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34―大森林の校外演習2―出会い




 ショーマとヘンリーは湖の中と(ほとり)で対峙している。


「ヘンリー、どうしたの?」


「俺は水音が聞こえて。魔物かと思って気になって来た。ウィスは?」


「見ての通り、水浴びだよ」


「水浴びって、夜に一人で危ないだろ!」


「大丈夫大丈夫。今日は明るいし!あ、戻るんならあそこに吊ってる鳥持ってって。血抜きは済んでるから」


「しかも鳥まで狩ってたのか!?」


「鳥は夜目が利かないから、夜は動きが鈍くて楽勝だよ」


「そう言う問題じゃ・・・」


「じゃ、よろしく!俺はもうひと泳ぎしたら帰るから」


 ショーマははそう言って、また水の中へ入っていった。


 くそっ!ウィスに目を奪われたなんて!天使かなんかだと思ったのに!今日が満月なのが悪いんだ!湖が神秘的に魅せただけだ!


 ヘンリーは悪態をつきながらも、しっかりショーマが仕留めた鳥を持って戻っていった。

 ショーマは岩陰からその様子を眺める。


 思わず威圧を使っちゃったけど。あの調子なら大丈夫そうだね。彼らを従えてる所は見られてないっぽいし、まぁ良いか。


「さて、話の続きをしようか」


 ショーマが声を掛けると、水の中から人型の魔物が現れた。身体の鎖骨から下の体表が蒼白い鱗で覆われ、月明かりを反射してキラキラしている。




 ~~~ヘンリーに見付かる前~~~


 ショーマは今日もテントを抜け出し、周辺の魔物を従えている。


 今夜は明るいな。あー、二つ共満月なのか。

 あれはトカゲの魔物?うわぁ、でかいなー。てか、これはトカゲでいいの?


 ショーマはトカゲっぽい魔物(体長2m程)に向けて隷属魔法を展開し従える。


「この辺に今人間が居るから、二三日の間もう少し奥に行っててくれる?」


 魔物は一つ頷くと、ペタペタと奥へ歩いて行った。


 ふう。いやぁ、でかかった。あんなの縄張り(ウチ)の方には居なかったよ。どうやってでかくなるのかな。元々でかいのかな。それとも時間を掛けて徐々に成長する感じなのかな。


 ショーマは物思いに耽る。すると、ギャーギャーと鳥の鳴き声が聞こえた。


 あ、あそこに鳥が居るじゃん。よし、明日の昼は鳥肉のサンドイッチだね。あのめっちゃ固いパンも薄く切れば柔らかいし。


 ショーマは鳥に向かって風の刃を放ちサクッと仕留め、手馴れた様子で血抜き作業をしていく。


「ふんふんふーん♪おや?」


 ショーマは何かに気付き、仕留めた鳥を手に気になる方へと向かう。


 うわぁ!綺麗な湖!!後で水浴びもしていこう♪


 そこには月明かりを反射して青白く光る湖があった。所々に大きな岩があり、黒々と浮かび上がっている。湖の回りは葉の短い草が生い茂り、昼寝に調度良さそうだ。


 ショーマは鳥を近くの木に吊り、辺りを見回す。


 確かこっちの方から魔物の気配がしたんだけどなー。あれ、あそこに誰かいるね。なるほど、人型の魔物か。魔力制御は覚えたし、今度は悪魔!って逃げられないよね?


「こんばんはー。ちょっとお話しませんかー?」


『おい!人間だ!!』

『女子供は湖の中へ!!戦える奴は来い!!』


「へ?いやいやいや、危害を加えるつもりは無いから」


『人間の言う事など信用できるか!!』


 魔物たちは問答無用で魔法を放ってきた。


「うわ!マジで攻撃してきた!!ちょっと、話を聞いてってば!!」


 ショーマは魔法攻撃をひらりひらりと躱していく。当たらない魔法攻撃はバシャンバシャンと音を立てる。


「あー!!」


 大きく飛び退いた衝撃で髪を留めていたヒモが(ほど)け、ショーマの視覚は制限される。


『攻撃が当たらない!!』

『あいつは何者なんだ!?』


「だー!髪邪魔!!もういいや!!」


 ショーマは氷の檻に魔物たちを閉じこめた。


『くっ、殺せ!!』

『頼む!女子供だけには手を出さないでくれ!!』


 檻に捕らえられた魔物たちは各々最期を悟った様な顔をしている。


