43―残りの時間
お久しぶりです。
今回いろいろ大変でした。
詳しくは後書きにて。
ショーマはキャノーラが何故獣姿に戻れなくなったのか、その原因を突き止める為に女神と連絡をとることにした。
「もしもーし、女神様ー?」
―――はぁい!今日はどうしたの?
「あのさ、キャノが元に戻れなくなっちゃって。どうしてかわかる?」
―――えっと、まず、キャノって誰?
「え?あぁ、虎の魔物だよ!キャノーラって名前付けたんだ。長いからキャノね」
―――彼女の名前決めたんだ。キャノちゃんね。で、元に戻れなくなっちゃったって、どういうこと?
「人化出来たんだけど、今度は獣に戻れなくなっちゃったんだよねー」
―――本当に獣に戻れなくなったの?やり方が間違ってるとかじゃなくて?
ショーマはミツキを見た。
「ねぇミツキ、やり方間違えてたりしないよね?ちゃんと教えてあげた?」
『うん?手取り足取り確りと指導したぞ。そもそも集めた魔力を解放するだけだから、人化するより簡単なのだ』
「ふーん。ミツキはちゃんと教えたみたいだよ?」
―――ミツキ君が教えたならやり方は合ってるか。うーん。ちょっと調べてみるよ。あ、リンクはそのままで!
「りょーかい。じゃ、よろしく」
「女神様は何て言っていたの?」
「わからないからちょっと調べるってさ!にしても、本当に仲良くなったよね」
「うふふ、そうね。昨日の二人が嘘みたい」
ショーマとサクラはくっついている二人(主に過保護なミツキ)を見て笑う。
「なぁミツキ、洞窟は暖かい気がするけど、もしかして魔法を使っているのか?」
『ふふん。我もなかなかやるだろう?キャノが寒いと言うからな。主が前に使っていた温風の魔法を真似してみたのだ』
「へぇ、暖を採ろうと火を出せばそこら一帯を消し炭に変え、喉が乾いたと水を出せば大洪水を引き起こしていた、あのミツキがな」
ソラはミツキを見ながら沁々と言う。
『ハハハハ、昔の事は忘れてくれ。まぁあれだ、キャノのお陰で器に余裕が出来て、少量の魔力を出すコツを掴んだのだ。これならソラ殿の様に身体強化を使いながらの魔法も夢では無いな』
ミツキはそう言ってキャノーラの頬をペロリと舐める。
「確かにここは裸じゃ寒いわよね。ショーマ、毛布も良いけれど服を作ってあげたら」
「あ、俺が作った服を着ても獣に戻ってまた人化したら無くなっちゃうんだよね。服じゃなくて魔力を纏ってる状態ってみなされるみたいでさ」
「そうなの?なら私の服を複製・・・ソラの服なら入るかしら」
サクラはキャノーラの立派な胸元に目をやり、遠い目をした。
「そ、そうだね。父さん、ちょっと服をコピーさせて」
ショーマはソラの服を複製してサクラに渡す。サクラはそれを手にミツキをキャノーラからひっぺがし、部屋から男性陣を追い出した。
「ねぇ、どうしてキャノは戻れないんだと思う?」
「何でだろう?僕にはさっぱり見当がつかないな」
『我もだ』
追い出された男三人は揃って頭を捻った。ヒスイはソラに抱かれすぅすぅと完全に眠っている。かなり遊び疲れているのか、ソラが気を抜くとテロんと後ろに反り返りそうだ。
―――ああっ!!
「うえっ!?ど、どうしたの!?」
女神の悲鳴にショーマは飛び上がる様に驚く。ソラとミツキは突然の事に固まった。
―――キャノちゃんが戻れないの、ミツキ君のせいじゃん!!
「ミツキのせい?」
ショーマはミツキを見る。ソラもつられてミツキを見た。
―――そう!ミツキ君おめでとう!お父さんだよ!もう!私の仕事を増やさないでよ!!
リンクの向こうで女神がガチャガチャと何かを操作している。
「ミツキ、お父さんだって、おめでと?」
『お、おぉ?』
言われたミツキはキョトンとショーマを見返した。
―――第一世代の魔族とか何千年振り!?もう処理の仕方覚えて無いよ!
