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9―自警団の詰所1

本日、いつもより多めの文量です。

登場人物が多いので、いつも以上に会話だらけです。




 ソラ達三人は自警団の詰所の中へ入った。


 自警団の詰所は、これが兵舎と言われても違うとは断言出来ないほどに立派な木造三階建ての建物。一階に入ってすぐの場所はロビーの様になっていて、ソファセットとテーブルセットが置かれている。三人がすんなりとソファへ案内されたところから、一般の人が訪ねて来ることが頻繁にある様だ。どうやら詰所は完全に男所帯の様で、お茶は客も各自で用意する様になっている。


 三人がソファに腰を落ち着けて割とすぐ、上階からテッドが降りてきた。


「ジエン様、お待たせいたしました。何かありましたか?」


「休み中にすまんな。ちと相談したい事があるんだが」


「相談ですか?一先ず此方(こちら)へどうぞ」


 テッドはリンドを奥の応接室へと案内する。ソラとシドもその後に続いた。


「ジエン様、後ろのお二方はお連れ様ですか?」


「ああ。わしの娘婿(むすこ)達だ。こっちの白髪(はくはつ)がスカイ、茶髪(ちゃぱつ)がブラウンだ」


「スカイです。よろしくお願いします」

「ブラウンです。よろしくお願いします」


「テッドです。こちらこそよろしくお願いいたします。ジエン様、息子さんと言う事は、お二人も同じと言う事ですね?」


「ああ。わしと同じだよ。この事は内緒にしておいてくれ」


「わかりました。太陽(ソル)に誓って他人に話す事はいたしません。ささ。お座りください」


 応接室には八人掛けの会議机があった。テッドは三人に奥の椅子を薦め、自分は手前の椅子に腰を下ろした。全員が座るなり、テッドはリンドに話し掛ける。


「早速ですが、ご相談とは何でしょうか?」


「それが、わしの孫達が(さら)われてしまってな。孫達は自力で脱出可能なんだが、他にも拐われた娘が一緒にいるらしいのだよ。孫は一緒に捕まっている娘達も助けてあげたいみたいでな。それで君に相談しようと思い付いて訪ねて来たんだ」


