4―家族が増えた日1
今日は朝からソワソワと、みんな浮き足立っている。そんな洞窟の中に女神がフラッとやってきた。
「みんなおはよう。あれ?ミツキ君じゃん。久しぶりー」
『女神様か。相変わらず周囲を巻き込んでいろいろやらかしているらしいな』
「何その言い方!失礼ね!!」
『そんなに食って掛からずとも、間違って無いのだろう?』
「ミツキ君、ホンット失礼!!」
『まぁまぁ二人とも。今日は喧嘩をしないでね』
「そうだよ!今日はお祝いの日になるんだから!!」
会って早々に言い合いを始めた女神とミツキをサクラとショーマが止めに入る。
「サクラちゃんとショーマ君の言うとおりね」
『そうだな。ここは一時休戦といくか』
『ははは。そうしてくれるとありがたいよ』
今日はとうとう卵が孵る。みんなはそれを見守ろうと洞窟に集まった。もちろんウルシ、ルリ、アオイもいる。その中心に殻にヒビの入った卵が鎮座していた。
『そろそろ生まれるわ』
サクラがそう言うと、一際大きく卵が揺れた。
バリッ、ガリッ・・・バーン!!
殻を少しずつ割るのに苦戦したのか、一気に内側から吹き飛ばした。破片が周囲に飛び散る。サクラはそれが判っていたのか、風を動かしあっという間に一ヵ所にまとめた。
「うわ!!って、え?男の子??」
ショーマの言葉の通り、卵の中から生まれたのは3歳位の男の子だった。
「サクラさん、これドラゴンの卵だったよね?」
『そうよ。ドラゴンは人型で生まれてくるの。これから10年くらい掛けて魔力を貯めて、ドラゴンに変身するのよ』
「へー、そうなんだ」
今、桃太郎状態のこの子はドラゴンなのか・・・
「おかーさん」
男の子はサクラを見ると嬉しそうに言う。
「そうよ。誕生おめでとう」
サクラは人化して服を着せた。
「おとーさん」
続けてソラを向いて嬉しそうに言う。
「そうだよ。これからよろしくね」
ソラも人化して頭をなでた。
男の子はトテトテとショーマに向かって歩いてきた。
「だれー?」
「ショーマよ。あなたのおにいちゃん」
「にーちゃん!」
男の子は満面の笑顔でショーマに抱きつく。
うっ!天使!!ここに天使がいた!!!鼻が、鼻の奥が熱い・・・
「そうだよ。これからいっぱい遊ぼうね!」
ショーマは鼻を押えながらそう言って、男の子の頭をなでた。
それから男の子は女神様に抱きつかれたり、ミツキをわんちゃんと言ってガックリさせたり、ウルシ達の角をいじり回したりと一通りの自己紹介をした。
「それで、ソラ君。その子の名前は決めたの?」
女神様の発言に皆の目がソラに向かう。
「名前はね、ショーマに決めて貰おうと思ってるんだ」
今度はショーマに視線が集まる。
「えっ俺!?」
「あぁ。ショーマは名付け慣れてるだろ?それに、この子にもショーマとの繋がりをあげたいんだ」
ソラは真剣な目でショーマを見つめる。
「わかった。ちょっと待ってね」
ショーマは男の子を見た。男の子の髪と目は緑より青っぽい、綺麗な翡翠色をしている。
「・・・ヒスイなんてどうかな?」
ショーマは自身なさげにソラとサクラを見る。
「ヒスイか。良い名前だね」
「そうね。きれいな名前だわ。坊や、あなたの名前はヒスイよ」
「はーい!」
二人はヒスイと男の子に名付けた。ヒスイは元気良く返事をした後、名前を付けてくれたショーマに抱き着いている。
「さぁ、今日はお祝いよ!ソラ、ショーマを連れて買い物に行ってきてくれないかしら?」
「いいよ。ショーマ、どの街に行く?」
「うーん。あ、メルカにしよ?長いことフランツさんに会ってないし」
「じゃあメルカにしよう」
メルカは洞窟から南にソラの速度で30分程行った所にある少し大きな街。他にも何ヵ所か良く行く街があり、ショーマはその中からメルカを選んだ様だ。そのメルカにあるドラゴン御用達の酒屋がフランツの店だ。
「メルカに行くなら、エリーさんによろしくって伝えてね」
サクラは奥様友達のエリーへの伝言をお願いする。
「わかった。ショーマ、準備ができたら玄関にきてね」
「はーい!」
ショーマとソラは二人で近くの街「メルカ」へ向かった。
◇◇◇
ショーマはソラとメルカの郊外へやってきた。いつもはドラゴンで乗り付ける人気の無い森の広場に、今日はショーマの転移魔法で飛んできた。
「おおー、本当に一瞬で着いた。転移魔法って便利だね」
「だよね!でも、一度行ったことある所か見える所へしか行けないっぽいんだ」
「そうなんだ。僕にも使えるかな?」
「うーん。人間の魔法を一部流用してるからなのか、魔人のレイカー達は使えなかったんだよね。実験に協力してくれた魔物でなんとかぎりぎり?でも、俺の下書きが無いと使えないみたいだったよ」
「そうか。それじゃあ僕にも難しそうだな。あ、シドなら使えるかもしれないよ」
「確かに!こっちに帰って来る前に伝えておけば良かったな」
「まぁ、シド達も年明けに来るって言ってたからその時で良いんじゃない?」
「そうなの!?じゃあ、その時に教えよう!」
「ははは。先生と生徒の立場が逆になるね」
「そうだねっ!」
ソラとショーマはそんな話をしながら街へと歩いていく。
朝木 「トータルPVが10,000を越えましたー!」
女神様 「おめでとう!」パチパチ
ショーマ「良かったな!」パチパチ
朝木 「読者の皆様のお陰です!ありがとうございます!」
ショーマ「朝木、これからも頑張れよ」
女神様 「私も応援してるよ」
朝木 「二人共ありがとう!がんばる!」
皆様のお陰でPVが10,000を越えました。
ありがとうございます(*^^*)
これからもコツコツ頑張りたいと思います!p(^-^)q
ちなみに、記念すべき10,000人目の御来場者様は11月4日の8時代にいらしたアナタです!(*’ω’ノノ゛☆パチパチ
弟竜が生まれましたー!
ヒスイ君です!
よろしくお願いします♪ヽ(´▽`)/
次回、メルカの街でお買い物!です♪
今度の買い物はすぐに終わるはず!笑
応援して頂けると嬉しいです(^^)
訪問だけでも大感謝(^^)/