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俺が魔王として女神が悪魔な世界にやって来た  作者: 朝木 花音
10女神の手伝い―準備編
168/263

26―報告会1


※10/01…レイカーの人数を修正しました。




 昼食後、ショーマとソラはシオン達と別れナルアルトの部屋へやってきた。約束通りシャインレイで起こった事の顛末を報告する為だ。


 ナルアルトの部屋はヒルダの執務室とほぼ同じ配置で、ショーマは机に向かい合うソファに座り説明を始めた。ナルアルトは机でペンを持ち待機している。


─────(かくかくしかじか)と言うことなんです」


「はい?あの、ちゃんと説明してもらえませんか?」


 ショーマは面倒くさい説明をさらっと終わらせようとしたが、当たり前ながらナルアルトに突っ込まれた。


「ショーマ」


「はーい」


 ソラに咎められ、ショーマは説明を始めた。


「事の発端は俺がシャインレイの城に行って、王様に会った事だよ」


「コーネリアス王に?」


「うん。女神様の依頼でドラゴンのシドさんが魔族の代わりに偵察に行ったでしょ?あの時は俺が手伝ったんだけど、城に行ったら王様に目を付けられたの」


「あの時ですね。その節は大変助かりました」


「どういたしまして。今思えば、クーデターの準備をしてた人間たちの代わりに雇うつもりだったんじゃないかな?俺は完全にどことも繋がりが無いから」


「なるほど。アンダーソン、いや、魔法師一族のウェラーの代わりですね」


 ナルアルトは脇に置いた資料を手に取り確認した。


「たぶんね。ちなみに俺が友達になった子が平民なんだけどそのウェラーの血を受け継いでたらしくて、綺麗に片付いたら継がされるんじゃないかな?ってシドさんが言ってたよ」


「その子の名前はなんですか」


「ジョージだよ。南部のサオラ出身って言ってた。俺と一緒に寮に入ってたからナタリーさんは面識あるよ」


「なるほど。報告書に加えておきます。続きをお願いします」


「学校を卒業するまでに俺の事を雇えなかった王国は、卒業後の俺を監視したの。プラン王国からの留学生って事になってたからね」


「監視とは、後をつけられたのですか?」


「それが違うんだよ。シドさんが作った魔道具を本来の使い方と違う使い方をして、俺の居場所を監視してたらしいよ」


「その魔道具の具体的な性能を教えて頂けますか?」


「うん。学校を卒業すると卒業証のペンダントを貰うんだけど、それが発信器みたいになっていて地図上に居場所を示すんだって。有事の際に近くに居る魔法使いに連絡を飛ばすためのものらしい。

 実際に使われた所を見た訳じゃないから定かでは無いけど、製作者が言ってたからそれが本来の使い方なんだよ」


「ふむふむ。ちなみにその居場所と言うのは誰が何処に居るのかが常に判るものなのですか?」


「うーん。確か、()()までは判らないはず。でも、()()()そこに居るって事は判るみたいだよ。

 俺の場合は門から出たって情報から居場所を割り出されたんじゃないかって言われたから」


「便利な魔道具があるのですね。その魔道具があれば人手不足の解消にもなりそうな。我々が入手するには──あ、すいません。話を逸らしてしまいました。続きをお願いします」


