6―ミスリノート1
大変遅くなりました。
あと、本日短いです。
※7/7…話筋はそのままですが、本文追記しました。後書きはそのままです。
ショーマ達はミスリノート聖国へ向かっていた。
ヒスイは最初、始めての飛行に大はしゃぎだったが3時間程経った頃には既に夢の中。ソラの作り出した穏やかなそよ風を感じながらサクラの腕の中でスヤスヤと眠っていた。
アンズはシドとカエデのスパルタ指導の元、自分がシドの背から飛ばされない様に周囲の風を操っていた。行程の半分程で力尽きると、カエデの腕に抱かれて眠っていた。
ショーマはリンドとツバキと話をしながら旅行を楽しんでいた。リンドの話しはかなり盛っている所が有るようで、その度にツバキから突っ込みを受けて言い直すと言う夫婦漫才が展開されていた。
ソラ達は飛び続け、10時間程でミスリノート上空付近に着いた。
リンドとツバキが半日掛かったのは、ツバキの飛行速度に合わせていたからだそうだ。
ミスリノートはツバキの言葉通り絶海の孤島。果てしなく続くと思われた海に突如として現れる。
諸島や群島と表す程に島が集まっている訳ではない。北海道程の大きな五角形の島が一つあり、周りを取り囲む様に小さな島が五つあるだけの面積的にはとても小さな国だ。
ショーマはリンドとツバキからミスリノートについての説明を受ける。
『ショーマ、島の各頂点に街があるだろう?』
「うん。あと、真ん中に大きい街が見えるよ」
『中央の街が首都のミスリノート。天使様が居るのもそこだ。わしの家は北側の頂点のイスタと言う街にある。頂点五つの街はイスタから時計回りにそれぞれロムス、ハンタ、ニメル、ホートと言う名前だな』
「へぇー」
「カイ様達が住んでいるのは中央のミスリノートよ。それと、ミスリノート聖国は5の数に則って街が形成されているの。上から見ると解りやすいでしょう?」
「確かに。頂点と中央の間にある道も街も五角形が基本みたいだね」
一つ一つの頂点と中央を結ぶ街道の間に四つの街がある。隣の頂点からその街にも道が繋がり、隣り合う頂点や街同士も道で結ばれ、緑豊かな五角形の島の中に複雑な星模様が形成されている。
『確か、5が女神様の幸運の数字とか言っていたか?』
「そうそう。それに基づいてこの国は創られたらしいのよ」
女神様、それで良いのか?
ショーマが心の中で突っ込む間にリンド達は着地に向けて体勢を整え始めた。
◇◇◇
一行はミスリノートの北側広場に着地する。この広場は高い塀で囲まれている。すぐ隣に人間の住む街が広がっているが、特に騒ぎになっている気配は無い。
「ねぇ、こんな近くにドラゴンが飛来したのに人間は騒がないの?」
「ここはドラゴンをドラゴンと認識出来ない魔法が掛かっているらしいよ」
ショーマの疑問に人化したソラが身体をボキボキと解しながら答えた。
『わしとツバキは一度家に帰ってから行くぞ。皆は街をゆっくり散策してから神殿に行くと良い』
「また後でね」
ショーマ達は再び飛び立つリンドとツバキと別れてミスリノートの街を散策することにした。
塀で囲まれた広場を出ると、そこは人間の住むエリア。生活音が溢れ、人里離れた生活に慣れたドラゴンにとっては少し騒々しい。
「ウィー!ここ、人がいっぱい居たアルカンより煩いね!」
アンズが手を耳に当てながらショーマに言う。
「そうだね。向こうは真冬だったからみんな静かだったんじゃない?寒いと外に出るのですら億劫になるから。ね、ブラウンさん?」
「いや、本当にそうだね。ハハハ」
シドはショーマに話を振られ、乾いた笑いでお茶を濁した。
「あー!いいにおーい!!」
ヒスイがサクラの手を引いて屋台に向けて駆け出す。ずっと寝ていたのでお腹が空いている様だ。サクラは走ると転ぶわよと言いながらヒスイの好きなようにさせている。ちなみにヒスイの人間名はここに来るまでにソラとサクラが相談してジェイドと決まったらしい。
ショーマ達は屋台で串焼きやホットサンドなどを適当に買い、のんびり食べ歩きながら目的地であるミスリノート大神殿へ向かっていった。
ミスリノート大神殿は街の中心部にあり、人々がただの教会の様に出入りしている。しかし、ここが天使とドラゴンが住まう場所。
正面から見た建物は、等間隔に立てられた柱の上に三角の屋根が載せられたギリシャ神殿の様に見える。真っ白に磨かれた石柱には彫刻が施され、とても華やかな印象だ。
そして、一度足を踏み入れると空気が一変した。講堂内には外の雑踏が嘘のように静謐な空気が流れている。
ほへぇー。歴史的な建物って感じだね。イタリアとかの教会みたい。世界遺産的な?あー、そう言えばここは女神様のお膝元なんだった。そりゃこれだけ高潔で高貴な雰囲気になるよね。
ショーマは高い天井に描かれた絵画をぼーっと見ながら物思いに耽っていた。
「ウィス、こっちだよ」
ぼーっとしているショーマをソラが手招く。一行は祭壇のある講堂を横目に閑散としている中庭へと向かった。
「ここから向こうが聖域。天使様の住まう場所だよ」
ソラがそう言って指し示したのは何の変哲もないただの門。強いて言うのであれば、石柱に嵌められた黒鉄の柵には美しい薔薇模様が描かれている。
「え?こんなただの門の向こうが!?」
「そう。この門自体が魔道具になっていて、人間には認識出来ないらしい。こんなに目立つのにね」
シドがショーマの後ろから教える。
感心するショーマを促して、一行は門を潜った。
どうにかミスリノート聖国にたどり着きました!汗
時間が、時間がー(。>д<)泣
次回、おじいちゃんとおばあちゃん。です。
今日ほんとはそこまで書く筈だったのに…
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