12―協力者2
※1/18…一部、誤字を修正しました。
ソラとシドはオズ達三人と共に15人程がゆったりと乗れる位の少し大きめな帆船でアルカンを出港した。帆を張ると目立つので畳んだまま、シドの魔法で進んでいる。
船には男五人の他に大人の女性が三人とショーマと同じ位の少女が二人乗っている。女性達は全員目隠しをされていた。
船はショーマの居る島の東側の船着き場に着いた。
ソラとシドは護岸に降り立ち、セシルが道順を説明する。
「貴殿方はあそこの林道から登ってねぇん。暫く登ると頂上に屋敷があるのよぉ。その裏の道を降りたら小屋の裏に出るからぁん」
「ありがとう。ここまでの道案内、御苦労様」
ソラは礼を言うと、シドを連れて林道へ入っていった。
「お嬢ちゃん達ぃ、今の人達のことはヒミツよぉ。うっかり喋ると大変な事になるからねぇん」
セシルの言葉に女性達は頷いた。
「さてと、俺らは俺らでアジトに行くか」
「ああ」
オズ達は再び船を操り、島の西側の船着き場を目指した。
◇◇◇
倉庫の前室では焚き火から火の粉の爆ぜる音がする。火の前には三人の男が座っていた。
「流石に遅いな。おい、すぐそこの護岸からで良いから町の様子を見てこい」
「おめぇ行ってこいよ」
「えぇー、寒いじゃないっすか。兄貴が見てきてくださいよー」
「はあ!?俺をこき使う気か!?」
「立ってる者は親でも使えって、イテッ!」
「いいからさっさと見てこい」
「へーい」
下っ端の男は頭にどつかれ、渋々と立ち上がり入り口へ向かう。
「待たせたな」
ちょうどその時、オズが女性を連れて小屋にやって来た。女性達は目隠しを外されている。
「おぉ!待ってたっすよー」
下っ端は外に出なくて済んだ事が余程嬉しいのか、とても明るく彼らを迎え入れる。頭と兄貴も立ち上がり近付く。そして女性達は前室の中央辺りに座らせられた。
「おめぇらすげぇな。こんなに連れてきたのかよ」
兄貴の言葉の通り、オズ達が連れてきた女性は大人が三人、少女が二人の計五人だった。見た目は揃って上々で、中にはもちろんトビーが連れてきた不思議な女性も含まれている。
「うん?なんだこいつは」
頭はそう言って、エドの顔の布を剥ぎ取った。エドは反射的に彼を睨み付ける。
「ほぉ、なかなかの輝きだな」
頭はエドを見ると、その美貌に驚いた。
「って頭ぁ!この女は南町で最近人気のある踊り子のエドウィナっすよ!」
「ぁんだって!?おぉー、こいつぁ驚いたぜ。こんな上玉連れてきちまって平気なんか?」
「どうせ明日にはここを出るんだ。アルカンの奴らが捜索を始める頃には船の上だろ」
「確かにお前の言う通りだな」
下っ端と兄貴はエドの正体に慌てるが、オズの一声で頭は納得した。
「そうだ。こいつは喋れないからな。納品するときは気を付けろよ」
「ふぅん。お前は話せないのか。納品先は吟味しないとな」
頭はエドの顎を掴み、彼女の顔をジロジロと見る。
「こいつらも一緒に中へ入れておけ」
「ああ、わかった。おい、立て」
オズは倉庫の扉の閂を上げるとエドも含め、連れてきた女性を倉庫の中へ入れる。その時ざっと中を見回し、ショーマを見止めると然り気無く手でエドを示し外へ出ていった。
ガタンと閂を下ろす音が倉庫に響く。
頭はオズに話し掛ける。
「ところで、他の二人はどうした?」
「念のため、船で番をさせている」
「なんか町であったんすか?」
「昔の知り合いに出くわしてな。少ししつこかったんで巻いてきたんだ」
「おい、それ大丈夫なんかよ!?」
「あぁ。相手は自警団のヤツだが、非番だったからな。女たちを見られた訳でも無いから大丈夫だろう」
「そうか。明日のお前たちの予定は?商船の護衛に戻るだろう?」
「ああそうだ。明日の朝には町に居ないと探られるから、俺らは女たちの移送を手伝えないな」
「はぁ、じゃあ明日は俺らで全部やらないといけないんすねー」
「おめぇ、ちゃんと起きろよ?」
「そもそもお前たちに寝ている暇は無い」
兄貴と下っ端は頭の発言に項垂れた。
「じゃあ、俺は二人の元に戻るから。何かあれば呼びに来い」
オズはそう言って小屋を出て行った。
◇◇◇
倉庫に新たに加わった女性達にレベッカが色々と話し掛けている。
あの綺麗な女性が協力者なのか。さっきの大男がきっとソラさんが言ってたオズって人だよね。
ショーマがぼぅっとレベッカと女性達を観察していると、低く若干掠れている独特な声の独り言を聞いた。
『はぁ。なんだって俺がこんな事させられてんだよ。今度ルーベンスの野郎に会ったら絞めてやらなきゃな』
ん?んんん!?ちょっと待った!この人こんなに綺麗なのに女の人じゃないの!?酒焼けっていう可能性も・・・。いや、やっぱり男だよな。
『しかもさっきの二人組はなんなんだ!片方は全く魔力を感知出来なかったが、もう片方のあの魔力量は完全に上位の魔物じゃないか!』
その二人組ってさ、前者はシドさんで後者はソラさん?二人ともこの近くに来てるのかな?
