2―東側完了
※6/27…会話文の表現を修正。
※12/21…部屋の名前など細かい部分を調整。
ショーマは約3ヶ月で自分の知ってる領域の魔物を従え尽くした。
今までいろいろな魔物を捕まえたけど、乗り物に調度良いのはやっぱり鹿かな?狼だとカッ飛ばしたら振り落とされそうだし。
となると、この前捕まえた青い鹿にするか!あいつ結構足が速かったし。
よし、明日から西に出掛けるか!帰って二人に言わないとだな!
「たっだいまー!」
『お帰りー』
『お帰りなさい。今日は遅かったわね』
「うん。キリの良い所までやっちゃおうと思って。明日から西に向かって進む事にしたからね」
『あら、この辺の魔物は終わったの?』
「大体俺の言うこと聞くようになったよ」
『そうなのね。お疲れ様。
そうだ、ソラ。ショーマの為に縄張りの地図書いてなかった?』
『あぁそうだった。ショーマ、ちょっと待ってな』
ソラは洞窟の奥にある自分の作業部屋へ地図を取りに行く。
「地図用意してくれてたんだ」
『ショーマの役に立ちたくて、張り切ってたわよ』
「へぇ、ソラさん気が利くね!」
人化したソラが地図を持って戻ってくる。
「サクラ、恥ずかしいからそれは言わないで。ほら、これが縄張りの地図だよ」
「ありがとう!」
ソラは地図を指しながら説明する。
「この洞窟がここで、いつも遊びに行く川がここ、剣の練習をしてる広場はここだよ」
「じゃあ、この大樹はあれだね!」
『小さい頃はその木で木登りしては下りられなくなってたわね』
「サクラさん、今それは良いから!」
『はいはい。私はお邪魔みたいね。先に寝てるわ』
「おやすみー!」「おやすみ」
サクラは寝床へ向かう。
「それでだ、ショーマはどこまで魔物を従えたんだ?」
「えっとねー、この大樹と巨石の辺りは行ったね。あと、ココとココと・・・」
ショーマは地図の目印となる場所を次々指していく。
「なるほど。今で大体縄張りの東側半分ってところだな」
「この三又の木と滝が抜けてたから、半分まではちょっと足りないかな?でもそれくらいまで来たね!」
「一人で歩いて回ってるにしては頑張ってるな」
ソラはショーマの頭を撫でる。
「うん!ちょっと魔法で歩く速度を早めてズルしてるけど。俺もソラさんみたいに飛べたら良いんだけどなー」
「それはしょうがないよ。ショーマはドラゴンじゃないんだから。
そうだ、乗り物になりそうな魔物は手に入ったかい?」
「一応、鹿の魔物を使おうかなって思ってるんだ。どう思う?」
ショーマは首をかしげる。
「鹿か。これから山を登らないといけないから調度いいかな。鞍と手綱は用意した?」
「あー!忘れてた!!」
「手綱だけでも用意した方が良いよ。確かロープがあそこにあったかな?」
ソラはロープを探しに奥の倉庫へ向かう。ショーマはソラの書いた地図を見ている。
ソラさんはすごいな。こんなキレイな地図を書けるなんて。普段飛んでるから書けるのか?航空写真みたいな感じで。基本的に森と山が縄張りなんだなー。ここが海岸線かー。うーん、結構距離あるな。
ソラが奥から戻ってくる。
「ごめん。ロープは無いみたいだ。明日鞍と手綱を買ってきておくから。そうだ、鹿は2頭用意しないと」
「うん、わかった。でも、なんで2頭必要なの?」
「これから長旅になるだろ?荷物が多くなるから、荷運び用に1頭用意しないとね。旅の物資も明日一緒に買ってくるよ」
「そっか、寝袋とかも必要なんだね。さすがソラさん!お願いします!
じゃあ俺、明日は東側の残ってる所に行ってくるね」
「そうだね。さ、今日は遅いから明日に備えてもう寝なさい」
「はーい。おやすみなさい」
「うん。おやすみ」
ショーマは自分の部屋へ行った。
◇◇◇
翌日、ショーマはソラの書いた地図を携え、東側の残っている領域へ向かう。
えーっとあれが三又の木だから、縄張りは大体あそこまでかな?あ、鹿が居る。黒だから魔物だな!いつも通りに慎重に。
ショーマが意識を集中すると、魔物の足元に魔法陣が浮かび上がる。そのまま円柱形に発展し、魔物を中へ閉じ込める。
よし、いっちょあがり!黒の鹿は初めてだな。角も立派!さて、どんな動きをするのかな。
ショーマは隷属魔法を魔物の能力がゲームのステータスみたいに判るような改良をしていた。
お、コイツは今までの鹿の中で一番足が速いな。このタイミングで手に入るなんてラッキー♪
しかも、跳躍力に優れているって?さっき魔法陣から逃げられなくて良かったよ。
ショーマは西側遠征の相棒をこの鹿に決めた。
さて、相棒にするからには名前を付けたいな。黒だからクロ?ブラック?ダーク?うーん、いまいちだな。シッコクって漢字どうだっけ。あ、漆黒か。そうだ、ウルシにしよう!
「今日から君はウルシね。よろしく、相棒!」
ウルシは名前を気に入ったのか、ショーマへすり寄っている。
よし、そうと決まれば残りもパパっと終わらせて家に帰ろう!途中で青い鹿も拾っていかないとな。
「ウルシ、これから滝の所まで行くから着いてきて。そうだ、やっぱり俺を乗せてくれない?」
ウルシは角を差し出し、ショーマが乗りやすくなるように体勢を整える。
「ありがとう。よし!じゃ、行こうか!」
ショーマとウルシは東側最後の領域へと向かった。
◇◇◇
ショーマは東側を全て従え、洞窟へ戻った。もちろん、ウルシと途中で拾った青い鹿を連れて。
洞窟の前ではソラが鞍や手綱を用意して待っている。
「ソラさん、ただいまー!」
「お帰りー。その鹿達と西に向かうのかな?」
「そうだよ。名前は黒がウルシで、青がルリ。俺が乗るのはウルシだよ」
「ウルシとルリか。いい名前を付けたね。
ウルシ、ルリ、ショーマの父のソラです。これからよろしくね」
2頭はソラに向かって頭を下げた。しかし、少し怯えている。
「あれ?ソラさんのことが怖いのかな?」
「そうみたいだね。ショーマは普段どうしてるの?」
「女神様に言われて、魔法でドラゴンの匂いを消してるの。あ、匂いか」
「なるほどな。──これで大丈夫かな?」
2頭がキョロキョロと辺りを見回す。
「うん。大丈夫みたいだな」
「ソラさんも魔法で匂いを消したの?」
「そうだよ。狩りにしか使わない魔法だから長時間は難しいけどね。ショーマ、今のうちに鞍と手綱の着けけ方を教えるよ」
「お願いします!」
ショーマはソラの指導の下、ウルシに鞍と手綱を着けていく。
「ちゃんと覚えた?」
「たぶん大丈夫だと思う」
ショーマは自信無さげに頷く。
「不安ならもう一度教えようか?」
「うん、お願いします」
「わかった。まずは鞍をこの位置に載せて・・・」
◇◇◇◇◇
魔王は機動力に優れた手下を従えたみたいだな。
それにしても、女神からの指示の半分を半年で終えたのか。
意外とやるじゃないか。
◇◇◇◇◇




