1―まずは手下集めから
※6/27…会話文の表現を修正。
12歳になったショーマは、ある決心をした。
そろそろ、魔王始めるかな?体力もそれなりについたし。
はぁ、女神様に連絡するの気が重いな。いつ以来だろ。
「もしもし。女神様?」
―――はい。おひさしぶりの女神です。
「やっぱり連絡しなくて怒ってる?」
―――ショーマ君、私を放置し過ぎだよね。仮にも君の上司だよ?
「ごめん。それで相談なんだけど、魔王ってよく分からなくて。何からすれば良い?」
―――やっっっと!魔王業に本腰を入れてくれるんだね!!
「えっと、今の俺で出来る範囲でお願い」
―――まずは、そこら辺の土地をパパッと征服して国を作っちゃって!
「いきなりハードル高過ぎ!俺、まだ12歳になったばかりなんだけど!」
―――今から初めて、20歳くらいまでに建国できれば良いから!
「まぁ、それだけ時間があれば出来なくない・・・かな?」
―――とりあえず最初はドラゴンの縄張りからで。あ、ソラ君とサクラちゃんに頼っちゃダメだよ?
「えー!なんでよ!」
―――建国するのは魔王の国であって、ドラゴンの国じゃないからだよ。OK?
「むぅ。言いたいことはわかった」
―――じゃぁ、頑張ってね!応援してるから!
俺、もしかして早まった?
◇◇◇◇◇
この世界の魔王がとうとう動き出した。
これからこの世界に大変革が起こる。
今まで魔王なんて存在しない世界だったから。
建国が成れば、混沌とした世が訪れるだろう。
転生魔王なんて面白そうなので、少し観察するとしよう。
◇◇◇◇◇
ショーマは女神の無茶振りについて考える。
女神様に、とりあえずドラゴンの縄張りを征服しろ。って言われた訳だけど。
簡単に縄張りって言うけど、俺の知ってる範囲だけでも結構広いよ!東の山に住んでるから西側はどこまでか知らないしなー。あの山付近までかなー。
てか、魔王って言ったらやっぱり魔族と魔物が配下だよね。この世界に魔族って居るのかな?魔物はあまり遭遇した事ないし。困った。
ショーマは昼寝をしているソラに話しかける。
「ねーねー、ソラさん」
『くわぁー。どうしたー?』
ソラは大きなあくびを一つしてショーマを見る。
「縄張りの西の端ってどーなってるの?」
『うーん。西端かー。ここから真っ直ぐ、隣の山を越えて海までが縄張りだよ』
「へぇー。あの山の向こうに海があるんだ!楽しみだな♪
あとさ、この世界に魔族って存在するの?」
『一応居るかな?でも、どこに居るかはわからないよ』
「そっか。ありがとう」
『うん。。。。zzZ』
山2つとか!縄張り広すぎるよ!山の先はどうなってるんだよ!
あと、一応この世界に魔族は存在するんだ。どこにいるんだろうね。
何から始めよう。とりあえず魔王らしく魔物を従えてみるかな?
◇◇◇
ショーマは3ヵ月かけて、魔物を隷属させる魔法を完成させた。
俺って天才!でも、魔物が俺から逃げる。なんでだ?
とりあえず、女神様に聞くのが手っ取り早いか。
「もしもーし。女神様ー」
―――はーい。今日のご用件はー?
「魔物を従えたいけど、俺から逃げるのはなぜ?」
―――それはショーマ君からドラゴンの匂いがするからじゃない?
「はっ!盲点だった!」
―――まずはドラゴンの匂いを消す方法を探さないとだね。
「助言サンキュー!じゃ、また!」
さすが女神!見直したぜ!
◇◇◇
ショーマは女神の助言を取り入れ、ドラゴンの匂いを消す隠蔽魔法をすぐさま開発した。
ショーマは隠蔽魔法の開発後、とりあえず一匹で行動している魔物っぽい熊に挑んだ。
隷属魔法の展開は上手くいき、ショーマは初めての手下を手に入れる。
ショーマと手下は互いの存在を何となく認識出来ているようだ。
「必要な時に呼び出すから、普通の生活をしてて良いよ」
熊の魔物は一度頷くと、どこかへ去っていった。
真っ赤な毛色以外はどう見ても熊だったよね?でも隷属魔法がかかったから魔物なんだよなぁ。野生動物と魔物の違いってなんだ?
「おーい、女神様ー」
―――なぁに?
「あのさ、魔物と野生動物の違いがわからないんだけど」
―――うーん。最大の違いは色かな?野生の動物が茶色系で、魔物は奇抜な色って感じで。黒系と白系も魔物だよ。他の特徴は大体動物と同じだね。魔物は元々ただの動物だから。
「へぇ。じゃあ、魔物は従えてもどんどん増える?」
―――同種の親分を従えちゃえば、増えても大丈夫だよー。
「そんなもん?わかった」
―――あ、魔法を使う魔物も居るから気を付けてね。じゃ、引き続き頑張ってね!
「魔物も魔法使うのかよ!ってもう切れてるし」
なるほどな。とりあえず見付けたヤツからどんどん従えれば良いかな。