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5―学生らしい放課後




 ショーマはブラウンとの鍛練場使用の交渉を終えると教室へ戻った。

 自分の席に座って帰る用意を始めると、キャサリンに声を掛けられた。


「ねぇねぇ、ウィス君は今日の夕飯はどうするの?」


「夕飯は寮で食べるよ」


「へぇ、ウィスも寮生なんですね。僕もです」


 隣のジョージが声を掛けて来た。この時点でクラスに残っているのは4人。マイケルとアランは既に帰った後だ。


「ウィスとジョージは寮住まいなんだな」


「ヘンリーとキャシーはこの街の人?」


「そうだよー。私の家は商店街のレストラン!」


「俺んちはただの大工だ」


「そうなんですか。あ、では、市場の案内をお願いできませんか?」


「それは俺からもお願いしたいな。ちょっと食事の金額が高くてさ。寮はそれなりに安いけど、学食とかは高いよね。地方から出てきてると金銭的に厳しい」


「やはりそうなんですか。お昼に食べるのに、調理しなくても食べられる物とか有るといいですね。というわけで是非とも地元のお二人に教えて頂きたいのですが、今日はお時間ありますか?」


「私は6時くらいまでに家に帰れれば大丈夫だよー」


「俺もそれくらいまでなら大丈夫だ。市場の案内なら任せておけ」


「それではお二人とも、よろしくお願いします」


「よろしく!」




  ◇◇◇




 ショーマ達四人は、市場へとやってきた。途中の門は、学校から発行された学生証でスルーだった。


「ここは首都なだけあって、いろいろな物が売っていますね」


 ジョージが物珍しげに周囲を見回す。


「そーいや、ジョージは南部から来たんだっけか?」


「はい。サオラから来たんです。向こうには学校がありませんから」


「へぇ。サオラって言ったらアマキビの産地でしょ?」


 うん?アマキビってなんだろ?


「そうですよ。キャシーさんは物知りですね」


「いやいや、こいつんちはレストランだから。知ってて当たり前だろ」


「ねぇねぇ、アマキビって何?」


 ショーマはそう言って首をかしげる。


「ウィスは知らないんですね。アマキビは甘い汁が採れる植物ですよ。お菓子とかに使うんです」


「へぇ、そうなんだ」


 なんだ、サトウキビのことか。


「そう言えば、ウィス君はどこから来たの?」


「俺はプラン王国からの留学だよ」


「留学生なの?平民コースに留学生??」


「プラン王国には魔法学校自体がなくて。魔法の暴発とかが怖いから習いに来たんだよ。どうせなら大きい学校にしようと思ってラアイテにしたんだ」


 ショーマは設定を思い出しながら答える。


「そうなんだー。遠いとこまで大変だったでしょ?」


「いや、俺んちは狩人で年中獲物を追って移動してるんだ。だからこれくらい全然へーき」


 ほんとはもっと遠いとこから、ソラさんに乗って来たんだけどね。まぁ、一人で半年森の中いたし全部が嘘ではないかな?ウルシとルリも居たけど。途中はミツキもいたな。あいつ、元気かな。


「へぇ、ウィスの実家は狩人なのか」


「そーだよ。お金が尽きてどうしようもなくなったら学校の裏の森で食糧調達するつもり。森の動物の為にも安い食材を教えてね」


「おいおい」


 ヘンリーは少し呆れた顔をしている。


「このキャシーさんに任せなさい」


 キャサリンがウィンクをして答えた。




 ショーマはみんなにこの街の事をいろいろと聞きながら市場の店を冷やかしていく。


 ショーマ達が初日に入った門は南門で、学校は東門の外。西門の外には魔物も住む深い森が広がり、北門は水門で海に繋がっている。

 それぞれの門から広い道路が中央に延びて、貴族が住んでいるエリアや王城がある。そこは高い壁に囲まれて中は見えない。南門に立って、右側に商店街や市場があり、左側に職人街がある。街の北側には商館や漁師の家などがある。北側にも市場があるが、中央を通れない為学校からは片道1時間弱かかるらしい。

 ラアイテの食べ物は肉より魚介類が中心。野菜や果物はトマトやレモンなどショーマの前世で言うところの地中海周辺な感じの物が多い。あとハーブが豊富。




「とりあえず、今日はこの辺で解散するか」


「そうですね。先程5時の鐘が鳴りましたし」


「そうだね!じゃあ、また明日ねー」


「うん。また明日ー」


 ショーマ達はそれぞれ、家路につく。




  ◇◇◇




 ショーマとジョージは、寮に着くと食堂へ向かった。厨房の感じを確かめたかったのと、夕食を食べる為に。

 二人は食堂に入ると、隣の厨房へ直行した。そこではナタリーが一人で食事の用意をしている。


「ナタリーさん、ただいまー」

「ただいま戻りました」


「あら、おかえりなさい。夕食はもうすぐ出来ますからね」




 夕食の献立はミネストローネと硬めのパン、それに魚の燻製。寮の食事だからか、量は多めだ。


「いただきます」


「ウィス、それはなんですか?」


「それって?」


「手を合わせて、いただきますって」


「あ、挨拶みたいなものだよ。あなたの命をいただきます。ってね」


「なるほど。いただきます」


 ジョージもショーマの真似をしてから食べ始めた。


「ジョージの地方はご飯の時に挨拶とかしないの?」


「これと言ったものは特にありませんね。大人達が食前酒で乾杯をするくらいでしょうか」


「神よ。いつも食事をありがとう的なのも無いんだね」


「たぶん、ヘンリーさんやキャシーさんは言ってるんじゃないですかね?僕の村は宗教とかほぼ皆無だったので」


「そんなもんかー」


「そんなものです」


 ショーマとジョージはあれこれと話ながら食事を終えると、それぞれの部屋へ帰った。





 今回で5万字越えました!(*´∀`)♪ヤッタ


 多少回り道をしている感がありますが、後々を考えると仕方ないかなと。

 次回はショーマの今に迫ります!笑


 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/

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