遠くを見つめた。ニックは我関せずとリンド、シドと話している。
『別に、こいつに、バレたって、大丈夫だろ、って、おい、やめろ!』
「それもそうだけどぉ。はぁ」
セシルはエドを解放した。
なるほどね。だからセシルさんは抹茶プリンみたいな頭してるんだ。本当の髪の色は根本の色なんだろうな。たぶん目は元々青いんだね。
「ねぇウィスくぅん。あまり言い触らさないでよぉん?もし言い触らしたらぁ、ねぇ?」
「う、うん。わかった。約束するよ。だから離れて!」
セシルはショーマの顔に息が掛かる程近づき抱き締めようとする。ショーマはそんな彼を両手でグイグイと押し返している。
ほんと可愛い食べちゃいたい♪マジで勘弁して!と何故か一進一退の攻防に発展した。
『おい、セシル。そんなことより俺の服はどこだ』
「え?もぉ船に積んじゃったわよぉ?」
ショーマがエドに意識を移した一瞬で後に回り込み、ショーマを抱き締める事に成功したセシルは事も無げに伝える。はぁ、やっぱりお肌すべすべ。うらやましいわぁ。と頬摺りしているのは仕様だろう。
ちなみにショーマは抵抗を許されず、されるがままになっている。そんなショーマを見てソラは全く危機感を感じないのか、止めさせる事をしない。それどころか、仲良しだねとクスクス笑っていた。
『はあ!?この格好で船に乗れって言うのか!?』
「似合ってるからいいんじゃなぁい?可愛いわよん。エ・ド・ウィ・ナ・ちゃん♪」
セシルはニヤニヤと笑いながら、エドを揶揄う。
『俺はエドワルドだ!!』
「うふっ♪折角だからルーベンス様にも見せてあげなさいよぉ。エドのことを船で待ってるわよぉん」
『終わった・・・』
エドはガクッと膝をついた。
「ほら、セシルはウィス君を放してエドは立ち上がってください。そろそろ船に行かないと本当に置いて行かれますよ」
ニックはそう言ってぐだぐだになっていた場を収拾し始める。
「みなさん、この度は大変お世話になりました。これに懲りずに是非またアルカンに遊びにいらしてくださいね。夏はまた獲れる魚が違いますから」
「そうだな。また寄らせて貰おう」
ニックの言葉にリンドが返す事で解散となり、ショーマ達は自警団の詰所へ、ニック達はキリナントルの商船へとそれぞれ向かった。
朝木 「はぁー。久々のこの感じ。やっぱり落ち着くー」
ショーマ「ほのぼのってやつ?」
朝木 「そうそう。うちらの売りっしょ?」
ショーマ「そっすね」
朝木 「何、その素っ気ない感じは」
ショーマ「ただ同意しただけ。別に他意はないよ」
朝木 「ふーん」
ショーマ「てかさ、そろそろ女の子扱いは勘弁してほしい」
朝木 「え?」
ショーマ「え?っじゃなーい!!」
やっとほのぼのモードに戻りました!
(*´ω`*)
セシルは魔族(鳥人)でした!
エドを揶揄うのを生き甲斐にしてます!笑
次回、事後処理その3。です。
救出作戦が何故ああなったのか?
教えて!ソラ先生!笑
そろそろ本気でサブタイトルを変えるか検討中。
何て書いたっけ?と読み返すのに中身が全く判らない悲劇…
そして該当箇所がなかなか見付からない惨状…
(´д`|||)
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