36―転移魔法完成
休日の今日、ショーマは転移魔法を完成するべく学校裏の森に来ている。
俺の実験に協力してくれる子はいるかなーっと。あ、あの子で良いや。
ショーマは小鳥を見つけ、石の鳥かごの魔法を放つ。哀れな小鳥はなすすべもなく捕らえられ、ショーマの実験に無理矢理協力させられることとなった。
さて、先ずは魔法陣の構築からだな。
転移先はー、あ、あそこの岩の上でいいか。
入口の魔法陣を魔力で描いてーっと。
ショーマの足下に直径1m程の魔法陣が浮かび上がる。
よし、不備無し!
更に出口の魔法陣を描いてー。
見ないで描くのは難しいな。
ショーマは入口の陣から魔力を流し、出口となる岩の上に魔法陣を描く。すると入口の魔法陣が光を帯びた。
ふう。どれどれ?
ショーマは岩の上によじ登り、出口の魔法陣の出来を確かめる。
うん。問題は無いね。
次は、起動して発動だね!
ショーマは入口の魔法陣へ戻る。魔法陣の端を踏み、魔力を流した。そして鳥かごを陣へ乗せる。
≪跳べ≫
ショーマが鍵言を思い浮かべると、鳥かごは一瞬にして消えた。
おお!どうだろ。成功したかな?
ショーマは再び岩の上によじ登る。そこには、入口の魔法陣から転移した鳥かごがある。
「大丈夫?生きてる?」
ショーマは、無理矢理実験に付き合わせておいてそれはないだろう。と反論が噴出しそうな言葉を小鳥に投げ掛ける。
当の小鳥はと言うと、止まり木から落ちフラフラと頭を揺らしていた。
「あ、酔ってる感じ?ヒールで治るかな?」
ショーマは腰元のケースから杖を取り外し、小鳥にヒールを掛ける。
「ディア・セント・フェア・ヒール
どう?治ったかな?」
小鳥は鳥かごの中で元気そうに飛び回り、ピーチクパーチク鳴いている。どうやら、ショーマに猛抗議している様だ。
「ヒールって車酔いとか二日酔いにも効きそうだな。てか、何で酔ったんだ?」
ショーマは出口の魔法陣に魔力を流して一度消し、考察を始めた。
酔ったって事は、三半規管に刺激があったって事だから。うーん。転移の途中でクルクル回ってるとか?
だとすると、常に足が下に成るように調整しないとな。
ショーマは魔法陣を調整しては小鳥を転移させ、その度に酔ってしまう小鳥にヒールを掛けた。
小鳥はどんどん鳴かなくなっていく。どんなに文句を言っても止めてくれないと悟ったからだろう。
何度目かの実験で小鳥に異変が起きた。体が突然光ったのだ。
「は!?え!?ウソ!!」
小鳥はショーマの目の前で魔物に進化した。
『もういい加減にしてくれ。また変な魔法を掛ける気か?』
小鳥はうんざりとした様に言葉を発する。キュートな見た目に似合わず、草臥れたサラリーマンの様な声だ。
「あのー、スミマセン。君、今魔物に進化したよ?」
『は!?何を言って・・・』
小鳥は自分の身体を見回し、慌て出す。
『なにぃ!?何故だ!?進化するにはまだまだ時間が掛かるはずだぞ!?』
「えーっと、ちょっと上司に確認するから待ってて?」
ショーマは女神リンクを使う。
「女神様ー」
―――ショーマ君お疲れー。
「今、小鳥が魔物に進化する瞬間を見たんだけどさ」
―――へー、珍しい場面に遭遇したね。
「本人曰く、進化はまだまだ先だったらしい。何でだと思う?」
―――うーん。何してたの?
「転移魔法の実験を朝から」
―――そうだね・・・。半日ずっとショーマ君の魔力に触れてたから、一気に進化する量まで溜まったのかもね。
「そんなこと有り?ちなみに、色が見たこともない紫色なんだけど」
―――紫色?突然変異かな?たぶん黒と変わらないと思うよ。
「なるほど。ありがとう」
―――じゃあまたね。
ショーマは女神リンクを切る。
「さて、どーするかな?とりあえず、君の事配下にしていい?」
ショーマは頭をガシガシと掻きながら、小鳥に聞く。
『何がとりあえずなんだ!先ずはこの状況を説明しろ!』
「デスヨネー。なんて言うか、俺の魔力で進化したらしい」
『お前の魔力?』
小鳥は可愛らしく首を傾げる。意外と艶やかな声と仕草が嚙み合わない。
「そう。朝から実験に付き合って貰ってたじゃん?ずっと魔法に掛かってる様な状態だったから進化量まで溜まったっぽいよ」
『そんなことあるのか?』
「有ったらしいよ。それが君」
『・・・はぁ』
「なんか、悪いね」
『・・・』
「──で、俺の配下にしていい?」
『配下ってなんだよ』
「俺さ、魔物を配下にして回ってるの。これでも一応魔王候補なんだよね」
『魔王候補?魔王ってなんだ?』
小鳥はまたもや可愛らしく首を傾げる。ショーマはそのちぐはぐさを気にしていない様だ。
「一応魔のモノの王ってことらしい」
『魔のモノの王・・・』
「そう。で、どう?配下になってくれない?」
『配下になったら、何か得はあるのか?』
「うーん。特に?」
『・・・お前正直な奴だな』
「あ、実験には配下にならなくてもこのまま協力してもらうつもりだから」
『は!?いやいやいや。え?マジで?』
「マジマジ。じゃ、配下になるかは保留ってことで、いってらっしゃい!」
『ちょ、待てって!!うわぁぁぁぁーー・・・』
ショーマは小鳥を転移させる。
ショーマが出口の魔法陣に向かうと、むすっとした小鳥が待っていた。
『おい、成功だと思うぞ。お前も試してみろ』
「え?本当に?」
『ああ。だからいい加減開放してくれ』
「もう一回成功したらね」
ショーマは素早く手に魔法陣を再構築して、また中央に鳥かごを置く。
『は!?だから、もう止めてくれぇぇぇぇーー・・・』
その後ショーマ自身も何度か試して、転移魔法は完成した。
小鳥は結局ショーマに隷属魔法を掛けられ、ユカリと名前を付けられた。
ショーマはユカリに変装魔法を掛け、普通の動物に偽装して寮へ連れ帰る。ユカリは普通に魔法を使えるので、ショーマの許可無く魔法を使えない様に命令をした。機を見て逃走しようと企んでいたユカリの絶望は計り知れない。
朝木 「ショーマぁぁ」
ショーマ「なんだよ」
朝木 「ブックマークが減ってしまったぁぁ」
ショーマ「朝木がグダグダやってるからだろ?」
朝木 「ごもっともです・・・」
ショーマ「でも、0になった訳じゃないんだから」
朝木 「うん。分かってる。頑張る」
こんなグダグダ状態でも応援していただける皆様のため、更新頑張ります!
減っちゃったのも、もしかしたらなろうを退会しちゃっただけかもしれないし!無駄にポジティブ(^^;)
トゥルットゥー♪
ショーマは新たな仲間を手に入れた!
ちなみに彼が「魔法学校編28」の後書きのアレです。
ユカリの色はふりかけの袋をご想像ください。
(;゜∀゜)え?
次回はお待ちかね、卒業です!
方針は決まりました!(^-^ゞ
応援して頂けると嬉しいです(^^)
訪問だけでも大感謝(^^)/




