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俺が魔王として女神が悪魔な世界にやって来た  作者: 朝木 花音
9魔王は巻き込まれ体質編
135/263

25―声の魔道具

遅くなりました。


※5/16…前話で原初のドラゴンをちょっと補正しつつ後書きで補足説明を追加しました。




「さて、ショーマの疑問も解消したみたいだし、シド達の様子でも見に行こうか」


「そうだね!」


 ショーマとソラはテントを出て広場へ向かう。しかし、そこにシドとソロンの姿は無い。

 近くに居たレイカー達に二人の行き先を尋ねながら歩いていく。




 ひっそりと静まり返る湖の岩場にシドとソロンの二人は居た。


「シド様、いかがでしょうか」


「変換対象が一人ならこれで大丈夫ですね。ただ・・・」


「これはなかなか難しい問題ですね」


「なに二人でコソコソやってるの?」


 突然聞こえたショーマの声にソロンはビクッと肩を震わせる。

 シドはショーマとソラが近付いていたのがわかっていたので、そのまま普通に答えた。


「魔法陣の調整が静かな所でないと出来なくてね。まさか、近くにいる人全員の魔力(言葉)を拾ってしまうとは思わなかったよ」


 何故二人が他の人と離れているかと思えば、レイカーが多数いる広場ではソロンだけの言葉を拾うことが出来なかった為らしい。


「言葉を全部拾っちゃう?」


 ショーマはシドの説明に首を傾げた。


「魔物の言葉は魔力を使っているだろう?それはすぐ前の相手にだけ伝わるものではなくて、周囲にも広がるように伝わってしまうんだよ。まあ、普通に私達が話すのと同じ事が起こるんだね。