「この町で誘拐ですか・・・。これは由々しき事態ですね。我々の存在意義に関わる問題でもあります。すぐに対応しなくては」


 テッドは腕を組み考え込む。


「うん?明るいな。お邪魔しますよっと」


 突然、応接室に小柄な男が入ってきた。リンドたちが入ってきたドアとは違うドアからだ。


「あれ?来客中だったか。って、さっきの迷子のオッサンじゃねぇか」


「おお!さっきは助かったぞ」


 リンドは親切な男との再会を喜ぶ。しかし、テッドは苦い顔で男に言った。


「トビー、このお方はジエン様だ。オッサンなんて呼ぶな」


「んだよ。ソルマンティの人間以外を()呼びなんてテッドらしくねぇな。まぁいいや、俺はトビーだ。よろしくな」


 小柄な男はトビーと名乗った。リンドも改めて名乗り、ソラとシドも挨拶を交わす。


「なんでトビーは詰所(ここ)に来たんだ?お前、自警団(ウチ)を辞めてからキリナントル商会に護衛で雇われているんだろ?」


「明朝出航らしいからよ。野暮用を済ませたついでに挨拶に寄ったんだ。次アルカンに帰るのは寒波が行っちまってからだかんな。当分先なんだよ。

 テッドこそなんで家にいねぇでこんな所にいんだよ。今日は早番だったんじゃねぇのか?」


「今日はジエン様がアルカンに居たから、念のため帰るのは明日にしようと思って・・・。って、なんで俺が早番って知ってるんだ?」


「いやぁ、アハハー。それより、ビルはいねぇのか?」


 テッドは訝しげにトビーを見るが、どうせ自分に会いたくないからいつが休みか仲間に聞いたんだと納得した。


「ビルか?あいつならさっき警邏(けいら)に出掛けたぞ」


「はぁあ!?待ち合わせしてんのになんで外に出てやがるんだ!!」


「当番なんだ。仕方がないだろ」


「ハァイ、トビー。お・ま・た・せっ♪」


 トビーの入ってきたドアから更に二人の男が入ってきた。細身の男と大男の組み合わせだ。細身の男は軽く右手を掲げてトビーに話し掛けた。


「おめぇらおせぇよ。どこで油売ってたんだ」


 トビーは二人の男に文句を並べる。そんな三人にテッドが苦言を述べる。


「ここを待ち合わせに使うな。そもそも今来客中だ」


 そんな中、シドはある事に気がついた。


『なぁスカイ。その大男からリコの匂いがする』


『え?あ、本当だ。リコちゃんの匂いだ』


「やだぁ、オズから女の匂いがするの?クンクン。確かにいい香りがするわね。もう、隅に置けないんだからん♪」


『『えっ?』』


「てかオニイサンたち超イケメンじゃない!あぁん、ワタシはセシルって名前よん♪あなたのお名前教えてぇん♪」


 セシルと名乗った細身の男はソラとシドを見るなりクネクネと腰を揺らしながら上機嫌で話し掛ける。


「おい、セシル。お前またやっちまったな」


 トビーは頭を抱えて唸る。


「・・・え?」


「今その二人は喋って無かった。独り言か?違うだろ?」


 オズと呼ばれた大男はため息混じりに指摘した。


「・・・え?まじで?」


 セシルは、やってしまったと顔を青ざめさせた。


「はぁ。セシルは聞こえる奴だったんだっけか。完全に忘れてた。

 こちらはジエン様。ソルマンティ家の客分だ」


 テッドは仕事を増やしやがってと避難めいた視線をセシルに投げた。


「わしはジエンだ。こっちは娘婿(むすこ)のスカイとブラウン。よろしくな」


「ワタシはセシルです・・・?