 ナルアルトは便利な魔道具に一瞬心が向かったが、説明を頼んでいる事を思い出し続きを促した。


「俺はプランに向かって街道を歩いてたんだけど、回りに人の気配が無いか慎重に探ってから西の森にある湖に転移したの」


「何故ですか?」


「レイカーの皆に洞窟()に帰るからって挨拶をしに」


「レイカー!?まだ存在していたんですか!?」


「え?普通に居るよ?ねぇ?」


 ショーマはソラに同意を求める。


「レイカーは存在していますよ。子供も含めて大体百人程が湖で生活しています」


「──報告書に追加しておきます」


「何でナルアルトさんはレイカーが居なくなったと思ってたの?」


「昔、シャインレイの城の調査時に見付かった資料には“人型の魔物存在せず”と書かれていたので。確認をせずに鵜呑みにしてしまいました」


「あー、それはシドさんが隠蔽工作をした的な事を言ってたよ。存在がバレたら魔石目当てに狩られてたって言ってた」


「なるほど。もしかしたら今まで滅亡したと思われている他の種族も存続しているかもしれませんね。これも報告しておきましょう」


 ナルアルトは紙にメモを追加する。


「ところで、レイカーとショーマ様のご関係は?」


「レイカーのみんなは俺の配下なんだ!ってか、いい加減そのショーマ()っての止めない?」


「いいえ止めません。続きをお願いします」


 頑なに敬称を外さないナルアルトにショーマは溜め息を吐いた。


「えーっと、何処まで話したっけ?」


「ショーマがレイカーの湖に転移した所までだね」


 ソラがさらっと教える。


「そうだそうだ。それで、みんなに挨拶をして洞窟()に帰ったんだよ。

 その時に王国の人間には俺が西の森に寄ったのがバレて、しかもそこで転移しちゃったから魔道具の反応が消えて、捜索隊が出されちゃって。湖に置いてる従魔から人間が湖の近くに来たって呼び出されたんだけど、俺の魔力が安定してなくて、全部()のまま兵士の前に出ちゃったら魔族だって騒がれて。で、威圧して気絶させて、城に持っていって、王様脅して、湖に近づかないって約束させたの」


 なんだか面倒くさくなってしまったショーマは起こった事だけ並べ立てた。


「ちょ、ちょっと待ってください。今の話、もう少し詳しく教えてください」


「えー。言ったままなんだけど。捜索隊が出されたまでは大丈夫だよね?」


「大丈夫です。監視対象が消えたから何が起こったのか確認する為にと言うことでしょう」


「たぶんそうだね。

 俺はその時洞窟()で寝込んでたの。学校に行く為に女神様から魔力を1/10(じゅうぶんのいち)に抑えられてたんだけど、元に戻った反動が凄くて。いつも掛けてる魔法なんかが全部外れた状態でね。魔力駄々漏れ、ドラゴンの匂い駄々漏れ、髪と目は真っ黒状態だよ」


 ナルアルトは一瞬うずっとしたが、仕事を思い出し平静を装う。


「そこに従魔が転移してきて折角仲間になったレイカーの危機だって言うじゃん?そんな事言われたら洞窟()で寝てる訳にも行かないから湖に転移したんだよ。で、そのまま捜索隊の前に出ちゃって魔族ってバレたわけ。ここまでは大丈夫?」


「はい。大丈夫です」


「でね、捜索隊をとりあえず無力化する為に魔力を外に放出して威圧で気絶させたの。

 捜索隊の処分をどうするかってレイカーと話し合って、王国に返却しようって事になったんだ。ジャルタ川から流しちゃう?って案もあったんだけど、そうするとレイカーが危険に曝されかねないからね。

 捜索隊を置く場所を確保する為に城に乗り込んで、兵士の訓練施設的な所に放置して、王様の執務室に乗り込んで、今後レイカーの湖に近づかないって約束させたわけ。その約束は破られたけど。

 あ、その間ずーっと魔力は放出しっぱなしだったから街の人も気絶してたってシドさんが言ってたな」


「あの事件はショーマ様が原因だったのですね!?中央区に居た魔族から人間が何者かに気絶させられて全滅したと報告がありましたよ。まったく、どれだけの魔力を放出したのですか」


 ナルアルトは呆れた様にショーマを見る。


「えー?その時はうまくコントロール出来なかったからわかんなーい!」


 ショーマはにっこりと笑い返した。





朝木  「もう、ちゃんと説明しなよー」

ショーマ「えー?だってみんな知ってるからいんじゃない?」

朝木  「・・・はっ!」

ショーマ「まぁ、ちゃんと説明してあげるよ」

朝木  「すまぬ」(。>д<)


 書き進めてから気付き、消す気が起きませんでした。

 お付き合いの程よろしくお願いします。

 。。(〃_ _)σ∥



 次回、続きをお願いします。です。

 ナルアルトはどう出る?



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/



 ブックマークの追加ありがとうございます!

 わーい!(*≧∀≦*)

 総PV130,000件突破しました!

 130,000人目のお客様は9/22の18:00台にいらっしゃったアナタです!

 ご来場ありがとうございます!

 これからも頑張ります!( *・ω・)ノ


 100,000突破の閑話がなかなか入らない…。

 出来てるんですけどね(^_^;)



 ※次回更新は9/27(金)です。

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