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7―合流と情報共有

大変遅くなりました…。

代わりと言ってはなんですが、本日長めです。




 ショーマは一人、頭を抱えていた。


 女の子達が起きてると手紙とかの手段が使えないから、ソラさんと連絡の取りようが無いんですけど!!


 レベッカからの情報などをソラに伝えたいが、どうしたものかと悩んで居たのだ。


 またみんな気絶させるか?でも面倒だし。てか、実行犯がいつ帰って来るか分かんないから下手な真似は出来ないじゃん!!あー、どうしよう。携帯電話とかスマホがあれば楽なんだけどなぁ。

 うん?電話。電話か。電話。なんか出てきそう。なんだ?うーん。


 良い案が喉元まで出掛かっているが出てこない。そんなもどかしさがショーマを襲う。


 うーん・・・あ!!そうか!!これなら電話代わりに出来るかも?フフン。俺ってやっぱ天才じゃん!


 ショーマはにやにやと笑いながら思い付いた方法を試し始めた。


 倉庫が薄暗い事がショーマの味方になった。回りの少女達はショーマの悪巧み顔を目撃する事は無かったのだから。




  ◇◇◇




 集合場所のレッドベリーにまだリンドは現れていない。ソラとシドはあまり長居をするのも店に悪いし、どうしたものかと考えていた。既に夕食時にも関わらず、何故か客は増えて居ないが。


 ―――ソ・さ、ん聞、こ・る?


 ふいにソラの頭にショーマの声が響いた。


「うん!?」


「スカイ、どうしたんだ?」


 ソラがびくっと身体を震わせる。それに気づいたシドが何事かと問う。


 ―――安、定し・いな。糸電、話を再、現するのは難しいのかな?


「・・・ウィスの声が聞こえる」


「うん?私には聞こえないが?」


 シドは魔法的な痕跡が無いかと、周囲を確認する。


 ―――あ、繋がりに巻き付ければ安定はするのか。これで聞こえてなかったらまた何か考えないとなぁ。ねぇソラさん、俺の声が聞こえてたら引っ張って。


「ああ。分かったよ」


 ソラは反射的に返事をすると、意識を集中させて繋がりをクイッと引っ張った。


 ―――おお!聞こえてるんだね!やっっっと成功したよ!


『スカイ、今どういう状況?』


『例の魔法の繋がりを使って話し掛けてるみたいだね。ウィスからの声は僕の頭の中に聞こえるけど、こちらの声は聞こえないみたいだ』


 シドの問いにソラは少し残念そうに返す。


 ―――ソラさん、頭の中で繋がりを震わせながら声を出してみて。


 ―――・・・かな?あー、あー、聞こえるかい?


 ―――おぉ!ソラさんすごいね!俺はソラさんが返してくれるまで結構時間がかかったのに・・・。


 ショーマの傷心を余所に、興奮したソラはシドに伝える。


『ブラウン、離れているのにウィスと会話が出来るぞ!』


『ククッ。随分と嬉しそうに笑うな。いつもの余裕はどこにいった?』


 シドはショーマと話せて嬉しいソラを揶揄(からか)う。


『ブラウンだって、離れているのにメルちゃんやリコちゃんと話せたらうれしいだろ?』


 ソラはちょっと恥ずかしそうに、でもシドも同じだろ?と同意を求める。ちなみに、メルはカエデ(メープル)の愛称だ。


『それは嬉しいに決まってるね』


 シドはふっと笑った。


 ―――ねぇソラさん。今何時?ここさぁ、窓が無いから時間が全然わからないんだよ。


 ―――時間?ちょっと待ってね。


「ブラウン、今何時かわかる?」


 ソラはシドに時間を聞く。シドは懐から時計を取り出し答える。


「えーっと、今は6時過ぎた所だね」


「ありがとう」


 ―――今は夕方の6時過ぎだって。ショーマ、ご飯はどうする?


 ―――ここは食事付きみたいだから心配しないで。パンとスープくらいらしいけど。


 ―――なら良かった。


 ―――そうだ!ソラさん達はじいちゃんと合流出来た?


