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俺が魔王として女神が悪魔な世界にやって来た  作者: 朝木 花音
11女神の手伝い―実働編
189/263

11―ショーマ覚醒?


 大変遅くなりました。


 今年最後の更新です。

 来年もよろしくお願いします。


 ショーマが捕らえた人間→捕虜と表記します。


※1/28…サブタイトル変更





 ショーマとソラは夕方まで距離を稼ぎ、ディラントへ転移してきた。


 すぐにヒルダと連絡をとり、二人は食堂へと向かう。


「色々と大変だった様ですね」


 忙しいヒルダの代わりに対応してくれたナルアルトから労りの言葉を受けた。

 食堂の隅を借り、ショーマはテーブルや椅子の複製、ナルアルトは食器の用意を進めている。


「でも、父さんの敵じゃなかったみたいだけどね?」


 ショーマは食事を受け取りに行ったソラをチラッと見た。ナルアルトは流石経験豊富なドラゴンですねと賛辞を述べる。


「まぁ襲われたとは言え、さすがに動物や魔物が棲む森に放置するのも気が引けてさ。とりあえずの保護的な?」


「確かに、それで死なれては後味が悪いですね。でも大丈夫ですか?カラトリー一つでも凶器となり得ますよ?」


 ナルアルトはスプーンを手にショーマに言った。


「そうなんだけど、父さんは目でも狙わない限り攻撃は通らないし。さすがに俺が居ないと出れないって事はわかってると思うんだよね。そこまで馬鹿じゃないでしょ」


 ショーマは割りと酷い言い様だ。そこへソラから捕虜に対する評価が告げられる。


「彼らは人間にしては(むし)ろ優秀な部類に入るね。組織だって動いていたみたいだし、たぶんあの中にまとめる者がいるから僕らの力量はきちんとわかってると思うよ。

 現状で一番怖いのは向こうの仲間割れかな」


 ソラがスープの入った鍋と山盛りのパンをワゴンに乗せて戻ってきた。

 ナルアルトはソラの評価になるほどと頷きつつ、ワゴンからテーブルへと食べ物を移動していく。

 ショーマは鍋の蓋を開けると鼻をひくつかせ、良い匂いとうっとりしている。


「お二人はこちらで食べて行かれますか?」


「うんにゃ、向こうでみんなと食べるよ。美味しい状態でお届けしないと折角作ってくれたシェフに悪いし、俺らが同じ物を先に食べれば毒は盛ってませんよってアピールになるっしょ?」


 後は、同じ釜の飯を食った仲間だからってちょこっと警戒心が薄くなって、少しでもサートミーラの内情を知れないかなぁーって思ったり。でもまぁこれは望み薄かな。・・・あ、同じ鍋のスープだった。


「そうですね。でも、常に狙われていると考えてお気を付けください」


「そうだね、気を付けるよ。じゃあまた!」


 ショーマとソラはサッと狐面を装着する。そして、テーブル等と一緒に森へ転移した。




  ◇◇◇




 ショーマとソラは檻の前へ転移してきた。


「やぁ!」


 急に現れた二人に驚き固まる捕虜たち。全員が檻の中に居た。


「あれ?雨あがってるのに外に出てないの?」


 ショーマの言葉に捕虜たちは何も答えない。


「まぁいいや。ご飯にしようよ」


 ショーマは鍋から器にスープをよそり、ソラがピッチャーから注いだレモン水と共にテーブルに並べていく。

 捕虜たちはじっとその様子を見ている。


 二人は配膳を終えると椅子に座り、狐面の顎部分をパカリと外した。そして、捕虜たちの様子を見ずに頂きますと言って食べ始める。


「う~ん!このコンソメスープ美味しいね!急に頼んだのに野菜はクズじゃないし、ガッツリ肉が入ってるし!」


「そうだな。これはヤギか?」


「たぶんそうかな?ほんとあそこのシェフは肉の処理が上手いよね。臭みはほぼ無いし、口に入れるだけでホロホロだよ♪」


 美味しそうな匂いと会話に捕虜たちの腹がぐうぐうと鳴っている。


「このパンほんのり甘くて柔らかい!ミルクパンかな?こっちのバゲットはスープに浸すと二度美味しい!」


「この三日月みたいなパンはサクサクでバターが効いてて旨いな」


「それはクロワッサンだと思う。バターを大量に入れるから庶民はなかなか食べれないよね。でもそれをくれちゃうなんて太っ腹!」


 ショーマはなかなか出てこない捕虜たちの方に視線を送る。


「ねぇ、冷めない内に食べなよ。折角作ってくれたシェフに失礼だよ?」


 ソラも食事の手を止めて捕虜たちを見た。


「同じ鍋の物を食べているんだ。スープだけでも食べたらどうだ。毒なんか入っていないとわかるだろう?

