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19―悩み解消




 翌朝、ショーマは朝練の為に第3鍛練場に行く。昨日の鬱々とした気分を晴らす為、無心で剣を振っている。


 暫くすると、ショーマは人の気配を感じて練習を止めた。


「おはよう。ウィステリア君」


「おはようございます。すいません。無理を言って呼び出してしまって」


「いいよ。そろそろだとは思ってたから」


「え?」


「今までの魔法と勝手が違う事に戸惑ってるんだよね?」


「そうなんです!一度気付いてしまったらどうしてたら良いのか分からなくなって!でも、なんで分かったんですか?」


 ショーマはすげーと目をキラキラとさせてシドを見た。


「なんでって、私はドラゴンだから分かるんだよ。ウィステリア君が元々使っていた魔法は魔物寄りの魔法だからね」


「そっか!先生もドラゴンなのすっかり忘れてました!実家だとソラさんもサクラさんもほとんどドラゴン姿だったんで」


 ブラウンはショーマの発言に驚く。


「え・・・?じゃあ、なんで女神様経由で今日の話が来たの?」


「いやぁ、先生が元魔王候補だった事は覚えましたよ?昨日は知恵熱でも出そうな勢いで悩んでて、女神様に言われるがままアポ取っちゃって。そっかそっか。先生はドラゴンでしたねー」


「うん。先生はドラゴンですよ・・・って、なんか自分で言ってて可笑しいよ。

 それで?魔法が違うって悩んでるんだよね?」


 ブラウンは頭をポリポリ掻きながら、話を元に戻す。


「そうなんです。人間の魔法は回りくどいなーって思ってしまって。アローなんか、想像すればすぐ使えるじゃないですか」


「それはね、人間の魔力量が魔物や魔族に比べて圧倒的に少ないからだよ。魔物の様に想像で魔法を使おうとすると、どうしても想像力が足りない部分で魔力をロスしてしまうんだ。だから人間は精霊という存在を作り出して、想像力を補おうとしたんだよ」


「うん?と言うことは、精霊は居ない!?そしたら、相性ってなんですか?」


「最初、みんなは普段使っていた属性の魔法しか発現出来なかったよね?それは無意識の想像力でその属性の魔法を使っていたからなんだ。それを呪文と精霊に置き換えて、他の属性も想像出来るようにしていたんだよ。

 ただ、人によっては苦手な属性が有ることも今までの研究から解っている。例えばマイケル君の様にどうしても火が想像出来ないとかね」


「何となく解った気がします。やっぱり人間の魔法は手間がかかりますね」


「うん。でもね、人間の魔法には利点もあるんだよ。ウィステリア君が自己流の魔法を使った時に、途中で指示を追加って出来るかな?」


「うーん。一度矢を放てばそれで終わり、ですかね?」


「そうだね。でも、人間の魔法を使えば、放った後も動かせるよね?」


「はい。魔力が届けば方向転換も出来ます」


「そう。あとは、想像の難しい魔法なんかは呪文を唱えた方が成功率は上がるね。例えば、怪我を治療するとか、呪いを掛けるとか」


「確かに。それは想像力が追い付かなそうです」


「あと、大規模魔法とかも魔法陣と詠唱で補強した方が成功するね」


 ショーマは今までの説明を頭の中で整理する。


「──なるほど。つまり、魔物の魔法はスピード勝負で、人間の魔法は低燃費+細々と設計出来るって事ですかね?」


「まぁ、ざっくり纏めてしまえばそう言う事だね」


「そっかー。じゃあ、人間の魔法も使える様になった方がいいかー。

 もしかして、想像力の及ばない部分は俺に都合の良い精霊を作ったりして魔法が作れるかもしれないって事ですか!?」


「時間は掛かるだろうけど、そう言う事も出来るね」


「なるほどなるほど。うん。分かりました!」


 ショーマは晴れ晴れとした顔で元気に答える。悩みは解消できた様だ。


「他には何かあるかな?」


「あ、ちょっと気になったんですけど、なんで授業で使う魔法の威力って抑えてるんですか?」


「あぁ、ウィステリア君には関係ないけど魔法が使える平民って、貴族の間では使用人としての価値がかなり高くてね。余りにも高威力の魔法が使えるってバレると大変な事になるんだよ。だから西の森で使える威力に抑えて教えているんだ。たぶんジョージ君は練習すればもっと色々出来ると思うね」


「なるほど。って、え?貴族にバレるんですか?あれだけ慎重に動いてるのに!?」


「そうだよ。実はクラス6の面々も虎視眈々と狙われてるからね。ある程度の情報も既に漏れてると思う」


「なんだって!?うわぁ、めんどくさい未来しか想像できない・・・」


 ショーマは頭を抱え込む。


「ははは。ウィステリア君は留学生だから大丈夫だよ。特に大変なのはキャサリンさんとジョージ君かな?他の三人は既に仕事をしているからたぶんリストから外れるし」


「そうなんですね」


「あ、そうだ、忘れてた。ウィステリア君、一度魔力制御を解いて貰える?今の魔力量がどんなものか視たいから」


「え、あ、はい。どうですか?」


 ショーマは魔力制御を解いた。ブラウンは目を細めてショーマを見る。眼鏡がキラリと光った。


「うん。ありがとう。魔力制御は夜寝てる間も出来てるかな?」


「たぶん出来てると思います」


「なら良いよ。これこらも常に魔力制御を使うように。さてもうすぐ7時だし帰るね。また後で」


「はい。ありがとうございました」


 まさかの貴族問題が出てきた。それはかなり面倒だ。が、ちょっとは転送魔法の取っ掛かりが掴めた気がする!




  ◇◇◇




 モヤモヤをすっきり解消したショーマは、汗を流すとルンルン気分で寮の食堂にやってきた。


「あら、ウィステリア君。今日は昨日と違って元気ね」


「昨日はそんなに酷かったですか?」


「えぇ。ちょっと心配になってしまうくらいに」


「心配掛けてご免なさい。でも、もう大丈夫です!」


「それは良かったわ。さ、朝ご飯よ」


「ありがとうございます♪」


 ショーマはすぐ後に来たジョージと共に朝食を平らげ、弁当を拵えて教室へ向かった。




 ショーマは人間の魔法もマスターするべく、アローの魔法の練習に気合いを入れる。


 そこから10日もしない内に、真っ直ぐ的へ飛ばすだけならば詠唱時に同時に()の魔力を注げる位まで上達していた。





朝木  「ふははは!やってやった!」

女神様 「朝木、やってしまったね?」

ショーマ「今まで散々引っ張っておいて」

朝木  「うん!後悔はしていない!」

女神様 「そう。なら良いけど」

朝木  「ということで!ここからはサクサク行くよ!」

女神ショ「「絶対無理だよね」」

朝木  「ふぐぅ、、、」



 ちゃぶ台返しを披露してしまいました!

 でも、皆さん予想出来て、、、たよね?


 次回はあの人達の登場です!


 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/


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