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俺が魔王として女神が悪魔な世界にやって来た  作者: 朝木 花音
11女神の手伝い―実働編
232/263

54―報・連・相3


 本日、文量は普通です。

 オマケあります。


 よろしくお願いします!





 ショーマはソラの背から魔法(風影鳥)を操り、ミリメトピアの宮殿を探検している。

 黄金に輝く神帝の間から更に奥まった通路の突き当たり、下り階段を降りていく。


 2階にしか降りれないんだね。この先は何があるんだろう。


 少し進むと、魔法が会話を拾った。


《なにごとかわかったの?》

《何者かが後宮に侵入した様です。妃殿下は念のため逃げる用意を》

《わかったわ。それと、妃殿下と呼ばないで。あんなヤツの妻だと思われるだけでも虫酸が走るの》

《申し訳ございません。()()()()殿()()

《……まぁいいでしょう。それで、王子はこちらに?》

《はい。侍女がお迎えに向かいました》

《そう。わたくしは良いからお前も向こうへ行って無事にここまで連れてきなさい》

《はっ》


 王太子妃殿下ってことは、フローラさんの部屋が近くにあるのか。あ、今男の人が出てきた部屋かな?

 たぶん正解!パステル系統の落ち着く感じの部屋だね。さっきのキンピカ悪趣味を見ちゃったせいか、少し地味だけど。

 お、この美女がフローラさんっぽいね。こんな時でも落ち着いて紅茶を一口。うん。レジーナさんより落ち着きがある感じ。実際レジーナさんよりちょっぴり年上かな?

 ついでだから王子も見てから出ようかな。さっきの分かれ道を直進が神帝の部屋っぽいし。


 ショーマは魔法をテーブルに下ろし、フローラを観察している。


《バーナード様、早くフローラを迎えに来て頂けませんか》


 フローラは天井を見上げポツリと溢した。部屋に独りで心細くなったのだろう。ふぅっと一つ溜め息を吐き、また紅茶を一口飲んだ。


 あれ?そう言えば神帝の子供を妊娠してるんじゃなかったっけ?その割には高いヒールだし、部屋着の腰はギュッとされてるし、普通に紅茶を飲んでるし?あんま気にしないのかな?


《早く貴方の元へ帰りたい……》


 可哀想なフローラさん。王弟もさっさと迎えに来てあげれば良いのに。まぁ、出来なかったんだろうけど。


 コンコンとノックがして女性の声が聞こえた。フローラが入室を許可すると、お仕着せ姿の女性と可愛らしい男の子が入ってくる。


《こちらへいらっしゃい》


 男の子はトコトコとフローラに近付く。その顔は何故か風影鳥(ショーマ)に向いている。


《ははうえ、そのとりはなんですか?》

《とり?》


 フローラがテーブルの上を見るも何もない。


 え?見えてる?


 ショーマは思わず自分の身体を見る仕草をする。肉眼では見えるも、魔力のみで形成された魔法の身体は魔法の視界に映らない。


 ―――どうした?


 ショーマの身動ぎが伝わったのか、ソラが訊いてきた。


 ―――なんか、王子様に俺が見えてるみたい?


 ―――王子は勿論人間だよな。そんな事があるのか?


《どこにいるの?》

《それ、ははうえのまえに。いまくびをかしげました》


 二人が話している間にも、フローラは王子に訊ねた。王子は一生懸命説明している。


 ―――さぁ?って、完全に見えてるー!!


《母には見えないわ。きっとお父様に似たのね》

《ちちうえなら、みえるのですか?》

《ええ。きっと見えるわよ》


 ―――あー、ええっと、と、とりあえず撤収!!


《ああ、とんじゃった》


 ショーマはソラのクスクスとした笑い声と残念そうな王子を尻目に部屋から脱出した。




 ショーマは来た道を戻り、分岐をまだ行っていない方向に進む。すぐ所に重厚な扉の部屋があった。中から会話が聞こえる。


《まだ見付からぬのか?》

《も、申し訳ございませんっ!》

《ハァ》

《ヒィッ、す、すぐに調べますっ!!》


 重厚な扉が内側から大きく開き、慌てた様子の兵士が出てきた。


 この中が神帝の部屋かな?おじゃましまーす。


 ショーマは扉のすき間からスイっと中へ入る。

 部屋の中はシックな色調で纏められ、ギンギンギラギラの神帝の間とは程遠い。そこには執務机と思しき大きな机に両肘を突き、組んだ手に額を乗せる男が一人。


 ―――父さん。たぶん神帝を見つけた。


 ―――どんな感じだろう?


