14―親戚のドラゴンズ4
ショーマとサクラが戻ると、皆既に思い思いの場所で寛ぎ始めていた。ショーマはカエデと話をするべく、カエデとアンズが座っているソファへ行く。
ちなみに人数が増える事を見越して、L字の大きなソファセットが広間に二組用意されている。組合せは一辺を背合わせにして点対称。広間は元々ドラゴンが3、4体居ても広さに余裕があるので、ソファセットが二組あっても狭さは全く感じない。天井までの高さも結構あるので、ちょっとした高級ホテルの吹き抜けロビーの様だ。
「ショーマ君とアンズって似てるねっ!やっぱり親が兄弟姉妹だからかなっ?」
カエデが隣に並んだショーマとアンズを見比べ、突然そんな事を言い出す。
「え?」
俺は確かに育ての親二人共に似てるけど。こんなクリっとした小動物みたいに可愛い見た目じゃないよ?
「ママ、あたしはこんなに恐い目してないよ!」
「恐い目・・・」
恐い目って、この目はソラさん譲りなんですけどー!?
ショーマがショックを受けていると、アンズが畳み掛けてくる。
「そうだ!ショーマ君!あたしの方が歳上なんだから、敬いなさいよね!」
「へ?」
「そうね。あたしの事はお姉様って呼びなさい!」
「オ、オネエサマ?」
「そうよ!だってあたしの方が大人なんだもん!」
「は、はぁ。大人・・・?」
この見た目で?第三者が見たら、どう考えても俺の方が歳上に見えるよね?
「ショーマ君、アンズはこれで200歳オーバーなんだっ。だからアンズの方がお姉ちゃんだねっ!」
アンズはカエデの言葉にえっへんと胸を張る。
「200歳超え!?その見た目で!?うそん!!」
ショーマは驚きから、思わず両手を頬に当ててムンクの叫びの様な状態になっている。
「なんの話をしてるんだい?」
シドが三人で話している所にやってきた。ショーマはムンクのまま向く。
「パパ!あたしがね、200歳過ぎてるんだよ!って話をしてたの!」
「あぁなるほど。だからこんなに驚いているのか。ドラゴンは寿命が長いせいか、他の種族より成長がゆっくりなんだよ。1000歳くらいまでは大体この姿なんだ」
シドはカエデの隣に座りながら解説する。ショーマはムンクのまま考え込んでいる。
そうなんだとしても、この見た目じゃなぁ。一度大人を経験してる俺はアンズちゃんをお姉さんとは思えないよ。
「そう言えば、ショーマ君も普通の人間よりはゆっくりだよね」
シドはショーマの成長度合いも人間より遅いと思っている様だ。
「確かに俺も少し遅いかも・・・」
そう言えば俺も長命種なんだった。あ!だから身長がまだこれしか無いのか!まだまだ伸び代が有るんだね!!ソラさんくらい(180cm後半)まで伸びるかなぁ♪うん。希望は捨てなくて済みそう!
「ショーマ君、それむぎゅって可愛いねっ!」
「え?ママ、あたしは?あたしは?可愛い??」
「アンズも可愛いよっ!」
「ほんと?やったぁ!」
ショーマは将来の希望に心が踊り、回りが何を話しているか聞いていない。
あれ?そう言えば、200年くらい前に何かあった様な?なんだったっけー。
ショーマは手を顔から離し、シドに話し掛ける。
「ねぇ、シドさん。200年前に何かあった気がするんだけど。なんだっけ」
「あぁ。ヒントはラリーセ大陸だよ」
シドはあくまでショーマ自身に答えを出させようと、ヒントを与えた。ショーマは腕を組み考える。
「うーん。ラリーセ大陸かぁ・・・」
ラリーセ大陸ってなんだっけ。うーん。すぐそこまで出かかってるんだよなぁ。
ショーマはチラリとシドとカエデを見て思い出した。
「――あっ!喧嘩だ!!」
「おっと。そっちで覚えているとは思わなかったよ」
流石のシドもショーマの答えに驚いた様だ。その反応にショーマは右手で後頭部を掻く。
「いやぁ、大陸を荒野に変えちゃうとかドラゴンの喧嘩半端ねーって覚えててさぁ。
カルメーナだっけ?ドラゴンの魔石を狙ってたんでしょ?それで、シドさんとカエデさんが返り討ちにしたんだよね?」
「まぁ、大筋では合っているかな。と言うか、魔石の事は言ったかな?」
「あー、何かの本で読んだよ。なんだっけ。学校で転移魔法の開発をしてるときだから・・・あ!転移魔法の失敗と成功!」