 はッ!ソルマンティ関係でジエン様!?まさか!!え!?ウソでしょ!?アリエナーイ!!」


 セシルは頭を抱えその場に(うずくま)る。


「おいセシル。大丈夫か?」


 トビーは心配そうにセシルの顔をのぞき込むが、セシルはぶつぶつと呟くだけで目を合わせない。


「テッド、この御仁は何者なんだ」


 オズはテッドに聞いた。テッドはどうしたものかとリンドに視線を送る。


「そこのセシルと言う者は、わしの正体を知っている様だな。彼もソルマンティの関係者なのか?」


「セシルが関係者とは聞いておりませんが、あの様子ですと知ってるとみて間違いないでしょう」


「うーん。スカイ、ブラウン。話して良いと思うか?」


「そうですね。我々が迂闊(うかつ)だったのがそもそもの失敗なので、仕方がないでしょう」

「それにこちらも情報を得たいですし。彼から何故リコの匂いがするのか」


 ソラは諦め顔で、シドはオズを睨みながら答える。リンドは二人の言葉を聞き、三人の男に向き合った。


「とりあえず、いつまでも立って居ないで空いている席に座りなさい」


 リンドの言葉に三人は素直に席に着いた。ガラリと変わった空気(主にシドからの無言の圧力)に冷や汗が流れる。


「わしが何者かと言う話だが、端的に言えばわしら三人はドラゴンだ」


 トビーとオズの口はぽかんと開いた。


「あー、信じられんよな。何か証明できるものがあれば良いのだが。何か無いか?」


「ジエンさん、ちょっとした魔法でも使って見せれば人間では無いことの証明はできますよ」


 リンドが助けを求めると、シドが睨みを効かせたまま助け船を出す。


「魔法か。ではこれなどどうだろうか」


 リンドがそう言うと、ランプの明かりは灯っているのに周囲が一気に暗くなる。


「わかったわかったっ。信じるから元に戻してくれっ!」


 トビーが慌てて魔法の行使を止めさせようとする。


「そうか?ここからが面白いところだったのだが」


「ジエン様はただのドラゴンでは無いのよ。この前、ルーベンス様が言ってたわ」


「ドラゴンに()()()()も無い」


 セシルはやや(やつ)れた顔で告げた。オズは最早達観した顔で返す。


「ちょっと待ってくれ!!最近ルーベンス様に会ったのか?あの方は生きているのか!?」


 テッドはセシルに掴み掛からん勢いで立ち上がった。セシルは慌ててオズに確認した。


「え?生きているけど?え?もしかして言っちゃまずかったヤツ?」


「そうだな。ニックが殺されるぞ」


「ニックも生きているのか・・・」


 テッドはストンと椅子に腰を下ろす。ずっと張っていた気が抜けた様だ。リンドはそんなテッドに話し掛ける。


「ルーベンスとやらは今代のソルマンティの(せがれ)だったな。ニックはもしやテッドの弟か?」


「その通りです」


「ルーのバカとニックのアホの事なんかどうでもいいじゃねぇか。セシル、ジエンさんがただのドラゴンじゃねぇってどういう事だ?」


 話が逸れて、トビーが軌道修正に乗り出した。


「それ聞いちゃう?もぉ、トビーは堪え性が無いんだから。そんなじゃすぐ女の子に振られるわよん」


「それ今関係ねぇだろ!俺にはレベッカが居るからいんだよ!!」


「彼女を囮にする野郎なんて屑以外の何者でもないな」


 セシルとトビーの言い争いにオズがぼそっと呟いた。


「キッツゥ!俺だって嫌だったんだかんな!アイツは反対してもやるって聞かねぇ奴なんだよ!てか、セシル!また話逸らしやがったな!」


「はぁ。もうわかったわよぉ。言えばいいんでしょ?

 ジエン様はドラゴンの(おさ)。キングよキング。もう、なんでこんな田舎にいるのよ!!」


 セシルはそう告げるとまた頭を抱えた。トビー、オズ、テッドの三人は目が点になっている。


(おさ)は周りの奴らに押しつけられただけだ。わしは普通の爺さんだよ」


「普通ってなんだっけ」

「こんなゴツイ爺さんは普通とは言わない」

「ジエン様、キングだったのですね・・・」


 三人は意識を遠くに飛ばしてしまった。そんな人間達をシドはまだ睨み続けている。


「まだ本題に辿り着いていないのだが。そろそろ何故私の娘の匂いがその男からするのかを教えてくれないか?」


 シドの冷たい声に応接室は凍り付く。ソラは苦笑いで肩を(すく)めた。





女神様 「ソラ君が白髪で、シド君が茶髪?」

朝木  「そこ気になる?空色の髪とか紫土色の髪なんて面倒でしょ」

女神様 「うーん。そうなのかな?」

朝木  「てか、女神様に言われたくないけど」

女神様 「どう言うこと?」

朝木  「ソラを空に溶け込ませようとして空色を選択したけど、実際は白く見えて全然溶け込めないとか?」

女神様 「ソ、ソンナコトナイヨ…」

朝木  「あ!今、目逸らしたでしょ!」

女神様 「黙秘!」


 女神様のチョイスミス!

 空の色って、実は海の色の反射だとか。

 空色よりもっとブルーじゃないとステルス性能は低いよね…

 実際目撃されてるし。

 雲になら紛れられるだろうけど。

 (ー_ー;)



 やっと関係者が3グループくらいまで減ったー!

 長かった…(。>д<)

 アルカンの人達の関係図が欲しいよね。



 ジエン爺はドラゴンの長をやらされております。

 だから今ミスリノートに住んでいるのです!

 なるほどー(。-∀-) …え?笑



 次回、シドの怒りの正体。です!

 なんでもうアンズは洞窟に帰ってるのに、あんなにお怒りなのでしょう?



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/


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