8―夕飯と作戦会議
明けましておめでとうございます。
本日より投稿は再開です(*^^*)
実家でほのぼの編10ですが、元日に編集して内容が微増しました!
そちらもどうぞよろしくお願いいたします(・∇・)
時は少し遡り、南町の繁華街。一人の小柄な男がふらっと現れた。そして、一軒の店の裏手に回るとそこに佇む人物に話し掛ける。
「おい、エド。準備はいいか?」
エドと呼ばれた人は紺色の薄布を何重にも重ねて仕立てられた袖口の広がった長袖の上着と、フワリと空気を含んだスカートを身に纏っている。そして腰元は太めのベルトで締めていた。寒さ対策の為か若しくはそう言う衣装なのか、露出している部分は全身を見ても目の辺りだけだ。
足元はヒールの高い厚底のブーツ。身長は靴のヒール分を抜くと160cmくらいだろうか。ゆったりとした服を着ているにしては細身に見える。
うっすら光の通る薄布のせいか、はたまたその蠱惑的な目元のせいか、異様な色気が漂っていた。
「・・・(こくり)」
そして、声を発する事はなかった。
「じゃあ行くぞ」
エドは小柄な男に連れられて、その場を後にした。
◇◇◇
ショーマはアンズ人形の隣で壁に寄り掛かりながらソラと話をしている。
ソラとの糸電話のカラクリは元々あった繋がりに沿って連絡用の糸を伸ばし、振動させる事に依って会話を行うと言うもの。最初は繋がりと別にしていたが、安定しないので最終的にはぐるぐると巻き付けた。
今回会話するために巻いた糸は10本にも及ぶ。まぁ、1本→2本→3本→10本と跳んだ辺りはショーマのめんどくさがりな性格のせいだろう。10本繋いで駄目なら他の手を考えようとしていた所にソラから合図があった為、ショーマはかなりほっとしたらしい。
ちなみに何故ソラが簡単に喋れたのかと言うと、魔物の言語は魔力を振動させて相手と話す言葉で、勝手を知っていた為だ。
―――ショーマ、リンドさんが自警団の人と知り合いになったらしい。
―――そうなんだ!手伝って貰えるかなぁ。
―――これから詰所に行ってみることになったよ。
―――わかった!あ、
レベッカがショーマの身体に触れた。ショーマは軽く目を瞑っていたので、少しビクッとする。
「ティアちゃん。起きて。そろそろご飯の時間だから」
「ぅうん。レベッカさんありがとぉ」
ショーマはそう言って鼻をひくひくさせると、なんだか美味しそうな匂いがした。
―――ご飯の時間みたい。一回切るね。
―――切る?よくわからないがわかった。また後でね。
ショーマは糸電話用の糸を解いた。
「妹ちゃんはどうする?」
「えっとぉ、たぶん朝まで起きないと思いますぅ」
「いつもそうなの?本当に大丈夫?」
「大丈夫ですよぉ。それにぃ、妹は露店でいろんなものを食べてましたからぁ」
「そう。じゃあティアちゃんだけこっちにいらっしゃい」
レベッカはショーマを他の少女達の方へと連れて行った。ショーマはさりげなくアンズ人形に暗闇色の空気を被せて存在感を薄くした。
ショーマ達被害者は全員手足を縛られている。両手は手首で括られ、そこから延びた二本のロープが両足首にそれぞれ繋がれている。
立った状態で手の高さは腰くらい。体操座りになると口元に届く。手足を縛られてはいるが、動く事の妨げにはならない絶妙な長さだ。
そして、どの様にしているのか不明だが、結び目が解けないようになっていた。
少女たちの息遣いのみが聞こえる倉庫の外でガコンと閂を上げる音がした。そして入り口の観音開きの扉が開く。
「おい、飯の時間っすよ」
「おめぇら、しっかり食えよ」
倉庫の入り口から二人の男が入ってきた。手にはパンの入った袋と器、スープの入った鍋を持っている。
少女たちは幼い子から順に男から器に入ったスープとパンを受け取り、壁際へと戻っていった。壁に背を預けながらだと姿勢が安定して食べやすいのだろう。
ショーマも男から食事を受け取ると、彼女たちに倣い壁に寄り掛かって食べ始めた。
うーん。パンは冷たいけどそれなりかな。スープは温かいけどめっちゃ薄味だね。これ、ちゃんと塩入ってる?