「いや、殺すつもりは無いし。最初の通り、話をしたいだけだって。それに、俺は人間じゃないから」


 ショーマは顔に掛かった髪を鬱陶しそうにかき揚げながら魔物へ話し掛ける。


『は?人間じゃない?』


「うん。俺は竜人。今は人間の振りをしてるけどね」


 そう言ってショーマは変装魔法を解きつつ、そこそこの魔力を込めた威圧を使った。


『へ?漆黒って事は、魔の者?』

『しかもこの魔力量、並の人間ではあり得ない!』


「これで分かってもらえたかな?で、代表の人と話したいんだけど」


 すると檻の中から声が掛かった。女子供を守ろうとしていた、透き通るようなアイスブルーの髪色の人だ。

 ちなみに、この魔物たちは一様に青~水色っぽい髪色をしている。


『ワタシがこの者達の代表です』


「あ、檻は解除するよ。手荒な真似をしてごめん」


 ショーマはそう言って氷の檻の魔法を解いた。


『ありがとうございます。それで、話とはなんでしょうか』


「単刀直入に、俺の配下になってもらえません?」


『配下、ですか?』


 魔物は怪訝な顔を向ける。


「そう。俺は魔王になるためにいろいろな魔物を従えているんだ。で、今日は君たちの気配を察知したから交渉に来たんだよ」


『交渉ですか。貴方ほどの魔力があれば、問答無用で従えられるのでは?』


「そうなんだけどさ、君たち魔物にも意思はある訳だし。まぁ、動物の魔物は意思の疎通が出来ないから問答無用で従えてるけど」


『我ら魔物の意思を尊重するなど、面白い方ですね』


「そうかな?」


『うん。よし!ワタシは貴方様に従いましょう。皆の者はどうする?』


 魔物は何度か頷くとそう宣言し、回りにも意志確認を行う。


『俺も良いぜ』

『オレも良いと思う』

『こやつには我らに対する敵愾心が感じられんしな』


 他の魔物たちも賛成の意を表した。


「じゃあ、隷属魔法を掛けさせてもらうね」


 ショーマは魔物たちに隷属魔法を掛ける。


『そうだ、中の奴らにもこの魔法を掛けてやってくれないか?』

『それがいいな!なんだか暖かい魔法だし』


「だったら案内してくれる?俺も水中がどうなってるかちょっと気になるし、泳ぎたい気分だから」


『わかりました。後を着いてきてください』


 ショーマは服を脱ぎ、湖の中へ潜った。隷属した魔物たちの案内のもと、湖に隠れていた魔物にも隷属魔法を掛ける。中にはまだ魔物に進化していない者も居た。


 魔法が掛からないって事は、まだ魔物じゃないのか。この状態は何なんだろ。人間とは見た目が違うから、俺みたいな魔族とも違うんだよね?うーん。人型の魔物って不思議だなぁ。


 湖面へ浮上している途中で、変装魔法を解いていたのを思い出し掛け直した。




 この後、ヘンリーと遭遇する。





女神様 「朝木、前回と前々回はなんでPVがいつもの倍来たのかしら」

朝木  「うーん。更新時間のせいかな?」

女神様 「確かに、いつもと違う時間に更新してたね」

朝木  「10時より13時過ぎの方が見てる人多いのかな?」

女神様 「それもあるかもねー」

朝木  「でも、また今日は10時に予約更新~♪」


 前回と前々回は色々あっていつもより遅かったのです。

 それだけであんなに違うんですね。ビックリしました。



 ショーマは人型の魔物を密かに従えました!

 今度は悪魔と言われなかった様です。

 良かったね(о´∀`о)



 次回はどうしようかな。ノープランですわー( ´△`)

 コラッ(*`Д´)ノ!!!Σ(ノд<)

 あ、でも、そろそろ卒業も視野に入れてますよ!笑



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/

 ブックマークで踊ります(σ≧▽≦)σ



 ブックマークまた増えました!

 応援ありがとうございます!((o(^∇^)o))


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