 ―――予想では肥え太ったギトギト野郎だと思ってたけど、意外と細身かな?今日見た人間の中でいっちばん豪華な服を着てるね。顔は──ちょっと見えない。


《クソッ、人手不足で無ければあのような無能など直ぐにでも斬ってやるものを》


 ひえぇー。随分と物騒な事を考えてるー。でも、これでこそあの非人道的な事をやったヤツってもんだよね。


 ショーマは男の顔を拝むべく、正面の本棚に着地した。


《……バーナード……いや、悪魔……だと……先帝の……気が触れ…………クソッ》


 男はダンッと音を立ててテーブルを殴った。


《確実にバーナードを始末しなくては》


 うひょー。王弟の命の危機?まー、俺がやらせないけどねー。てか、顔が見えない!


 ショーマの陣取っている本棚は少し高く、俯いている男の顔は見えない。ショーマがどうにかして顔を見ようと頭をあちらこちらへ動かしていると、俄に廊下が煩くなる。


《コンコン!陛下!コンコン!!》

《何だ、騒々しい》


 男は忙しないノックに顔を上げた。


 うわぁー。顔が整いすぎてて気持ち悪いー。ホントに人間?


《陛下!この部屋に魔法が入った形跡があります!》

《何だと?》


 感情を置き去りにした感じの、冷たいどころじゃない、まるで蝋人形みたいな。緑の瞳が印象的だけど、うん、ヒスイの方がキレイな緑色。


《こ、この部屋での魔道具の使用許可を願います!》

《……良いだろう》


 王弟さんの方が人間味があるなー。てか、あんま似てなーい。ホントに両親一緒?それにしても、これ確実に女神様の手が入ってるよね。天然だったらヤバイよ。何億とか何兆とか(もっとか?)(ぶん)の一の確率だよ。


《持ってこい!》《し、失礼します!》《は、早くしろっ》《少し待てっ、やはり反応があります!》

《ほおぅ。余の部屋へ仕掛けて来た者は誰だ》


 後で女神様に聞いてみよーっと。


《お、王弟殿下の魔力ではない事は確かです!》

《そうか。口実にはならぬか──》


 ショーマは風影鳥(魔法)を解いた。


 ―――父さんただいま!


 ―――クスッ、お帰り。とりあえず降りようか。


 ―――うん!よいしょっと。とぅッ!!


 ショーマは一瞬にしてベルトによる拘束を解く。そして翼を出し飛び上がった。ソラはショーマが空へ飛び出した事を確認すると人の姿をとる。

 そして、二人は夜の街(ミリメトピア)へと降りていった。





  ☆オマケ☆


 ミリメトピアへと降下中。


「女神様ー、今平気ー?」


 ―――なぁに?


「あのさー、サートミーラの王様って設定弄った?」


 ―――え?息子は弄ったけど、王様はそのままだよ?


「マジで?じゃあアレ天然モノなの!?すごいな」


 ―――どういうこと?


「いやさ、さっき顔を見に行ってきたんだけど。めっちゃ見た目が整ってて怖いぐらいだったんだよね」


 ―――何言ってるの?サートミーラの王様って、自分の事を神帝とかって名乗ってる傍若無人な厳ついオジサンでしょ?


「え?いやいや、人形みたいなキレイな見た目だったよ?」


 ―――え?だって、え?ちょっと待って。いつの間に代わったの!?


「ちなみに息子を弄ったって、具体的には?」


 ―――見た目と性格を良く・・・ってなんでこんな性格!?どうして!?え!?


「ちなみに、見た目と性格は同時に弄った?」


 ―――見た目を弄った後に、あ!そうだ!って気付いて性格も弄ったの。それは覚えてる。でもどうしてこうなってるの!?


「はぁ。女神様、先代に息子は二人いるから」


 ―――え?・・・あぁー!!


  ☆☆☆


 女神様、サートミーラの監視を怠っていた様です。

 いつの間にやら代替わり。


「愛される見た目にしたら良いんじゃない?あ、性格も良くすれば私の仕事も減るじゃん♪」by当時の女神様

「兄弟バラバラに設定してるし。はぁ、何故同時に弄らないの?」byショーマ


 期待を裏切らない女神様。笑



 次回、予告する。です。

 は、犯行予告!?( ゜Д゜)



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/



 ブックマーク、評価ありがとうございます!

 ( *´艸`)ムフッ、ムフフ

 今後ともよろしくお願いします!



※次回更新は、10/30(金)です。よろしくお願いします。


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