6―ショーマの変化
ショーマは寮の自室へ帰り、すぐさま女神リンクを使う。
「なぁ、女神様」
ショーマは鞄を机に置き、椅子に腰掛けながら話し掛ける。
―――ショーマ君、お疲れ様。今日から学校だよね?無事に入学できたみたいで良かったよ!
「うん。ってそーじゃなくて!」
―――へ?何か問題でも合った?
「俺さ、3年振り位に鏡で自分を見たんだけど、顔が前と全然違ってんの!」
―――どういうこと?そんなに変わってる気がしないけど。でも、毎日見てるからな気付かないのかな。
「は!?毎日見てるだって!?」
―――そ。管理画面の端っこにショーマ君専用の小窓があるから。1日1回は確認してるよ。
「マジかよ!俺のプライベート無いじゃん!」
―――大丈夫。大画面に切り替えないと音までは拾えないから。ちなみに今はリンク中だから大画面モードだよ。
「そーいう問題じゃなくて!常に俺のこと見てるってのが問題なの!」
―――大丈夫よ。私意外と忙しいし、小窓もショーマ君だけ用意してる訳じゃないから。
「女神様には理屈が通じないのか」
ショーマは項垂れた。
―――そんなことより、顔が変わったって?
「そーだった!変装魔法を開発してる時に見てた俺の顔はさ、こう、目がキリッ、鼻筋スッ、って感じの将来が楽しみな顔だったの。それがさ、今日鏡で見たら・・・」
ショーマは頭を抱えてしまった。
―――どうしたの?大丈夫?
「全然大丈夫じゃない!!俺、今美少女なんだけど!サクラさんベースで目がソラさんな女の子にしか見えないんだよ!ねぇ、なんで?どうして!?」
―――言われてみれば、人型の時のサクラちゃんに似てるね。
「俺、あの二人とは血が繋がってないよね!?なんでこんな事になってるの!?」
―――確かに。ちょっと調べてみるから時間もらっていい?あ、すぐ終わるからリンクはそのままで。
「わかった。頼むよ」
ショーマは女神へ頼むとベッドへダイブした。
―――え!嘘でしょ!?
暫くすると、女神の悲鳴が聞こえた。
「何?何か問題でもあった?」
―――ショーマ君。あのね・・・。
「なんだよ。早く教えてよ」
―――今、ショーマ君の設定を見てみたんだけど。本来変わるはずの無い部分が変化してるの。
「何それ。意味が分からないんだけど」
―――初期設定で大まかにその人の基本設定を決めるのね。で、その基本設定は最初の決定からは変化しないものなんだけど。
「だからなんだよ」
―――ショーマ君。私は基本設定で、種族を「人間」、身分を「貴族」にしたの。それは知ってるよね。
「あぁ。前に言ってたから覚えてる」
―――それが・・・。今君は種族が「竜(人)」で、身分が「ドラゴンの子」に変わってる。
「ドラゴンの子はまだ分かる。ソラさんとサクラさんに育てられてるから。でも、竜(人)って何?てか、カッコって」
―――私にも分からない。ショーマ君はこの世界初めての竜(人)だよ。ちょっと種族については詳しく調べてみる。それより、ドラゴンの子の方なんだけど。
「育てられてるから変わった訳じゃないの?」
―――うん。血は繋がってないけど、魂が繋がったみたいだね。だからドラゴンの子に変化したみたい。それで二人に似てきてるのかも。
「嬉しいやら、悲しいやら複雑な気分なんですけど。なぜに俺はサクラさん似なんだ。ソラさん似の方が良かったな」
―――うーん。母親似の方が父親が可愛がるからじゃないかな。
「そんなことしなくても、ソラさんなら可愛がってくれると思う」
―――それはそうだけど。えっと、種族については調べておくから。明日の夜にでもまたリンクしてね。
「うん。よろしく」
はは。俺、知らないうちに人間辞めてたのか。
◇◇◇◇◇
おぉ!魔王は竜人なのか!
これはなかなか見込みがある
しかし、カッコが付くなんて
女神は本当に何をしているのだ?
◇◇◇◇◇
ショーマはとうとう人間辞めました。
次回からものんびり学生生活が続きます。
そろそろ魔法使わないとなー。
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