 ──まぁ僕らと同じ食卓を囲みたくないのもわかるが、丸一日何も食べていないんじゃないのか?」


 ショーマとソラの言葉に捕虜たちは悩み始めた。


「はぁ。こんなに美味しいのに」


「やはり、いきなりは難しいか。僕らが去ってから食べると良いよ」


 二人はそのままさっさと食事を終えると、また明日と言ってから洞窟へと転移した。




  ◇◇◇




 洞窟は深夜。ショーマとソラは静かにお風呂へ行く。


 ザパー


「はぁー。極楽極楽」


「ふぅ。温まるね」


 二人は湯船に浸かり身体を解していく。


「やっぱさ、警戒心は簡単には解けないね」


「まぁ初日だから。これからどうなるかわからないよ」


「そうだよねー。変装もしてるし、俺ら完全に不審者だもんね」


「そうだ、明日の朝食はショーマ一人で用意する事になるけど大丈夫か?」


 ソラは心配そうにショーマを見る。


「たぶん大丈夫かな。もし何かやられそうになったら、一撃で倒れ伏す魔王の魔力をお見舞いしてあげるから」


 ショーマはニヤリと笑った。


 それもそうかとソラも笑い、二人は風呂から上がる。


 二人はショーマの部屋で就寝した。




 ショーマはまたヒスイにダイブで起こされ、一日が始まる。軽く食事を済ますと、ソラとサクラとヒスイをメルカ近くに転移させた。


 さて、まだ朝早すぎるからちょろっと進むか。それからみんなの朝食の用意をしますかね。


 ショーマはミリメトピアとサートミーラの間の森へ転移した。




  ◇◇◇




 ショーマは森の中を飛び距離を稼ぐ。そしてある程度進むとディラントへ転移した。


 食堂のシェフには昨日の時点でお願いをしているのでヒルダやナルアルトの付き添いは必要ない。

 食堂のテーブルにスープ以外の物を配膳すると、一度森の檻の前に転移した。


「おはよう!良く寝れた?」


 捕虜たちは相変わらず警戒している。


 ふむ。まだまだ距離が遠いね。お、スープは飲んであるじゃん!でもやっぱりパンには手を付けてないか。朝露で湿気っちゃってるね。温め直せば食べれそうだけど、家畜の餌にするって言ってたから引き上げるか。


 ショーマは黙々と昨夜の食事の片付けを行う。手をつけられなかったパンをスープの入っていた鍋に放り込み、皿や器、スプーンを持ってきた籠に入れていく。


 テーブルの上を布巾で拭こうとした時、ショーマは何かを感じ取り咄嗟に剣を鞘から抜いた。左足を軸に回転しつつ、剣を振り上げる。剣はキンッと何かを弾き、回転の勢いの乗った右足で何かを蹴り飛ばした。ミシッとした手応えを感じると直ぐ様魔法を放つ。


「動くな」


 ショーマの言葉に捕虜たちはピクッと肩を震わせた。彼らは100本以上の岩や氷、火、風で出来た矢でぐるりと囲まれている。


 ショーマが横目で先程剣で弾いた物の行方を探すと、スプーンが幹に九の字に折れ曲がり突き刺さっている。


「あーあ、やっちゃった。後で複製(コピー)しておこう。

 あとは、げっ!?死んでないよね!?」


 蹴り飛ばした捕虜は2m程離れた幹に身体を打ち付けピクリとも動かない。ショーマは慌てて駆け寄った。


 ショーマは彼の首に指を当て、脈を確認すると安堵の溜め息を溢した。


「ふぅ、よかったぁ。とりあえず回復しとこ。セント・ヒール」


 ショーマは剣を仕舞い杖を取り出し魔法を掛ける。気絶していた捕虜はううっと呻いて身動ぎをした。


「あ、拘束しなきゃ」


 ショーマは捕虜の手足を空気から作った枷で拘束し、他の捕虜に向き直った。


「さてと、責任者は誰?」


「──俺だ」


 ショーマの問い掛けに一人の男が声を上げた。





朝木  「ふわぁ!!」

ショーマ「な、何!?」

朝木  「ショーマ、意外とやるじゃん!!」

ショーマ「意外とは余計だっ!!」


 ショーマ、初めての対人戦闘。

 華麗に反撃!

 巧く手加減出来ませんでした。

 今まではソラとかがサラリとやっていたのでね。


「父さんの半分以下の力量だと思って対応したんだけどな…手加減って難しい」byショーマ



 次回、一人旅パート2。です。

 ショーマは出来る子!笑



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/



※次回更新は年明け1/6(月)です。よろしくお願い致します。


※ただいま改良工事中です。(1/20に終了しました)


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