3―実家でのんびり3
少し遅くなりました。
ショーマは夜寝る前にソラとサクラに呼ばれた。
「ショーマ、今夜は三人で一緒に寝よう」
「え?ソラさん、急にどうしたの?」
「ラアイテでの最後の夜に約束したから。約束は果たさないとね」
「ソラだけ一緒に寝たなんてズルいわ。私もショーマと一緒に寝たいもの」
サクラはうふふと笑っている。ショーマはソラに促されて、二人と一緒に寝る事にした。
ソラとサクラの寝床に連れて行かれると、ショーマは二人の間に挟まれた。
「ソラさんとサクラさんは寝るとき人型なんだね」
「そうよ。どうして?」
「部屋がドラゴンの寝室にしては狭いし、置いてあるベッドが人間サイズだから。って言っても三人で寝るには十分広いけど」
「ああ、ショーマは前世を思い出してからはこの部屋に入った事が無かったか。赤ちゃんの時は一緒に寝てたけどね」
「そうね。懐かしいわ。人間の子は夜になるとすぐ泣くと聞いていたけれど、ショーマはほとんど泣かなかったのよ」
ソラとサクラは昔を思い出してほっこりとしている。
「へぇー。そうだったんだ。その頃の記憶は流石に無いからわからないや」
「ふふふ。それで、なんで寝床が人間サイズなのかって気になる?」
「うん!」
ショーマの興味にソラが何故か可笑しそうに答える。
「それはね、先輩ドラゴンからの忠告なんだよ。先輩はドラゴンの姿で寝ていた時に、寝返りでお気に入りの洞窟を崩壊させてしまった事があったんだって。だからね、僕らドラゴンは仮眠時と外での就寝時はドラゴンの姿のまま寝るけれど、洞窟での就寝時は人型になるようになったんだ。」
「ぶふっ。それはまた凄い理由だね」
とんでもない理由に、ショーマは思わず吹き出す。
「ははは。でしょ?どっちの形態で寝ても同じだからね。まぁ、人型の時はこうして寝具が無いと身体が痛くて寝れないのがネックかな」
「うふふ。先達からの忠告だけど、ちょっと笑っちゃうわよね。ちなみにその洞窟を崩壊させちゃったドラゴンは私の父なのよ」
「えっとそれって、お爺ちゃんってこと?」
「そうよ。年が明ける頃に孫を見に来るそうだから、その時に会えるわね」
「そっかー、お爺ちゃんかー」
ソラはショーマの髪をサラサラと指で梳いている。ショーマはそれが気持ちいいのか、うつらうつらとし始めた。
「もう寝ましょうか」
サクラはうとうとしているショーマを見ると灯りを消した。
その夜、親子三人は久し振りに川の字で眠りに着いた。
◇◇◇
数日後、森からミツキがやってきた。
『やぁ主、久しぶりだな』
「あ!ミツキじゃん!久しぶりー!!
ちょうどこれからソラさんに稽古つけてもらうとこなんだ!一緒に来る?」
『それは良いな。我もついて行こう』
ショーマとミツキは広場へ向かった。
「ソラさーん、お客さん!」
「うん?あぁ、ミツキじゃないか」
『ソラ殿、約束通り来たぞ。そろそろ生まれる頃だと思うてな』
「そうだね。あと数日だと思うよ」
『そうか。暫く世話になるぞ』
「え?ミツキ、暫く居るの?じゃあ今度俺の相手してよ!!」
『おぉ、それは良いな。ソラ殿、主は成長しておるか?』
「そうだね。ミツキと会った時よりも強くなってるよ。あの頃よりも背が伸びて一撃の重みが増した。何より鋭さが出てきたからね」
『ほう。それは楽しみだな』
「よし!決まりだね!!」
「じゃあ、今日の稽古を始めようか」
「お願いします!」
ショーマとソラはミツキが見守る中、稽古を始めた。
「はぁー、つっかれたー」
「お疲れ。ちゃんと身体を解すんだよ」
「はーい」
ショーマはソラに言われた通り、ストレッチを始めた。
『なぁ、ソラ殿。以前から思っておったのだが、主に真剣を持たせてやらんのか?』
「うーん。まだ早いかなって思っているんだよ。もう少ししなやかな筋肉を身に着けてからかなって。ショーマは僕たちと違って人間だからね」
あれ?ソラさんは俺の事人間だと思ってる?
