表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/263

13―ラアイテ探訪2




 アランと別れマイケルの待つ北門(水門)東口へ向かう道中、ヘンリーは皆が今まで疑問に思っていた事を尋ねる。


「そういや、ウィスはなんで髪を伸ばしてるんだ?」


「野営中は髪切るのってめんどくさいんだよね。それに、この髪型かっこ良くない?侍っぽくてさ!」


 ジョージは意味が解らず聞き返す。


「サムライって何ですか?」


 やべっ。流石に侍は知らないか。


「えっと、剣士の事だよ!」


「ウィスはそのサムライって言う剣士を尊敬してるんですね!」


「尊敬って言うか、憧れって言うか?」


「なるほど。憧れの人を真似したくなる気持ち、分かりますよ」


「さすが!ジョージは話が分かるね!」


「剣士って騎士だよね?ウィス兄ちゃんは騎士を目指してるの?」


「俺は別に騎士を目指してる訳じゃないけどね。でも、騎士ってかっこいいよね」


「うん!」


 前を行くショーマとジョージ、カールは意気投合している。

 ヘンリーとキャサリンはそんな三人に聞こえない様に話す。


 ボソボソ

「なぁ、キャシー。その髪型が更に女疑惑に拍車を掛けてるって言ったら、ウィスは怒るよな」

 ボソボソ

「ヘンリー、それは言っちゃダメなやつだよ」


「二人ともどうしたの?」


 ショーマは後ろを振り返り声を掛けた。


「な、なんでもないよー」


 キャサリンは胸の前で両手を振る。


「あ、あそこに見えるのが東口だぞ」


 ヘンリーはあからさまに話を逸らす。


「へぇ、あれが。よし!ジョージ、カール、あそこまで競争だ!!」


「あっ、待ってくださいっ!」

「ウィス兄ちゃん待ってー!」


 ショーマはそんな二人に気付かず、ジョージとカールを連れて北門(水門)東口へ駆けていった。


「「ふぅ」」


 ヘンリーとキャサリンは胸を撫で下ろした。




  ◇◇◇




 北門(水門)東口に着くと、すでにマイケルが待っていた。


「すまん、遅くなった」

「いや、俺もさっき来たばかりだ。これが息子のランス」

「ランスです。はじめまして」

「ヘンリーだ。よろしく」

「キャサリンよ。キャシーお姉ちゃんって呼んでね」

「ジョージです。よろしくおねがいします」

「ウィステリアだよ。ウィスって呼んで。あと、男だから」

「あははは、先に予防線張ってるし!」

「だって!」

「僕はカールだよ。7歳。ランスは?」

「俺も7歳だよ!!」

「ほんとに!?やった!」


 各々自己紹介を済ませた。カールとランスは同い年と分かり、すぐさま仲良くなっている。

 一行は北門(水門)東口から少し歩いた先の浜へやってきた。


「マイケルさん、早速海に入りたいんだけどいいかな?」


「あぁ。ウィスは何か泳ぐ為の服は持ってきてるか?」


「上は脱いで、下はこのままで良いかなって思ってる」


「なら、これを使うと良い」


 マイケルは長い布を渡してきた。


「漁師の下着の様なものだ。この国で海に入る男は大体これを着ける。ちゃんと洗ってあるから安心しろ」


 あ、(ふんどし)か。


「ありがとう。借りるね」


「付け方は教えた方がいいか?」


「大丈夫だよ。知ってる」


「そうか。着替えはあそこの小屋を使え」


「はーい」


 昔先輩に「褌は男の嗜み」って教えてもらったのがこんな所で役に立つとはね。




「よーし!泳ぐぞー!!」


 ショーマは着替えを済ませて浜へ躍り出た。


「やっぱり男だよな。実は女でした。なんて事は起こらないよな」

「ウィス君。ちゃんと男の子なんだね。それにしても肌白いね。お姉さん、羨ましいよ」


 ヘンリーが残念なものを見る目をしている。

 キャサリンは自分の肌の色と見比べて、遠い目をしている。

 ショーマはそんな二人を華麗にスルーした。


「へぇ、ウィスは意外と筋肉が付いてるんですね」

「多少は鍛えてるからね!」


 ジョージはショーマの肉体に驚いている。普段の乗鹿(?)と剣の練習の賜だ。


「うん。ちゃんと締められたな。ジョージも要るか?」


 マイケルはショーマの姿を確認して、ジョージに聞く。


「僕は履いてるんで大丈夫です」


「じゃあ、早く海入ろう!」


「すぐ準備します」


「マイケル、ジョージ達をよろしく。ランスは見とくから」


「任せた」


 ショーマとジョージは海へ走って行った。マイケルも後に続いて行く。

 カールとランスは砂浜で砂遊びをしている。


「ヘンリーはみんなと行かないの?カール君とランス君のことは私が見てるよ?」


「いいのか?じゃあよろしく」


「行ってらっしゃい」


 年長男子組は海で散々はしゃいで楽しんだ。

 いつもは保護者のマイケルも久しぶりに楽しんだらしい。

 年少男子コンビは砂遊び、磯遊び、水遊びと楽しんだ。

 キャサリンは年少男子コンビを微笑ましく見守っていた。




「ランス、また遊ぼうね!!」

「うん!カール、またね!!」


「和むわー。小さい子ってホント癒されるー。それが二人もでしょー?はぅー、たまらん」

「キャシー、発言がおばさんだよ?まだ花も恥じらうお年頃でしょ!?」

「ウィス、キャシーはこんなやつだ。お前も被害者だろ?諦めろ」




 マイケルとランスと別れ、ショーマ達はキャサリンの実家へ向かった。





 後編のつもりが中編になってしまった。

 それにしても、キャサリンは危ない子ですね。

 こんなキャラになる予定では無かったのですが・・・


 次回はラアイテの探検後編です。


 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