5―街でお買い物
本日オマケがあります。
ショーマ達は食事を終え、買い物を再開する。
市場には食べ物関係の店しか無かった為、商店街へと移動してきた。
「父さん、必要な物って文房具の他は何かな」
ソラは入学手続きの際に貰った資料を見ながら答える。
「ええと。鞄、靴、杖が授業で必要みたい。学生寮の方は、シーツ2枚持参だって。あとは服くらいかな?あ、寮では自炊もできるみたいだよ」
「靴は持ってきてるから大丈夫だね。鞄と靴ってことは、課外学習が有るのかな?それにしても、杖が必要なんだね!」
「そうだね。杖なんて何を買えば良いのか」
「やっぱり専門店とかなのかな?」
「あそこの鞄屋さんで買い物ついでに聞いてみようか」
ソラが扉を開け鞄屋へ入る。
カランカラン
「ごめんください」
「いらっしゃい」
安楽椅子に腰かけた店主の老婆が出迎える。
「こんにちは」
「あら、かわいいお客さんだこと。今日は何をお探しですか?」
「今度この子が魔法学校に通うので、そこで使う鞄を探しに来ました。何か良い物はありますか?」
「はいはい。よっこいしょっと。ちょっと待っててねぇ」
店主は立ち上がり、奥へと鞄を取りに行く。
「良いものが有るといいなー。予算的にはいくらくらい?」
「そうだな。宿代が浮いたから大銅貨1枚までなら大丈夫かな」
店主は奥から鞄を何個か持ってきた。
「はい。お待たせしましたよ。
まずは、斜め掛けの鞄にするか、背負い袋型の鞄にするか形を選んでね。魔法学校なら斜め掛けがお勧めだよ」
「どうして斜め掛けがお勧めなの?」
「鞄を前に回せばそのまま中身が取れるから。背負い袋は両手が空くけど、いちいち降ろさないと取れないからね」
「そっか!じゃあ斜め掛けで!」
「はいはい。次は素材だね。軽い布製にするか、少し重いけど丈夫な革製にするか選んでね。」
「うーん。父さん、どっちが良いと思う?」
「そうだな。多少水に濡れても中身が大丈夫な革製の方が良いんじゃないか?」
「そうだね。雨の日も使うかも知れないし。お婆さん、革製の鞄にするよ」
「お嬢さんにはちと重いかも知れないけれど大丈夫かね?」
「あはは。俺、男だから心配要らないよ」
ショーマは苦笑いをしながら訂正する。
「おや、それは済まないねぇ。てっきり女の子かと思ったよ。それじゃあ、またちょっと待っててねぇ」
店主は奥から先ほどまでの鞄より一回り大きい物を持ってきた。
「男の子なら後々背も高くなるだろうし、こっちの方が良いでしょうよ。お父さんも大きいからねぇ。ちょっと持ってみて」
ショーマは店主から鞄を受け取り、肩に掛けてみる。
「うーん。やっぱり大きいかな」
「少しくらい大きくても良いんじゃないか?長く使う物だし。重さは大丈夫?」
「中身が入ってないから何とも言えないけど。でも、これで良いかな。お婆さん、これいくら?」
「はいはい。銅貨40枚だよ」
「父さん、良い?」
「ウィスが気に入ったならそれで良いよ。すいません。これでお願い出来ますか?」
ソラは革袋から大銅貨1枚を差し出す。
「はいはい。大丈夫ですよ。銅貨10枚のお返しだねぇ」
店主は奥から銅貨10枚を持ってくる。
「はい、お釣りですよ」
「確かに。それと、ひとつ教えて頂きたいのですが。この辺りで杖を扱っているお店は有りますか?」
「この街で杖を扱う店は1軒しかないねぇ。大通りのここと反対側に職人街があってね、そこに杖専門のお店があるよ。看板に〈杖のポンプシン〉って書いてあるからすぐに分かると思うよ」
「ありがとうございます」
「お婆さん、ありがとう」
「はいはい。お買い上げありがとうございました。また来てくださいねぇ」
ショーマとソラは鞄屋を後にする。
「俺、また女の子と間違えられた」
ショーマはがっくりと肩を落とす。
「次はきっと大丈夫だよ」
ソラはそんなショーマの頭を撫でながら慰める。
二人は服屋、文房具屋、布屋、雑貨屋と巡り職人街へと向かう。
「ウィス、鞄重くない?大丈夫?」
「大丈夫!まだいける!てかさ、結局どこにいっても女の子扱いだよ!なんなんだよ!!」
「街の人を見た感じだと、確かにウィスは女の子に見えなくもないかな?」
「父さんまでそんなこと言うの!?俺は男なの!!」
「はいはい。あ。あの先が職人街みたいだね」
「はぁ、今度こそ間違えられない様に細心の注意を払おう」
「ははは。頑張れ」
ソラはショーマの頭をポンと叩いた。
☆オマケ☆
その頃の洞窟
「サクラちゃん!お茶しよう♪」
『あら、女神様。今日は暇なの?』
「そう言う訳じゃないけど。ショーマ君のこと聞きたくない?」
『そうね。気になるわ。ちょっと待ってて』
サクラは人化して、お茶の用意をするべくキッチンへ向かう。
「はい。どうぞ」
「ありがとー♪あ、サクラちゃんのアップルパイだ!これ大好き」
「そんなに喜ばれると嬉しいわ」
暫く二人はお茶を楽しむ。
「そうだ。ショーマ君はね、無事にラアイテに着いて学校の入学手続きも終わったよ」
「そう。何事もなくて良かったわ」
「うん。たださ、未だに納得出来ないんだけど」
「どうしたの?」
「なんでソラ君は3日も掛けて行ったわけ?私の時は1日中飛びっぱなしで行ったのに!」
「それは、女神様が急いでって言ったからでしょ?」
「確かにそうだけどさ」
「それに、ショーマはまだ子供なんだから、夜はしっかり寝ないと。あの子、背が低い事を気にしてるし。しかも、ラアイテの近くまでドラゴンのままでは行けないから、3日目は半日歩くって言ってたわよ?」
「そっか。ショーマ君は歳の割には小さいもんね」
「本人に言ってはダメよ?」
「わかってる。流石に地雷は踏まないよ。さて、そろそろ午後の仕事に戻るかな」
「女神様、話し相手になってくれてありがとうね」
「べ、別にそう言う訳じゃないし!お茶ありがと!またね!!」
女神は一瞬にして消えた。
ふふ。女神様は優しいわね。
☆☆☆
ちょっと書きたくなって。でも本編とは全く関係ないので、後書きに追加しました。
本編はまだまだ続きます。応援していただけると嬉しいです。