てか、他のみんなにはこのデカイ独り言が聞こえて無い?まさか・・・。いや、そんな訳・・・。でも、それが一番有り得る。
ショーマはエドにそそくさと近寄り、耳元で声を潜めて話し掛ける。倉庫内の人口密度が上がり、レベッカの時の様に防音壁を設置するスペースが無いので、ほんのり雑音を魔法で発し声が回りに届きにくい様に細工した。
「あのぉ。その声ってぇ、お兄さんですよねぇ。しかも、魔人ですかぁ?」
ショーマの問いかけにエドは首を傾げる。
「えっとぉ、人型の魔物の事ですぅ。長いからわたしが勝手に省略したんですよぉ」
『・・・お前は何者だ?何故俺の声が聞こえる?』
エドは思わずショーマに聞いた。
「ふふっ。わたしは今はティアって言いますぅ。お兄さんの声が聞こえるのは魔物の言語だからかなぁって予想したんですけどぉ。その様子だと正解みたいですねぇ」
ショーマはにこっとエドに笑い掛けた。そんなショーマを見てエドは頭を抱える。
『はぁー。なんでこんなめんどくさい事になってるんだ』
「あのぉ、この話し方精神的に辛いんですよぉ。だからぁ、ちょっと魔法を掛けてもいいですかぁ?今夜だけで良いんでぇ、わたしの配下になってくれません?」
『配下だと?』
「配下になってくれればぁ、頭の中で会話できるんですぅ。テレパシー的なぁ?」
『てれ・・・?』
「明日解くんでぇ、とりあえず魔法掛けさせて貰いますね~♪」
『ちょ、まっ!!』
ショーマは驚くエドに隷属魔法をサクッと掛けた。
☆おまけ☆
一方、洞窟では・・・
「はぁ。ショーマはちゃんと食べているかしら」
サクラは夕飯を食べながら、溜め息を吐く。
「サクラ姉、ショーマ君なら大丈夫だよっ!ソラさんが鍛えて、シドさんが魔法を教えたんだからっ」
「そうよね。でも、やっぱり心配だわ」
「おかーさん、にーちゃんいつ帰ってくるー?」
「お兄ちゃんは明日のお昼頃には帰ってくるわ。帰って来たらお出迎えしてあげましょうね」
「うん!」
「サクラ、そんなに気になるなら貴女もアルカンに行ってくる?ヒスイのことは見てあげるよ?」
「お母さんありがとう。でも、私はここに居るわ」
「サクラさん、あのね、ごめんなさい」
「アンズちゃん・・・ショーマは大丈夫。大丈夫よ」
サクラはアンズに答えつつ、自分にも言い聞かせた。
◇◇◇◇◇
ソラが実は怒っていた様に、サクラもなんだかんだショーマの事を心配しているみたいです。
エドは魔人のお兄さんでした!
めっちゃ人気で美人な踊り子です!
性別迷子が多すぎる…笑
次回、そして動き出す。です。
皆がとうとう動き出します!
よし、頑張ろう!笑
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えへへぇ~♪(*´ω`*)




