7―サートミーラ王国2
遅くなって申し訳ありません。
本日、少し残酷な表現があります。
※後日本文追記予定※
前話から突如登場したノーランはサートミーラ王国潜入部隊のリーダーです。
説明不足で申し訳ありません。
挿入箇所に悩んでいるので、修正したらまたお知らせします。
ショーマとソラはノーランの家にいる。
ノーランはすっかり忘れていましたと慌てて二人にお茶を出した。ショーマはそうだ!とお茶を置くノーランに話しかける。
「ノーランさん、溜まってる報告書があればディラントにパパッと送るよ」
「ぱぱっとですか。さすが女神様の助手ですね。すぐに用意させて頂きます」
ノーランは少しお待ちくださいと言い置くと、報告書を持ってくる為に奥の部屋へ下がった。
「そうだ。今の内に光鳥を飛ばしておこうかな」
「ああ。ノーランさんもヒルダさんと話せば少し落ち着くだろう」
ショーマはヒルダへ向けて光鳥を飛ばす。程なくしてヒルダと繋がった。
《こんな時間にどうしたのじゃ?》
「今ノーランさん家にいるから、一応連絡的な?直接話した方が良いかなって」
《わざわざすまぬ。して、ノーランはどこじゃ?》
「今溜まってる報告書を取りに行ってるよ。少し待ってて」
《そうか。ではレオンを呼ぶかの。ノーランもわたしよりはレオンと話した方が良いじゃろうしな》
「よろしくー」
ショーマは光鳥を繋げたまま優雅にお茶を飲む。
しばらくすると奥のドアからガチャガチャと音が聞こえた。気付いたソラがドアノブをがちゃりと回して開く。ノーランは片足を上げた格好のまま、目を丸くして固まった。
ノーランの両腕は山と積まれた報告書で塞がり、足を使ってどうにか開けようと奮闘していたらしい。一回置けば良いのにとショーマの口からぽろりとこぼれ、ノーランは罰が悪そうに顔を逸らした。
「──お待たせしました、こちらが報告書です。よろしくお願いします」
「はーい。じゃあ送るね。
ねぇ、送り先はヒルダさんの部屋でいい?」
ショーマは光鳥に向かって話しかけた。
《ソファ前のテーブルに送ってもらえるかの》
「ヒルダ様!?」
それを見て聞いたノーランが驚きの表情で光鳥に駆け寄る。
《おお、ノーランよ。久し振りじゃの。息災か?》
「うぅ、ヒルダ、さまっ!」
ノーランの目から突然涙が溢れ出す。まさかの事態にショーマとソラは目が点だ。
ノーランはクールな見た目で感情の起伏があまりない様に思える。しかし、帰還の話で大喜びしたあたり、想像とは違い意外と感情の起伏が激しいのかもしれない。若しくは、それほどまでに極限の緊張状態を強いられているのか・・・。
ノーランが落ち着く頃にはヒルダの元にレオンも揃った。三人は近況報告を始める。ショーマとソラはそれを隣で大人しく聞く事にした。
《──そうか。ではシャロンはもう》
「はい。サムの件をどうにか伝えようと一人西の外れにあるイグロゥ族の村まで行ったのですが。・・・それきり戻らず一月が経とうとしています。サートミーラの暗部が動いたという情報もあるので最早命はないかと」
《こちらまで報告はしかと届いている。人選は間違っていないのだから自分を責めるな》
ノーランは奥歯をギリッと噛みしめた。レオンはそんなノーランに慰めの言葉を贈る。
《──はぁ。部下を喪うのはいつまで経っても慣れぬな》
《慣れてはならぬ。レオンは特にの》
《そう、だな》
ノーランは合わせた手を額に当て祈る様な姿勢になる。
レオンは宙を見つめると瞼を閉じ、ヒルダは俯き視線を落とした。
ショーマは会ったことの無いシャロンと言う魔族の為に黙祷し、ソラは痛ましい視線を皆に向けていた。
──場を沈黙が支配する。──
レオンの咳払いによって話し合いが再開された。
《ノーラン、今サートミーラに残っているのはシャロンとサムを抜いて四名だったな?》
「はい。半数まで数を減らしてしまい、申し訳ありません」
《ノーランは良くやってくれている。責められるべきは私だ》
「レオン陛下のせいではありません。現場で的確に動けない我々が至らないのです」
《その話は終わりが見えぬよ。過去よりも今は未来の話をするのじゃ。ノーラン、そこのショーマから子細は聞いておるかの?》
お互いに譲らないと踏んだヒルダが議論を止めた。ノーランはヒルダの問いに答える。
「サムの救出をお二人にお任せする事と、我々の引き上げの用意を。と聞いております」
