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俺が魔王として女神が悪魔な世界にやって来た  作者: 朝木 花音
9魔王は巻き込まれ体質編
132/263

22―魔人と魔族と魔道具と4

遅くなりました。




 ショーマはソラとシドと共にお風呂にいる。


 ソラはさっさと頭と身体を洗い湯船に浸かる。シドも全身を洗うと湯船に浸かる。ショーマは髪が長い分二人よりも洗う時間が長くなってしまう。まだ湯船の外で身体を洗っていた。


「はぁ~。やっぱりお風呂はいいね。ラペンタで骨の髄まで冷えきった身体も温まるよ。これがあれば私でも寒い所でやっていけるかな。酒で温まるには限界があるし」


「うっ、ふぅ~。シドさんはなんでそんなに寒がりなの?」


 ショーマはまだ冷たさの残っていた四肢の末端に若干の痛みを伴いながら、ゆっくりと湯船に入った。


「ソラと違って鍛えて無いからね。ふはぁ~。極楽極楽」


 そう言うとシドは縁に頭を預け目を閉じた。


「シドは身体を細かく動かすのが苦手なんだよ。走る、跳ぶとかの単純な動きならそつなくこなすんだけどね」


「細かくって。ソラみたいに高速で剣を振り回すなんて化け物染みた動きは私には無理だよ。

 私は完全に魔法専門。調べたり研究したりする方が性に合ってるから」


「シドは魔法の鍛練ならいくらでもやるんだよね。それこそ何時間でも。そんなの僕には無理だよ。魔力だって底を尽きる。シドの魔力量は化け物だから」


「へぇー。なるほどー」


 父さんはアウトドア派でシドさんはインドア派なんだ。双子なのに得意分野が全然違うんだね。

 てか、二人ともドラゴンって時点で化け物では?いや、ドラゴンの視点で見ての化け物ってこと?そういうこと?


「と言うか、そもそもシドには肉が足りない。もっと食えよ」


 ソラがシドの腕を持ち上げて目を眇める。シドはその手を振りほどき反論する。


「生きる為に必要な最低限の肉は付けてるよ?それに、あまり肥えるとあいつは儲かってるって狙われたりするから」


「それは極端すぎだから。それに最低限じゃ駄目だろ。何かあったらどうする気なんだよ。

 そんなんだから寒いのにも耐えられないんだろ?まったく合理主義と言うかなんと言うか」


「まぁ、何かあっても対応出来る自信はあるさ。肉は無いけど非力ってわけじゃないから人一人くらいならサクッと投げられるし。

 それに、寒い所には行かなければいいんだよ。外が寒いなら(くぬ)い部屋で考え事していた方が実利があるし楽しいよ」


「それ、ドラゴンとしてどうなんだ?」


「まぁ、いいじゃないか」


 二人がこんなやり取りしてると、なんか新鮮だなぁ。いつもは俺がいるからか保護者ですって感じだもんね。

 どっちが兄とか無いって言ってたけど、父さんがしっかり者の兄でシドさんがめんどくさがりな弟って感じかな。この自然な感じは昔からこうだったんだろうな。

 てかシドさん、人一人サクッと投げるって並のスペックじゃ無理だからね?──いや、ドラゴン基準なら普通・・・なのか?基準がわからん。


 ショーマ(13歳息子)は目の前でじゃれる双子(子持ち成人男性、内片方父親)を温かい目で見守っていた。


「そうだショーマ君。魔道具の事なんだけど、ちょっと知恵を貸してくれないかな」


「──へ?うん。なんでしょ?」


 ショーマは突然シドに問い掛けられビクッと驚いた。


「元にしようと思っている通信魔法の媒体が発信と受信の二つで一つなんだけれど、それを一つの魔道具に纏めようとするとどうしても時間差が生まれてしまってね。何か良い案はないかな?」


