22―遊びの計画
ショーマは第3鍛練場の近くでジェレミア達を待ち伏せる。ジェレミアから「夕方は食事の時間まで第3に居るから用があるなら適当に来い」と言われていたからだ。
「よ!」
「なんだ、ウィスか。どうした?」
「ジル!どうしてそんなに普通なんですか!そいつは平民ですよ!?ウィスもウィスです!不敬罪で捕まりますよ!!」
うん。でも、ジルが良いって言ってたし。イアンがめんどくさいから言わないけど。
「ジルがいいなら、別にいいんじゃない?」
「ヒューイは黙っててください!」
ほら、やっぱり怒られるよね。
「イアンはうるさいな。で、ウィス、何の用だ?」
「いやさ、お城に行ってみたいなって。眺めがすごく良いんでしょ?だからダメもとで聞きに来た」
「そんなの、ダメに決まってるじゃないですか!」
ショーマのお願いにイアンは即座に答える。
「うーん。別に良いぞ」
「ほんと!」「えっ!?」「マジで?」
諾というジェレミアの答えを誰も予想していなかったのか、三人とも驚きの声を上げた。
「ただ、警備の関係とかもあるから日時はこちらから指定させてもらうが」
「やった!できれば学校が休みの5の日が良いな」
「分かった。調整してみる」
「じゃ、楽しみにしてるから!」
ショーマはそう言い残して寮へ帰って行った。
「ちょ、ちょっと、ジル、良いんですかっ!?」
イアンが慌ててジェレミアに話し掛ける。
「何が」
「だって、ウィスは平民ですよ!?そんな、城に招くなんて・・・」
「平民とはいえ留学生だからな。別にいいんじゃないか?それに面白そうだし」
「あはっ!さすがジルだ。イアン、諦めろ」
「ヒューイ!!」
王子トリオはそんなやり取りをしながら、第3鍛練場へ入っていった。
◇◇◇
ショーマはジェレミアから5日を待たずに城への招待を受けた。
「7の月の30、31日でどうだ?」
「え?まさかのお泊まり!?」
「あぁ、城からの景色が見たいなら夜景と朝日はセットだからな」
「なるほど!よろしくお願いします!!」
「あ、ジョージも誘えよ?」
「さすがジル!わかってるー♪」
ちなみにその間、イアンはヒューイに口を塞がれモゴモゴと抗議をしていた。
◇◇◇
ショーマはジョージと共に、東門の手前でジェレミアを待つ。
「本当にお城に行くんですね」
「さすがに冗談でした!なんて言わないでしょ」
「ですよね。あー、緊張してきました!」
ショーマとジョージが緊張しつつ話していると、目の前に馬車が停まった。中からジェレミアがひょいっと顔を出す。
「あ、おはよー」
「おはようございます」
「二人ともおはよう。さぁ、乗ってくれ」
ショーマとジョージは馬車に乗り込んだ。
中には、イアンとヒューイも居た。今日はこの5人で城に泊まるらしい。
「ウィス、本当に気を付けてくださいね」
「分かってるって!任せろ!」
「大丈夫!骨は俺が拾ってあげるよ」
「本当に僕達がお城に行って大丈夫ですかね・・・」
「まぁ、俺が許してるからなんとかなるだろ」
若干の不安を抱えながら、一行を乗せた馬車は城へ向かった。
ショーマ達は中央東門をくぐり、中央区に入る。
「俺、今中央区にいるんだ!」
「そうですね!本当に入ったんですね!」
「そんなに感動するものですか」
「これで城に入ったらどうなるかな?」
「まぁ、どうにかなるんじゃないか?」
ジェレミア達がはしゃぐショーマとジョージを見る目は生暖かかった。
城門内から綺麗に整えられた庭を通り、城へ着く。巨大な城を間近で見たショーマとジョージは、ポカーンと呆けた顔をしている。馬車から降りてもそこから動けない。
「大丈夫ですか?」
さすがに心配になったイアンが声を掛ける。
「いつも屋根しか見えてなかったんで、お城がこんなに大きいと思いませんでした」
「うんうん。ほんとにそう」
「早く中に入ろうよ!もっと驚くから!」
ショーマとジョージはヒューイに急かされて城内に足を踏み入れた。
城内は冗談かと思うくらいに豪華絢爛だった。
扉を潜ると、半円状で3階までぶち抜きのホールに出迎えられる。天井からは綺羅びやかなシャンデリアが吊され、壁には品の良い絵画が掛けられ、床には落ち着いた赤の絨毯が敷き詰められていた。
そして、目の前には存在感たっぷりな大階段が鎮座している。その階段は15段程上がると左右に分かれ、ホールの壁に沿って優雅なサーキュラー階段になっている。まるで映画のセットの様だ。
ショーマはジェレミアに確認する。
「ねぇ、ここってダンスホールか何か?」
「何を言ってるんだ?ここはまだエントランスだぞ?」
「そうなんだ・・・」
城からの景色が見たいだなんて、我ながらとんでもない事を頼んだんだな・・・。
「まぁ、ここはこの城の顔だからな。多少は豪華になってる」
これで多少って・・・。
「ちなみに、謁見の間と夜会の間はこんなものじゃないぞ」
ジルはそう言ってニヤリと笑う。
おい、ジル。王子なのにその笑い方はどうかと思うぞ。回りが怖いから言わないけど。さっきから視線がビシビシ痛いんだよ。
「ちなみに今日泊まる部屋は3階だ。おい、誰か。客人を部屋へ案内しろ」
ジェレミアは召使いを呼び、客間への案内を言いつけ、自分は親に会ってくると言ってその場を立ち去った。
ショーマ達は召使いの後に着いて、3階の客間へ上がって行った。
ショーマ「ちょっとお急ぎ?」
朝木 「あはは、ばれた?50話までには学校編終わらせたいな!って思って!」
ショーマ「なるほどねー。終わる?」
朝木 「やってみないとなんとも」
ショーマ「期待しないで待ってる」
朝木 「あはははー・・・」
はーい。また遠回り中の朝木でーす!
いやぁ、お城行きたかったんですよ!私が!笑
違います。ちゃんと理由あります。許してください。ペコリ
次回は、王子トリオと仲良しになる!です(о´∀`о)
応援して頂けると嬉しいです(^^)
訪問だけでも大感謝(^^)/