《その通りじゃ。そうじゃ、ショーマ。例のものはどれくらいでできそうかの?》
「うーん。そうだね、とりあえずサムさんを助けてから作り始めるから10日もあればいけるかな?」
《意外と早いな。月単位でかかると思っていたが》
「俺にもいろいろあって、そこまで時間が取れないからね。でも10日は結構かかる方だよ?レイカーのだって正味3日もかかってないから。まぁあれは全面的に父さんとシドさんに手伝ってもらったけど」
《ほほほ。ショーマは本当に規格外じゃの》
《さすが魔王だ》
「魔王!?」
レオンの言葉にノーランがぐるりんとショーマを見た。
「ども、実は魔王候補です」
ショーマは軽く右手を挙げるとおちゃらけて言った。
《ショーマは己を何と紹介したのじゃ?》
「ドラゴンの息子で、女神様の助手と聞きました」
《あぁ、更に言うなら魔王で唯一の竜人だな。あとは、私の主人か?》
「それはなしで!不可抗力!!」
レオンの笑えない発言に、ショーマは被せるように抗議した。
どうやらそのやりとりはノーランの耳に入らなかったらしい。彼は他の所に驚いている。
「竜人、、、存在していたのですか」
「ここにいるよー。適当女神様の副産物でーす」
「ショーマ、さすがにそれはどうかと思うよ」
ショーマの言い様にソラからの突っ込みが入る。先ほどからの沈鬱な空気が少しだけ解けた。
《ショーマ、サムを保護したらまた連絡がほしいのじゃが頼めるか》
「りょーかい」
《ハハハ、良い報告を待っている。ノーランも無理はするな。皆にも伝えてくれ》
「お気遣いありがとうございます」
ショーマは光鳥に送っていた魔力を切った。
「ショーマ様、ありがとうございました。それと、先程は涙を流してしまい申し訳ありませんでした。まさかディラントと連絡がとれると思っていなかったので感情が高ぶってしまいました」
「しょうがないよ。ずっと連絡とる手段が無かったんだから。そうだ、ちょっと聞きたい事があるんだけどいい?傷口を抉るようで申し訳ないんだけど」
「何でしょうか」
「あのさ、イグロゥ族ってどんな人たち?」
「イグロゥ族ですか。彼らは人型の魔物です。見た目は人間と遜色ないですね。ディラントにいるフェル族とは違い、人間の言葉を操ります。人間と大きく違う所は、二つの月が満月の夜に男が狼に、新月の夜に女が狼に変貌する事ですね」
ノーランの説明にショーマは狼男だ!と目を輝かせた。ついでに、人型の魔物は魔人と呼んでいる事を教える。
「その人たちに伝えると、どうやってディラントに連絡が入るの?」
「イグロゥ族は人間の目を掻い潜り、森の中を疾走する事が出来るので、一番近い魔族のいる国まで走って貰いました。シャロンは10日程で集落に着いたはずなので、一月戻らないとはそういうことなのです」
ショーマは教えてくれてありがとうと礼を言った。そして、ソラにそろそろ去ろうと目配せをする。
「それでは・・・」
ソラが話し出したところで止まった。不審に思ってショーマとノーランはソラを見る。すると、ソラは口元に指を立てた。
『静かに。何者かに囲まれたようです』
え!?っと二人はソラを見た。
『ノーランさんに僕らが接触したのは不味かったですかね?とりあえず僕らは宿へ戻ります。ただ、その前に一芝居打ちましょう』
そう言って、ソラは片目をぱちんと瞑った。
ショーマ「なんだなんだ!?」
朝木 「なんだなんだ!?」
ショーマ「…なんで朝木が慌ててるの?」
朝木 「なんか、無性にソラに指立てしぃからのウインクをさせたくなって」エヘッ
ショーマ「はぁ。何も考えてないってことだね」
朝木 「何もではない!多少は考えてる!」ドヤッ
ショーマ「胸を張って言うな!」
イケメンにやられたら即落ちですよね。
はっ!現場に女子が居ない悲劇!
あれ?前話に旧都潜入って書いてた?
うそん(/´△`\)
またやらかした…
次回、大根役者?です。
ショーマはちゃんと芝居出来るのかな?
応募して頂けると嬉しいです(^^)
訪問だけでも大感謝(^^)/
ブックマークの追加、ありがとうございます!
間もなくですよ!閑話の準備を始めなくては!
総PVが170,000件を突破しました!
PV170,000人目のお客様は12/5(木)5:00台にいらっしゃったアナタです!
ありがとうございます!
更新頑張りますd=(^o^)=b
※次回更新は12/13(金)です。よろしくお願いします。