「えーっとその前に、その通信魔法の原理を教えて?」


「そうだったね。通信魔法は発信側の言葉を魔力信号に変換して受信側に送るんだ。それを受信側が聞こえる音に変換することで会話が可能になるんだよ。

 媒体が必要だし一定の距離に居ないと使えない制限があるけど便利だよ」


「なるほど。トランシーバーみたいな感じか。

 うーん。あれ?魔人って魔力を使って話してるんだよね?」


「そうだよ」


「そしたら発信は要らないんじゃない?受信だけで」


「あ!そうか!わざわざ言葉を魔力に変換する必要が無いんだね!」


 シドはショーマの言葉に目を見開く。凝り固まった考えに天啓を受けたようだ。脳内であれこれと考えを纏めていく。


「うん。これなら魔道具として作れそうだ」


 シドはにっこりとショーマに微笑んだ。




  ◇◇◇




 翌朝、ショーマは目覚めるといつもの通り顔を洗ったり着替えたりと朝練の支度をする。大体そのあとは玄関前の広場で木剣を振っている。


 今日は外へ鍛練に行く前に、昨日から練っている魔鋼金の様子を覗く事にしたらしい。


 さて、金はシドさんの予想通り一晩で7色になってるかなー?

 ──うん?ううん!?


「シドさーん!!」


 ショーマは客間に向かって走り、入り口からシドを呼び起こす。

 シドは眠気眼に寝癖を付けてフラフラと部屋から出てきた。


「ふわぁ。おはよう。どうしたの?」


「おはよ!ちょっと見て!金!!」


 ショーマは挨拶もそこそこに持っていた魔鋼金の入った器をずいっとシドに差し出す。

 それを見たシドからは一気に眠気が飛んだ様だ。


「・・・なんだこれは」


「たぶん白と黒ってこう言う事なんじゃない?」


 魔鋼金は全体的に7色を纏い、白と黒のヴェールがそれを包む様に揺らめいていた。


「ちょっと待って、今魔道具(メガネ)持ってくるから」


 シドは慌てて部屋からメガネを持ってきた。メガネを掛けてもう一度魔鋼金を見る。


「これは9色の魔鋼金と思って良いみたいだね。ショーマ君も見てみて」


 ショーマはシドから渡されたメガネを掛けると魔力を通して器を覗き込んだ。


「うわぁ。なんか凄いね。これって白と黒で魔力の放出を抑えてるのかな?どっちも淡く光ってるけど、魔力が出てる感じには見えないから」


 ショーマは器を傾けたりして様々な角度から魔鋼金を見る。


「たぶんそうだろうね。いやあ、本当に9色になるとも思わなかったし、こんなに早く9色になるなんてもっと思ってなかったよ」


「うん。俺もびっくり。これが伝説の金属かぁ。自分で作っておきながら全然実感が湧かないな」


「寝て起きたら出来ていたからだね。でも、これでまた一歩レイカーのみんなが安全になったね」


「そうだよね!じゃあ、俺、朝練してくるね!」


 ショーマはシドにメガネを返すと元気に飛び出していった。


「うーん!さてと。私も準備を始めるかな」


 シドも大きく伸びながら、動き出した。





ショーマ「あーさーきー」

朝木  「な、なに!?」

ショーマ「また予告詐欺したな!!」

朝木  「ひいぃーっ」

ショーマ「ったく、出来ない事を予告するなよ」

朝木  「すいません」


 魔道具について書く予定が、双子についてになってしまった…

 イケメン、まじ尊い。

 (@-@;)


 こほん。

 ソラは均整のとれた細マッチョでシドは男性的だけど綺麗な細さです。

 服を着てしまえば差はさほどありません。


ショーマ「何をしっかり説明してんだ!!」

朝木  「うきゃあ!?」



 無事に9色の魔鋼金が出来上がりました!

 レイカー達が言葉を発する魔道具にも目処がついたみたいです。



 次回、みんなで遊びに行こう!です。

 サクラだけの予定が?

 ソロン…ファイト!!



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/



 ブックマークの追加ありがとうございます!

 これからもガンバリマス(ρ≧▽≦)ρ


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