 そのせいで魔法陣が周囲で話しているレイカーの言葉も一緒に拾ってしまうから、どうにかならないかな?と考えていた所なんだ」


「そっかー、なるほどー」


 ショーマは腕を組み考え始めた。うーんと唸っては空を見つめ、脳内で試行錯誤を行う。

 シドも頭を捻るがなかなかいい案が思い浮かばないみたいだ。ふとソラと目が合う。


「ソラ、何か思い付かない?」


「何だよその無茶振りは。僕に聞くよりショーマの閃きを待った方が確実だし早いよ」


「それもそうか」


 ソラは肩を竦めて答える。

 シドはソラの言う通りショーマの閃きに期待しつつ、何か策はないかと再び思考を巡らせる。


「あ!そうだ!!」


 ショーマは何かに気が付いた。

 シドは一旦考えるのを止め、ショーマに先を促す。


「あのさ、魔力はみんな違うんだよね?」


「そうだよ」


 ショーマの問いにシドが頷く。

 ショーマは自分の考えに確信を持った。そして嬉しそうに続ける。


「だよね!だから、結界に魔力を登録すると大変って話になったんだよね!」


「ああ。だからショーマ君に9色の魔鋼金を・・・!そうか!魔力の登録か!!」


「そうそう!魔道具は個人個人に配るんだから、登録しても問題ないよね!」


 ソラとシドの期待通りショーマは名案を閃いた。

 シドは早速魔法陣を拡げる。ショーマも横から覗き込んだ。

 ここをこーすればどう?でもここがこうだから。じゃあこうしたらいいんじゃない?それならいけそうだと議論を交わす。

 二人はものの数分で魔法陣を再構築し、ショーマによってまっさらになった銀板上にシドが速筆で魔法陣を描き出していく。


 その一連の動きをソロンはじっと見ている。そしてポツリと呟いた。


『──ここ数日で、今までの常識は何だったのかと考えさせられます』


「ハハハ。ショーマ(うちの子)シド()が申し訳ないね」


『いえいえ、何を仰いますやら。ソラ様も十分に常識外れですよ』


 ソロンは苦笑いでソラを見た。ソラもつられて同じように苦笑いを浮かべた。


「よし、出来た。じゃあソロン君、先に魔力をこの板に流してからいつもの様に話してください」


「はい。いかがでしょうか?」


「問題はなさそうですね。では広場に行って他の人の魔力(言葉)を拾ってしまわないか確認しましょう」


 ショーマ達は広場へ戻ることになった。


「・・・ねぇ父さん。ソロンの声が耳から聞こえるってすっごい変なんだけど」


「うーん。こればかりは慣れるしかないよ」


 ショーマはだよねと納得するも違和感はなかなか消えなかった。




 結論から言うと、改良した魔法陣での実験は成功を収める。


「いよっし!じゃああとはこれを魔道具にするだけだね!」


「そうだね。ソラ、後は頼むよ」


「ああ。これくらいの複雑さなら僕でも組めるから任せてよ」


 夜になったので、ショーマ達は湖から洞窟()へと帰っていった。




  ◇◇◇




 一行はショーマの転移魔法で洞窟()へ戻ってきた。


「まだ明るい!さっきは夜だったのに!!」


 時差を理解していないアンズは大はしゃぎだ。

 それを大人達は微笑まし気に見守る。


 夕食後、アンズはシドから天動説を含めて説明されるがちんぷんかんぷんだった様だ。

 結局、レイカーの湖とショーマの家の時間が違うという理解に落ち着く。




 ─時間を戻して─




「ショーマ、とりあえず魔鋼銀を量産してくれないかな。できれば5色で」


 昼食後、ソラから注文が入った。


「りょーかい。でも7色じゃなくていいの?」


「ああ。そんな高価な物を身に着けていたら狙われてしまうからね。5色くらいが丁度いいんだよ。それと、魔鋼銀はそのままでいいから」


「加工はしなくていいの?」


「それは僕の方でやるよ。ショーマには魔鋼金の加工をお願いしたいからね。これくらいの太さの鋼線に加工してもらえる?」


「うん、わかった。じゃあ出来たら渡すね」


 ショーマは今朝の銀の切れ端を複製し、大量の銀を空気で作った器五つに投入する。

 そして、魔鋼金を作った時と同じ要領で銀を練り始めた。

 魔鋼金は直径1mm程の鋼線に加工してソラに渡す。




 ショーマは魔鋼銀に掛けてある魔法の制御方法をソラに伝え、シドの元へとやってきた。


「ねぇシドさん。なんで魔道具の魔法陣は銀に書くの?魔法陣は布でも紙でも作動するよね?」


 ショーマはシドに聞いてみた。


「ああ、魔道具の魔法陣は普通の魔法陣とは魔力の流し方が違うから魔力と相性の良い銀や白金を使うんだよ。まぁ、白金を使った魔道具はそれこそ王族でもないと持てないけどね」


「へぇー。ちなみに魔鋼銀にするのはなぜ?」


「今回は単純に軽くする為だね。ある程度効率も上がるけど、あの魔道具はあまり効率を重視していないから」


「なるほど!」


「さ、魔道具の方はソラに任せて私たちは結界の方を考えないと」


「そうだね。まずは効果範囲を決めないと。あとは9色の魔鋼金の魔力を登録して・・・──」


 ショーマとシドはソラに魔道具の製作を任せ、一番のネックである結界魔法に着手した。





ショーマ「ソロンが喋るとさ」

朝木  「うん?」

ショーマ「いや、ソロンが喋ると腹話術みたいなんだよ」

朝木  「・・・ぷっ」

ショーマ「しかもちょー高度なやつね」

朝木  「ぶふっ!ちょ、笑わせるな!」


 口を開いて発音する事が無いので、魔道具で声になっても口が動かないのです。

 これは訓練するしか無いねー。



 次回、結界魔法はどうする?です。

 設定決めなきゃ。

 大変だぁ。(/´△`\)



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/



 10時更新が出来ない今日この頃。

 もう、10時は諦めようかな…

 (-_-;)



 活動報告にも書きましたが、只今工事中です。

 章の追加とサブタイトル変更です。

 内容は全く変わってません!

 工事が終わったらまたお知らせしますね♪

 ( ・∇・)


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