 ―――いや、まだシドと一緒に待っているところだよ。


 ―――そうなんだ。一応、こっちでわかった事を教えておくね。


 ショーマはレベッカから得た情報をソラへ伝える。それをソラがシドへ伝言する。


 ―――って状況なんだよね。だから、今日はここに一泊するよ。


 ―――そうか。動くのが明朝じゃ仕方ないね。あっ。


「おい、スカイ」


「ああ」


 ソラとシドは入り口に目を向ける。


 ―――ショーマ、リンドさん(おじいちゃん)が来たみたいだ。




  ◇◇◇




 所変わって北町の一角。リンドは一人焦っていた。


「ここは一体何処だ!?行きにしっかりと曲がる所を覚えた筈なんだが!?」


 リンド、実は重度の方向音痴である。ツバキが居ないと直ぐに迷子になってしまう可愛い一面を持っている。


「はぁ。北門からやり直すか。とにかく北に向かえば門には着くだろう。夕日があっちだから、北はこっちだな」


 リンドはそう言って何故か南に向かった。それを正す者はこの場に居ない。




 リンドが北ではなく南に向かいさ迷っている。日も沈み夜の気配が満ちる頃、三人の男と遭遇した。これ幸いとリンドはその内の小柄な男に話し掛ける。


「すみません。ちと道を教えて貰いたいのだが」


「うん?オッサン迷子か?どこ行きてぇんだ?」


「東門の近くにある“レッドベリー”と言う食堂に行きたいのだが、完全に迷ってしまってな。恥ずかしい話、ここが何処かも分からんのだよ」


 リンドは罰が悪そうにぽりぽりと頬を掻く。


「この辺はどの角も似たようなものだからな」

「ホント。昔は道を覚えるのに苦労したわぁ」


 小柄な男以外の二人はリンドに同情する。そして、お前が道を聞かれたんだからお前が連れて行けと言わんばかりに小柄な男を見た。


「はぁ。ったく仕方ねぇな。市場通りまで送ってくるぜ。次いでにエドを回収してくるからよ。“キタサン”の裏で落ち合おう」


「ああ、分かった」

「分かったわぁ。トビー、気を付けてねぇ」


「ああ。じゃあオッサン、着いてきな」


「すまんな」


 リンドはトビーと呼ばれた小柄な男の後に着いて、どうにか大通りへと出る事が出来た。


「レッドベリーはここをあの門に向かってずっと行けばあっからよ。ここまで来ればさすがに大丈夫だよな?」


「真っ直ぐなら大丈夫だ。ありがとうな、お若いの」


「良いってことよ。じゃあな」


 リンドは男と別れ、集合場所へと急いだ。




 リンドはレッドベリーの前までやってきた。ただの食堂のはずのそこには、年若い女性達が建物の窓や入り口を包囲するように群がっている。


「何かあったのか?」


 リンドはその状況に一瞬戸惑う。


「とにかく入るか。

 お嬢さん方すみませんね。ちょっと通りますよ」


 リンドは入り口の女性に声を掛け、道を譲って貰うと店内へと歩を進めた。そして、手を挙げて自分を呼ぶ娘婿(むすこ)達に驚いた。




  ◇◇◇




 シドがお茶のお代わりと、リンドの分のお茶と軽食を頼む。リンドはとりあえず、席に着いた。


「なんでスカイとブラウンがここに?リコとウィスはどうしたんだ?」


「リコはもう家に帰っています」

「ウィスの方は、この手紙を読んでください」


 ソラはリンドにショーマからの手紙を渡した。

 リンドが手紙を読む間に注文していた物が配膳される。


「――なんと言うか。済まんな」


 リンドは二人に向かって頭を下げた。


「頭を上げてください。今回の件はリコには良い勉強になりましたよ」

「ウィスもいろいろと学んでいますから。それに、ここからが大変なんで」


「そうだな」


 リンドは今のウィスの状況や脱出予定などをソラから聞いた。ソラがウィスと会話できる事を聞き、やっと安心したようだ。


 ―――ソラさん、じいちゃんに説明した?


 ―――大体説明したよ。


 ―――ありがと!


