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32―図書館と転移魔法




 ショーマは女神から転移のヒントを得て、魔法の開発を始めた。


 地点(ポイント)地点(ポイント)空間(スペース)を介して繋ぐのが一番シンプルで手っ取り早いか。

 媒介は何が良いかな?例えば、ドアとか?・・・いやいや、ドア持ち歩くとか非現実的過ぎるから。なんか上手い方法無いかな。


 ショーマは何となく棚に置いた魔法応用の教科書を開く。


 なんかヒントになる様な事は書いてない・・・か。やっぱ平民コースの教科書レベルじゃダメか。

 よし、昼飯食べて図書館に行ってみよう!今日は誰も居ない筈だし!


 ショーマは適当な昼食を取り、図書館へ向かった。




  ◇◇◇




 図書館は職員室や研究室、学食(職員・平民用と貴族用は別室)と同じ管理エリアにある。ここは平民も入れるのだが、滅多に近寄る者は居ない。

 入学当初、ショーマとジョージはそんな暗黙のルールを知らずに学食を利用した。平民コース側の入り口からは貴族用の学食にはそもそも入れないので大事には至らなかったに過ぎない。知らずに図書館を利用していたら、貴族からの罵声を浴びていた事だろう。


 ショーマは休日の為人気の無い管理エリアを一人歩く。突き当たりにある図書館の入り口には、本日司書不在の札が掛かっていた。


 ブラウン先生が休日は司書が居ないから貴族は居ないって言ってたよね。よし、入ろう!


 ショーマは気合いを入れて重い扉を開いた。そして、思わず息を飲む。


 部屋は広々としている。円形の部屋の中央にカウンターがあり、そこから放射線状に机が並んでいる。カウンターの上部は吹き抜けになっており、ドームの屋根にある六つの天窓から落ちる日の光りが温かく室内を照らす。二階の吹き抜け廻りには机が配置され、壁際には各階とも床から天井までぎっしりと本が詰まった書棚が置かれている。


 うわぁ、凄い量の本。ここから目的の本を自力で探すのは無理だなー。


 ショーマは予想以上の蔵書量に目眩を覚えた。


 平日に来るのは嫌だし、頑張るか!


 ショーマはとりあえず入り口付近に並んでいる本の背表紙をざっと眺めた。


 この棚は医学系、こっちは薬草学系、料理本の棚もあるのか。魔法はどこだ?カウンターに行ったら書いてあったりしないかな。


 ショーマは一度カウンターまで行ってみる。すると、カウンター近くの台座に書籍検索装置と書いてあった。


 うぇ?検索出来んの!?ちょっとデカイ市立図書館みたいじゃん!!


 ショーマは説明書きを見ながら検索を始めた。


 なになに?まず台座に手を翳し魔力を魔法陣に送りますっと。次は?ふむふむ。魔法陣を回して、ジャンルを選択ね。魔法魔法・・・あ、魔法にも色々あるのか。とりあえず移動系統の魔法を選択。おお!台座に書いてある館内図が光るんだ!なるほど二階のあの辺ね。


 ショーマは検索装置で示された場所へ移動する。


 この辺かな?あー、それっぽい本が並んでる棚はこれか。

 えーっと「飛行魔法の失敗と成功」?人間は魔法で飛べるの!?って、失敗例しか載ってないじゃん!!成功はどうした!?

 他に何かないかなー。「高速移動の魔法陣」だって!うーん、俺の加速魔法の方が効率が良いな。

 お!「転移魔法の研究」って!ドンピシャな本があるじゃん!!


 ショーマは本を棚から取ると、近くの椅子に座って詳しく読み始める。


 ふむふむ。(以下要約)


 転移魔法とは人を現在地から目的地まで一瞬にして移動させる魔法。

 理論上は完成している。

 使用者は目的地の完全認識が無いと使えない。

 高度な魔法操作力が必須。

 必要魔力量は大国一の魔法師が十人集まって、最上級の魔石で最大限増幅して一人移動出来るかどうか。


 へー。こりゃ相当高度な魔法なんだな。あれ?あ、なるほど。そう言う事だったのか。


 かつてラリーセ大陸にあったカルメーナでは、転移魔法を使いたいが為に守護神であるドラゴンを殺し最上級魔石を手に入れようとした。故にドラゴンによって滅ぼされ、かの地は今もただ荒野が広がっている。人が転移魔法を使うのは、天に反する事なのかもしれない。


 いくら温厚なシドさんでも、流石に殺されそうになればカルメーナを滅ぼすよね。ちなみに俺は女神様からの課題だから、天には反しないな。

 さて、理論上は上手く行くって、使えなきゃ意味無いでしょっと。どれどれ。目的地の完全認識って、要は行ったこと無いと使えないよって話か。ふんふん。魔法陣を使って転移するんだね。魔法陣かぁ。ドアより全然マシだな!

 よし、そうと決まれば、あれを地点(ポイント)に置き換えて、あそこに空間(スペース)を足して。うーん。でも、ここがこーだから、それはそっちに移動して・・・。うん!理論上はこれで完璧なハズ!!

 さて、部屋に帰って実験だ!


 ショーマは意気揚々と寮へ帰って行った。




 寮へ戻ると、先程考えた転移魔法陣を机と椅子に魔力で描く。そして、入り口側の椅子にペンを一本置いた。すると、ペンは瞬く間に消え机の上に出現した。


 よっしゃ!成功!!あ、一応食べ物でも試そう。複製魔法の例もあるからね!


 ショーマは部屋にあった色々な物を転移魔法陣に置いて実験し、実用に足る転移魔法を完成させた。





ショーマ「だから言ったじゃん」

朝木  「うぐっ、ひっく」

ショーマ「だー!泣くなって!!」

朝木  「でもー!」

ショーマ「今更キャラ増やしても、あとちょっとしかここに居れないんだから!」

朝木  「折角の女の子ー!色々設定考えたのにー!!」

ショーマ「たまには諦めも必要だよ」

朝木  「ううっ・・・」


 新しくキャラを追加しようとしたら、ショーマに要らないと言われました。(ToT)

 いやだ!絶対に今後登場させる!!



 ショーマは転移魔法(仮)を完成させました。

 まさか1話まるっと使うとは・・・。



 次回は11の月!

 ショーマ達は西の森の奥地へ行きます!!

 卒業はもうちょっと待って下さい( ノД`)…



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/


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