ショーマは閃いたとばかりに手をポンと叩く。
「多分『転移魔法の研究』じゃないかな?『飛行魔法の失敗と成功』と混ざっているね」
「えへへ。そうだっけ?まぁ、それで読んだんだよ。転移魔法を使う為にドラゴンの魔石を手に入れようとして返り討ちにあったって」
「返り討ちと言うか。ちょうどアンズがドラゴン姿に変身出来るようになった頃に、魔法研究機関に連れ去られそうになったんだ。それで感情的になってしまってね」
「あちゃー。そりゃあ完全に竜の逆鱗に触れたね。ドラゴンの子に手を出すなんて、自殺志願者としか思えない」
獣は子供の為にもんっっっの凄い力を発揮するんだから。
ショーマは腕を組み、うんうんと頷いている。
「ねぇショーマ君。あたしは大体200歳で、ヒスイ君は0歳でしょ?ショーマ君は何歳なの?」
アンズはなんの脈絡も無く突然ショーマの年齢を聞いてきた。
「俺?この世界では13歳だよ」
「ふーん」
「・・・って、それだけ!?」
ショーマは思わずアンズに突っ込む。
「それだけだけど?」
アンズはきょとんとした顔で答えた。
「そうですか」
俺に興味が有るの?無いの?どっち?ま、いっか。
「そうだ、シドさんにこの前聞いたとき、2500歳超えたかなって言ってたよね?」
「自信はないけどね」
「じゃあ、カエデさんはいくつなの?」
「アタシ?アンズが大体1600歳くらいの時の子だから、今は大体1800歳かなっ」
「へ、へぇー」
大体ばっかりー。
リンドがショーマの後ろから覗き込んできた。
「なんの話をしているんだ?」
「みんなに歳を聞いてたの。じいちゃんは今いくつなの?」
「わしか?うーん。ツバキ、わしは今何歳だ?」
リンドは隣に座るツバキに確認する。
「あなたの歳?えーっと、わたしより大体600歳年上ってくらいしか・・・。あ、サクラはわたしが大体2300歳の時の子で、カエデは大体2700歳の時の子だね」
また大体が増えたー!!
「えっと、カエデさんが1800歳だから、ばあちゃんは4500歳。で、じいちゃんは5100歳。サクラさんがカエデさんの400歳年上だから2200歳でどうでしょ?」
「おー!ショーマは頭が良いな!」
「そうかなっ」
リンドがショーマの頭を撫でまわす。ショーマはまんざらでもない様だ。
「ショーマ、ソラは大体私の400歳年上よ」
サクラがリンド、ツバキの並びのソファから更に大体を重ねる。
「じゃあ、ソラさんとシドさんは双子だから同じで、2600歳なんだね!」
「みんなの歳が大体わかったみたいだね」
サクラの隣に座るソラが更に大体を重ねてこの話題は終わった。
ねえ、心の中では後ろの0二つ取って良い?見た目も大体そんな感じだし・・・。はっ!そうすると、俺は0歳に!?いやいやいや、そもそも種族が違うんだって。
ショーマは一人何かに葛藤している。
ちなみにヒスイは知らない人が沢山訪ねてきてはしゃぎ疲れたのか、ソラの膝の上で頭をソラの胸に付けてスヤスヤと眠っている。
朝木 「ショーマ、結局アンズちゃんを何て呼ぶことになったの?」
ショーマ「アンズ姉ちゃんで妥協して貰いました」
朝木 「そうなんだ」
ショーマ「ちなみに、街に行ったらリコちゃんって呼んで良いってさ」
朝木 「リコちゃん?」
ショーマ「街ではアプリコットなんだって。だからリコちゃん」
朝木 「へぇー」
ショーマにお姉様が出来ました。
お姉様呼びでも良いと思ったんだけどな。
アンズちゃんはお姉さん振りたいお年頃です。
今まで回りが大人しか居なかったからねー。
200年前の真相がさらっと判りました。
ドラゴンズの歳が大体判りました。
うん。イロイロ判りましたよね?
(;・ω・)
次回、いろいろ連れ回される?です。
ショーマ!買い出し行くよー!笑
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ブックマークまたまた増えました!
一気に30件到達です!
独りお祭り状態です♪(σ≧▽≦)σ
…これはあらすじをちゃんと書いたお陰でしょうか?