ショーマを始め少女たちは男らに監視されながら言葉を交わす事も無く黙々と食べる。
少女たちが食べ終えると、男は空になった器を回収していく。
「明朝ここを出るからな」
「今夜はしっかり寝るっすよ」
男らはそう言って倉庫から出て行った。食事の時間中、彼らはアンズの事は全く気に留めていなかった。
男が扉の閂をガコンと下ろし、倉庫内はまた薄暗く静かな空間になる。
大人の女性たちは集まり、コソコソと相談を始めた。
「レベッカ、本当に私たちで出来るのかしら」
「ええ。隙を狙えば女の力でも船から落とせるはず」
「でも、あの大男には効かないんじゃないかしら」
「押す場所とタイミングさえ合えば、重い方が逆に落とせそうじゃない?」
「確かに」
ふーん。みんなで一斉に体当たりでもして男を船から落とすつもりかな?どんな船か解らないし、何人一緒に乗るかも解らないけどイケるのか?
まぁ、いざとなったらサクッと魔法で援護しますか。
ショーマが明日の作戦を考えているとクイッと引っ張られる感覚に襲われた。ソラが繋がりを引いた様だ。
ソラさんが呼んでるって事は連絡してって事かな?
「レベッカさぁん、わたしちょっと寝ますねぇ」
「お休みなさい。ゆっくり出来ないと思うけど」
「ですよねぇ。でもぉ、ちょっとでも寝ておきますぅ」
ショーマはレベッカに断りを入れると、アンズの空気人形の側で壁に寄り掛かって目を閉じた。
◇◇◇
ショーマが晩御飯を食べている頃、ソラ達はノースウェイ三番街にある自警団の詰所の前にやってきた。
「ジエンさん、たぶんここが詰所ですね」
ソラがリンドに声を掛ける。リンドは辺りをキョロキョロと見回した。
「そうみたいだな。いやぁ、人に連れて来られると早いもんだ」
リンドは詰所の前に立つ警備係に声を掛ける。
「ちとお願いがあるのだが」
「何か自警団に用か?」
「テッドにジエンが会いに来たと伝えてくれんか」
「オヤジはテッドの客か。ちょっと待ってろ。
おーい、誰かテッドを起こしてくれ。ジエンさんって客が来てるってな」
警備係は扉を開けて中に呼び掛けた。
「ここは寒いからな。とりあえずテッドが上から降りてくるまで、中に入った所で待っててくれ」
「すまんな。君も寒い中お疲れさん」
リンドは警備係の肩をぽんぽんと叩いて詰所の中へ入る。ソラとシドは警備係に会釈をしながらリンドに続いた。
女神様 「ショーマ君不在のまま年明けたねー」
朝木 「それ言わないでよ」
女神様 「最近私の出番もめっきり減ったし?」
朝木 「女神様は後でいっぱい出番あるから。そんなことよりヒスイ君が足りない!」
女神様 「はっ!?そんなことって酷くない!?」
朝木 「はぁ。早くアルカン脱出しないかなー」
女神様 「無視?ねぇ、無視なの!?」
朝木 「はぁ。女神様、年始から煩い」
女神様 「ひ、ひどい…(泣)」
女神様の出番はもうちょっと後で!
今はとりあえず、とっ散らかってるアルカンをどうにかまとめなくては!
(。>д<)
謎人物増えました。
今は大したキーマンでは有りません。
今後に期待!!笑
次回、割りと厄介な話。です。
自警団と彼らの関係が判明します。
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…ほとんど書き溜め出来なかったのは内緒です。笑




