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俺が魔王として女神が悪魔な世界にやって来た  作者: 朝木 花音
10女神の手伝い―準備編
146/263

4―ちょっと練習2

ギリギリセーフ?


※11/8…誤字報告修正




 ショーマとソラはシープレンと大陸を繋ぐ橋を渡り、大陸側の街を通る。


「こっちの街も同じシープレンなんだよ」


「へぇー。二つで一つなんだね」


「島が王城街で、ここが城下町と言う感じかな。まぁ、ここまで静かだとは思わなかったけど」


 二人は半分以上の建物が閉まっている大通りを歩いている。活気のあった島部分とは違い、行き交う人々の表情は一様に厳しい。


「なんか寂れた商店街って感じだね」


「政変が起こったばかりだからかもね」


「そう言えばそうだったね」


 二人は大通りを抜け、街を出るとそのまま南へ向かって歩き出す。ソラがドラゴンになっても差し支えない程離れると、また大空へと飛び立った。




  ◇◇◇




 二人は緑の深い森の上まで飛んできた。冬にもかかわらず葉が生い茂るそこは常緑樹の森か。


 ―――さてショーマ。そろそろ練習の時間だよ。


 ―――やっぱり止めない?


 ―――今日は慣れるまで帰れないと思ってね。


 ―――うっ、はーい・・・。


 ショーマはソラの圧に耐えられず、空中アクロバットの練習を始めた。


 鬼コーチによる過酷な訓練が始まった。

 ソラは地上から目を凝らさないと見えない程の高度まで上昇するとショーマに離脱を促す。そして、シープレン上空で行った事を繰り返し練習させる。

 初回は安定感のあるドラゴン姿のソラから。以降は降りるのが面倒なので人型のソラから。


 ドラゴン姿の父さんから自力で飛ぶのはまだ良いよ?でもさ、人型の父さんから飛ぶのはマジでヤバい。信頼してない訳じゃないけど、問答無用でぽーんって上に投げ飛ばされるんだよ!雑技団の人間ピラミッドの頂上に人飛ばすやつみたいに!!わかる!?ってほらぁー!


「ぎゃあーー」

「うひゃーー」

「ひょえーー」

「あひょーー」


 ショーマは何十回と投げられ、悲鳴のレパートリーが尽きる頃に有ることを思い付いた。


 あ、空気でパラシュートを作ればいいんじゃね?


 ―――父さん!ストップ!止めて!


 ―――うん?どうしたんだい?


 ―――ちょっと考えがあるから少し待って!


 ―――りょうかい。


 ソラはショーマを組んだ手の平に立たせて投げる体勢から両腕でお尻と背中を抱える体勢に変えた。

 ショーマはソラの腕の中でじっくり確実に準備をしていく。


 ハーネスはちゃんとした材質で、上半身だけだと抜けるからしっかり股下を通して。

 パラシュートは軽くて丈夫な布をリュックに入れて背負うでしょ。紐が絡まない様に気を付けてーっと。


 ショーマの身体に黒いベルトが巻き付く。背中にはリュックサックの様なものが装備された。


 あとは、タイミング良く鞄の口を開くだけ!


 ―――父さん!準備出来たよ!


 ショーマは肩から垂らした紐を握り、ソラに声を掛けた。


 ――よくわからないけど、いくよっ!


 ショーマはソラに投げ飛ばされた。ショーマはその時を待つ。降下を始めたタイミングで紐を引いた。背中の収納からパラシュートが飛び出す・・・が、広がりきる前にソラに受け止められた。


 ショーマは巧く行かず意気消沈の面持ちで空気から作り出したあれこれを霧散させた。


 ―――やりたい事はわからなかったけど、悲鳴を上げずにやりきったね。


 ソラはそんなショーマの頭をヨシヨシと撫でる。


 ―――そろそろ暗くなってきたし帰ろうか。


 二人はそのまま森に降下すると、ショーマの魔法で洞窟()に転移した。




  ◇◇◇




「今日はどこまで行ったんだい?」


 夕食を終えお酒を飲んでいるソラにシドが尋ねた。


「あぁ、鎮守の森まで行った」


「じゃあ明日はライオネルだね。首都の“ハルセナ”は通って行くんだろう?」


「そのつもりだよ。後々ショーマの為にもなるだろうし」


「ねぇねぇ、鎮守の森って?」


 ショーマはソラとシドに聞く。


「今日最後に行った森が“鎮守の森”だよ。森の人の縄張りなんだ。かなり広くて方向感覚も狂うから、一度入ったら出られない“迷いの森”とも呼ばれているね」


「ソローシャンとライオネルの間に広がっていて、両国の緩衝地域の様なものかな。嘘か真か“燃えない森”とも言われているね」


「ライオネルがソローシャンに大軍を送って攻め込めないのはその森が大きな原因だね。木を切り倒してもキリがないし、燃やそうにも何故か燃えないから」


「へぇー。森の人か。魔人が住んでるって事だよね。どんな人たちだろう」


 ショーマは二人の言葉の中から魔人の部分だけ興味を持った様だ。


「広大な森だから、会えるかどうかは運次第だね」


「うん。確かに。空から見ただけでも凄い大きな森だったもんね」


 ショーマはうんうんと頷いた。


「お風呂出たわよー」


 サクラが声を掛ける。一緒に入っていたカエデとアンズも出てきた。リンド、ツバキ、ヒスイは既に夢の中だ。


「さて、お風呂に入って早く寝よう。明日も朝早くから沢山飛ぶからね」


「うん!」


 三人は風呂に入り、それぞれの家族と共に就寝した。




  ◇◇◇




 ショーマとソラの二人は鎮守の森に転移してきた。


「さて、今日はライオネル王国の首都ハルセナに寄ってから一番ミスリノートに近い“マイラン岬”に向かうよ」


「はい!」


 ショーマはドラゴン姿になったソラに乗り、目的地のハルセナのある南東へ向かって飛び立った。





ショーマ「パラシュート…」

朝木  「開く前に受け止められるって滞空時間はどんだけよ」

ショーマ「…」

朝木  「まぁ、もうちょっと頑張ろうぜ!」


 ショーマ、絶対にスンって顔でしたよね。笑



 知らぬ間に森の人の出没スポットに潜入していたショーマ。

 彼らに会えるか?会えないか?

 それは神のみぞ知る…

 いや、ウチの女神様は知らなそう。

 ( ̄~ ̄;)



 次回、皆で飛ぼう!です。

 ミスリノートにはいつ着くんだ?



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/



 評価いただきました!

 嬉しいです!

 ブックマークの追加もありがとうございます!

 そして!総合評価300pt越えました!!

 ありがとうございます!

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