表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/263

1―家に帰ると/ルリの秘密


※6/27…会話文の表現を修正。





 縄張り制覇を終えたショーマは、とりあえず家へ帰ることにした。

 ショーマはウルシ達の機動力に加速の魔法を使って、西端から一月程で洞窟へ辿り着く。




 真っ直ぐ帰るだけでも一月か。海まで遠かったなー。あ、縄張り制覇したってソラさんに報告しなきゃ。


 ショーマはウルシとルリを洞窟近くの森へ放し、ソラを探す事にした。


「ソラさーん。どこー?」


 ショーマはいつもソラが昼寝をしている辺りを探している。すると、向こうからサクラがやって来た。


『ショーマ、お帰りなさい。元気そうでよかったわ』


「サクラさん、ただいま!」


『見ない間に随分髪が伸びたわね。その髪型も似合うわよ』


「そお?ありがとー!」


 ショーマは遠征中に髪を切るのが面倒になり、伸ばしたままにしていた。そのままだと邪魔くさいので、頭の高い位置に一括りにしている。


『まだまだ女神様の仕事は続くんでしょ?どれくらい家に居る予定かしら?』


「とりあえず、1週間くらいはゆっくりしよっかな?って予定。剣の稽古もしたいしね」


『そうなのね。あ、そうだ。ショーマはソラを探しているのよね。今洞窟に居るわよ。私は少し出掛けてくるから。夜には戻るわ』


「わかった。いってらっしゃい!」




 ショーマはサクラに言われた通り、洞窟へと向かう。


「ただいまー。ソラさん居るー?」


『おー、お帰りー。仕事は順調?』


「ソラさんのお陰で縄張り内は終わったよ!」


『それは良かった。お疲れ様。そうだ、西の山でミツキに会ったかな?』


「うん。いろいろ教えてもらった!今度遊びに来るって言ってたよ」


『へぇー。楽しみだな』


「で、それはどうしたの?」


 ソラの隣に何やら大きくて丸いものが置いてある。


『これか?何だと思う?』


「石?にしては綺麗な色だね」


『ははは。石か!これはね、ショーマの兄弟だよ。』


「へ?ドラゴンの卵ってこと!?さっきサクラさん何も言ってなかったけど!」


 ショーマは恐る恐る卵へと触れる。


『そっか。産んだの結構前だったから、言うの忘れたんじゃない?』


「ぇえ!?忘れるって、どれくらい?」


『もうすぐ半年になるかな?』


「そんなに!?俺、どんだけ帰ってなかったの・・・」


 ショーマはがっくりと肩を落とす。


『しょうがないよ。女神様に言われた仕事を頑張ってたんだから』


「うぅ。兄弟の誕生に立ち会えなかったなんて」


『うん?誕生はまだ先だよ。ほら、まだ卵だから』


「あ、そうか!そうだった!!あとどれくらいで生まれるの?」


 ショーマは目を輝かせる。


『そうだね、順調に行って1年くらいかな?』


「わかった!それまでには絶対帰ってくるから!」


『また何処かに出掛けるの?』


「女神様に勢力拡大の任務をもらっちゃって。今度は北側にー」


『大変だね。頑張って!』


「うん!頑張る!でもその前に、また剣の稽古をつけてもらってもいい?」


『うん。いいよ。今日はサクラが出掛けてるから、明日からでいいかな?』


「全然OK!よろしくね!」




 卵は弟かなー。妹かなー。ちょー楽しみ!




 ◇◇◇◇◇


 魔王に新しく家族ができるらしい。


 彼は次なる勢力拡大を北へと向けたようだ。


 北は今まで見たことが無いものばかりだが、果たしてすんなりと事が進むのか。


 ◇◇◇◇◇




 ショーマはウルシに跨がりルリを連れ、北方へ向かう。北方の地図が無いので、とりあえず北の果てを目指す予定だ。

 北上するにあたり、ショーマは自動筆記の地図魔法を開発した。通った場所を次々地図に起こしていく。縮尺も全く問題ない。




 順調すぎる。てか縄張りの西側より魔物が少ない?ローラー作戦じゃないからこんなもんなのかな。こんなときは女神リンク!ってね。


「もしもし、女神様?」


 ―――どうしたの?


「あのさ、今北側に来てるんだけど、ドラゴンの縄張りより魔物が居ない気がして。何か心当り無い?」


 ―――え?なんでだろう。


「心当りが無ければ別に良いよ」


 ―――ちょっと思い付かないかな。ごめんね。


「オッケー。サンキュー」




 女神様には気にならない程度なのかな。




  ◇◇◇




 ある晩、ショーマはいつも通り地図を描いていると、ルリがウルシに寄り添っていることに気付く。


 地図を書き終えたショーマはウルシとルリの傍へ寄り話し掛けた。


「ねぇ、ルリはもしかして女の子だった?」


 ルリは頷いた。


「ごめん。俺、小さいけど角があるから男だと思ってた。男っぽい名前を付けなくてよかったよ」


 ルリは顔を背けた。ちょっぴり拗ねてるみたいだ。


「ルリ、ごめんね?」


 ショーマはルリの頭を撫でながら声を掛ける。


 俺最近、ウルシとルリの気持ちがちょっと判ってきたかも。


「ウルシ、二人は恋人同士なの?」


 ウルシが頷く。ちょっぴり誇らしげだ。


「それはおめでとう!良かったね!」


 ショーマは2頭を祝福した。





 そろそろ矛盾が出てきそうです。頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