『スカイ、これからどうする?』


『とりあえず、捕まってる女の子達を解放する為にこの町の人間が仲間に居た方が良いかな。下手を打つと僕たちが犯人になってしまうから』


『確かに。逆に犯人の仲間だなんて思われたら目も当てられない』


『自警団に(つて)ならあるぞ?』


 リンドは悩む二人に自警団との経緯(いきさつ)を話す。


「ジエンさん、その彼に会いに行きましょう」

『スカイ、ウィステリア君に伝えて』


 シドは器用に言語を代えてソラに指示を出す。


「分かった」


 ―――ショーマ、リンドさん(おじいちゃん)が自警団の人と知り合いになったらしい。


 ―――そうなんだ!手伝って貰えるかなぁ。


 ―――これから詰所に行ってみることになったよ。


 ―――わかった!あ、ご飯の時間みたい。一回切るね。


 ―――切る?よくわからないがわかった。また後でね。


『ウィスに自警団に行く事を伝えたよ』


 シドはソラからの報告を聞くとそう言って席を立とうとする。


「まぁ待て。これを食べてからだ」


 リンドは軽食の魚ロールを一口、二口と頬張る。そして全部食べきると指に付いたソースをペロリと舐めた。


「では、行きましょうか」


 ソラはリンドが食べ終えた事を確認すると席を立った。


「あー、わしは道案内が出来ないからその辺の誰かに聞いてくれ」


 リンドとシドがその後を着いて行く。


「ちょっとすいません。ノースウェイ三番街はどう行けば良いですか?」


 ソラはそこに居た娘に話し掛ける。


「えーっとぉ、この道を真っ直ぐ西へ向かって、海から三本目の北通りがノースウェイ三番街ですぅ」


「なるほど。ありがとう」


 ソラは娘ににっこりと笑ってお礼を言った。その娘も含めオーディエンスはキャーキャーと言いながら何処かへ走り去って行った。


「・・・なんだ?まぁいいか。行こう」


 ソラは若干困惑しながらも、言われた通りに大通りを海へ向かっていった。





 ~おまけ~


 アルカンの東門近くにあるレッドベリーと言う食堂の前には年若い娘達が集まっている。


「ここに美形がいるって聞いたんだけど」

「はぁ~。これは絵になるわねぇ」

「正しく目の保養よねぇ」

「憂いがあんなに色気を増すのね」

「ちょっとどいてよ!見えないじゃない!」

「私は断然白髪の御方が好みね!あの冷たい目に見詰められたらゾクゾクしちゃうわ」

「私は茶髪の方が良いかな。なんて知的なのかしら」

「ねぇ、見えなぁい」

「きゃー!見た!?今笑ったわよ!!」

「やだ、意外と可愛い」

「誰か場所変わってー」

「いやん!目が合っちゃった!」

「あなた何言ってるの?目が合ったのは私よ!」


「お嬢さん方すみませんね。ちょっと通りますよ」


「ねぇ、今のおじ様もかなりイケてない!?」

「私、あのおじ様タイプかもぉ」

「やだぁ、意外と良い身体してるわよ」

「おじ様あの美形二人と知り合いなのね!」

「指を舐める仕草って、あんなに様になるの!?」

「もう帰っちゃうみたい」

「また来てくれないかしらぁ」


 集まった乙女達は好き勝手に話している。


「ちょっとすいません。ノースウェイ三番街はどう行けば良いですか?」


「えーっとぉ、この道を真っ直ぐ西へ向かって、海から三本目の北通りがノースウェイ三番街ですぅ」


「なるほど。ありがとう」にっこり


 一瞬静寂に包まれる。


 キャー!


 娘達は蜘蛛の子を散らす様に一斉に走り去った。


 ◇◇◇◇◇


☆コネタ

 魔物の言語は一般人には聞こえません。

 ただ、シャインレイの王であるコーネリアスの様に保持魔力が多いと聞こえる様です。

 その為、人間の領域では魔物の言語でも人間名で話しています。



 ショーマは糸電話でソラと情報のやり取りが出来ました。

 そして、イケメン達は移動するようです。



 次回、あなたは誰?です。

 謎の男の正体が判るかも!?



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/



 6月から始めた

『俺が魔王として女神が悪魔な世界にやって来た』

 ですが、気が付けば連載期間が半年になりました。

 意外と続いてる…(; ゜Д゜)


 来年もよろしくお願いいたします!

 (*^▽^)/★*☆♪



 新年最初の更新は1月7日になります。

 m(_ _)m


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