『なるほどな』
「えっと、あの、ソラさん。女神様から聞いてないの?」
「うん?何を?」
ソラは心当たりが無いのか、首を傾げる。
「俺ね、人間じゃなくなったんだよ」
「え?人間じゃないの?」
『どこから見ても人間だと思うのだが』
「俺、竜人なんだ。所謂亜人種ってヤツで、この世界で言うとこの魔族だね。しかも、半年ちょっと前までは半分ドラゴンみたいなものだったらしい」
「そうだったんだ。竜人って具体的にはどんな種族なのかな?」
「たしか・・・体力と魔力が多いはず。あとは亜人種最強だったかな?」
ショーマはなんとか半年前の女神の言葉をを思い出す。
『なに?主は亜人種最強とな!それは恐れ入った!』
「はは。全然実感が湧かないけどね。ただブラウン先生が俺の朝練を見て、人間離れしてるから見られないように気を付けてって言ってたっけ」
「ブラウン先生って、もしかしてシドかな?」
「そうそう!シドさんだよ!」
「なるほど・・・。
そろそろショーマも真剣を持って良いかもね」
ソラは少し考え込むと、ストレッチの終わったショーマを連れて倉庫に向かった。
◇◇◇
ソラはショーマを連れて倉庫にやってきた。
「この前掃除した時に真剣を持ってみたんだけど、重すぎて俺にはまだ無理だと思ったんだよね」
「それってどの剣?」
「えーっと、これ」
ショーマは一本の剣を指差す。
「あー、これは重いだろうね。ただの鉄で出来てるから。しかもロングソードだし。今のショーマだったら、こっちに置いてあるショートソードじゃないと扱えないと思うよ。確か魔鋼金属製のやつがこっちにあったはず・・・」
ソラが違う棚の武器をゴソゴソと探しだす。
「ソラさん、ロングソードはやっぱり難しい?」
「うん。もうちょっと身長が無いとね。今のショーマには長いから、腰じゃなくて背中に背負わないと持ち運べないよ」
「た、確かに・・・」
ショーマはまさかの理由にションボリしている。
「あったあった。これなんてどう?」
ショーマはソラから一本の剣を手渡された。
「あ、これなら重すぎなくて使えそう」
「ちょっと外に出て振ってみようか」
ショーマはソラと洞窟の外に出る。
『お、主。良いものが見つかったか?』
「うん。今から素振りしてみる!」
ショーマはソラとミツキに見守られながら真剣で初めての素振りをしている。
「うん。ちょっとぎこちないけれど、扱えない事は無さそうだね」
「やっぱり真剣は重いね。剣に身体を持っていかれそうになるよ」
「それは繰り返し練習するしか無いよ。木剣もその剣に合わせて少し重りを入れようか」
「そうだね。軽いままだと練習にならないよね」
「とりあえずその剣はショーマにあげるよ。後で手入れの仕方を教えてあげるね」
「わーい!!」
ソラはショーマの練習メニューの見直しを始めた。ショーマは剣を鞘に納め腰に装備すると、歩いたり走ったり跳んだりして身体の動きを確かめている。
『うんうん。主が着々と強くなっている様で頼もしいな』
「えへへ。そうかなぁ」
ショーマはミツキに誉められて満更でも無い顔で照れる。
その夜、ショーマは剣を愛でながら眠りに着いた。
朝木 「ねぇ、ショーマ」
ショーマ「うん?なに?」
朝木 「ちょっと親に甘えすぎじゃない?」
ショーマ「そうかな?」
朝木 「だって、世間一般の中2男子ってそろそろ反抗期が始まるでしょ?」
ショーマ「うーん。でもさ、ほぼ家の外に出てるから会えるタイミングで甘えたいじゃん?」
朝木 「確かにほとんど家に居ないね」
ショーマ「でしょ?それに、俺は二人が大好きだし!」
朝木 「ま、眩しい!そんなキラキラした笑顔を向けないで!」
ショーマ「えー?なんで?」
朝木 「ごめん。甘えすぎとか言った私が悪かった」
ショーマ「分かってくれればそれでいいよ」
ショーマは家族が大好きだそうです。
こりゃ反抗期なんか無いな。(* ̄ー ̄)
ショーマは遂に自分の剣を手に入れた!
身長が低いのでまだ長剣はお預けです。
次回、生まれます!笑
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