「なんか、女神様修羅場ってるみたい」
「そうなのか?大丈夫かな」
「大丈夫っしょ。とりあえず、第一世代の魔族が生まれるらしいよ。で、女神様、キャノはいつ元に戻れるの?」
―――え!?あ、えーっと、子供が生まれちゃえば元に戻れるよ。それまで人型のままだから。
「そうなんだ。ちなみにどれくらい?」
―――ちょっと待って、これをこーして、よし、で、あそこにあれを書き込んで・・・この間に魔族魔族っと、えっとね、人間と同じくらいお腹にいるみたいだよ。成長過程も出産も人間と同じ感じだね。
「ふんふん。じゃあ普通に街で産んだ方が良さげだね。あ、ディラントに連れていけばいいのか」
―――かな?ちょっと忙しいからリンク切るね!
「あ、うん。ありが・・・切れた」
ショーマの言葉を待たずに女神はリンクを切断した。
「結局、キャノがミツキの子を身籠ったから獣に戻れなくなったのか」
ソラの言葉にショーマはうんと頷く。隣のミツキは少しだけ考える様な表情だ。
その時、三人の背後でザリッと地を踏み締める音がした。
「ミツキの子・・・だって?」
サクラに支えられて部屋から出てきたキャノーラが呟く。
やっぱりそうなのとサクラは言った。キャノーラに服を着せながら質問し、彼女なりの推測を立てていたらしい。
ミツキはキャノーラの前に出て、鼻先でキャノーラのぺたんこな腹をちょんと突っついた。
『ここに我の子がいるらしい』
上目遣いでキャノーラの機嫌を窺うミツキ。キャノーラは深く息を吸った。
「ふぅぅぅぅ。ま、できちまったもんは仕方がないね。半分はアタシのせいみたいなもんだし。そっかぁ。アタシが母親かぁ」
「面倒みるのは10日とか言ってたのに、それどころじゃなくなったね。生まれるまで十月十日って言うくらいだからー、ざっと31倍?」
お腹に手をやり微笑むキャノーラの隣でショーマがミツキを揶揄う。
ミツキが覚悟を決めた顔でキャノーラを見上げた。
『キャノ、我が養ってやろうか?』
「──へ?」
『だから、我と共に生きないかと言っているんだ!』
ミツキは大声で言う。キャノーラは目をぱちくりとさせた。
「もう、そういう事はきちんと場を設けて言わないと。ね?」
「そうだよ!プロポーズは失敗すると後々ずーと言われるよ?」
「ククッ。ミツキ、やり直しだな」
外野三人の言葉にミツキは自棄っぱちになった。クルリと人化し、キャノーラと向き合う。目線の上下が入れ替わった。
「キャノ、我がお前を守るし、子供も含めて絶対にひもじい思いはさせない」
ミツキはキャノーラをそっと抱き寄せた。鼻が着きそうなほどの距離で見詰める。
「だから、残りの時間を我にくれないか?」
「フッ、アンタがそう言うからには約束は守るだろうし。わかったよ。アタシをミツキにくれてやろうじゃないか」
キャノーラはミツキを見上げ、照れ隠しの様に不敵に笑う。ミツキは目の前のニヤリと笑った口目掛けてキスを見舞った。
ショーマたちはそれを見届け、静かに洞窟を後にした。
「・・・はぁぁぁ緊張した!でも良かった!」
「うふふ、ミツキもやれば出来るじゃない」
「ちょっと背筋がムズムズするなぁ」
三者三様に感想を言い合う。
「さ、ご飯にしましょう。ヒスイ、起きて」
友人の幸せに頬を緩ませながら食べるご飯は、いつも以上に美味しかった。
朝木 「あーもう!このやろー!!」
ショーマ「荒れてるねー。どーしたの?」
朝木 「みんなが好き勝手話すから削ったり色々大変だったんだよ!君らR15って概念知ってるぅ!?」
ショーマ「そんな事言われてもなー」
ミツキは0か100しか魔力を使えませんでした。
今回キャノーラとそういう事をして、魔力を少しだけ消費するためのコツを掴みました。
魔力=生命力ってことで、大人な皆様はいろいろと御察しください。
って話をうちのワイルドライフたちは普通に話してるんですよ!
消したりぼかしたり大変だった…
どうにもならず最終的に全削除(。´Д⊂)
でも、なんかいい感じにまとまったので、これはこれで良かったかな!
(ノ´∀`*)
次回、忍び込む。です。
ど、どこに!?
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