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2―学校での設定


 会話文に関して、指摘をいただき表記を変えました。





 ショーマは学校へ行く準備を終え、女神へと連絡をとる。


「もしもし。女神様。こんにちは」


 ―――こんにちは。今日はどうしたのー?


「学校へ行く準備が出来ましたので、連絡させて頂きました」


 ―――っ!どうしたの!?何か変な物でも食べた!?


「何を言ってるんですか?いつも通りですよ」


 ―――じゃあ、何を企んでるの?


「企んでるだなんて、酷いです。シクシク」


 ―――今までの非礼の挽回ってところかな?別に怒ってないから良いよ。てか、気持ち悪いから元に戻して。


「うっ。全部バレバレか。でも、悪かったなって思ってるのは本当だからね?」


 ―――はいはい。で、準備できたんだっけ?


「そ。これからどうすれば良い?」


 ―――直接話した方が早いし、今からそっちに行くよ。洞窟()でしょ?


「うん。そーだよ」


 ―――じゃー、行くから!


 女神はリンクを切ると、一瞬でショーマの目の前にやって来る。


「うわ!」


「やっほー!久しぶりー♪」


「急に目の前に現れるなよ!心臓止まるかと思った!」


 ショーマは手で胸を押さえながら女神に抗議をする。


「大丈夫!ショーマ君はそれぐらいじゃ死なないよー」


「そりゃそーですけどね!で、俺はどうすればいいのかな?」


 女神はダイニングテーブルのショーマの向かいに座った。


「ソラ君とサクラちゃんから聞いてると思うけど、ショーマ君には東の街の魔法学校に行ってもらうのね。入学手続きとかいろいろあると思うから、ショーマ君の設定を一度しっかり作ろうと思って」


「俺の設定ねぇ。それは「魔法学校でボロを出さない為に、先に設定を考えておこう」って解釈で良い?」


「そういうこと!でね、私なりに考えたんだけど」


 女神は設定をいろいろ書いた紙を懐から取り出す。


「あ、お茶は自分でどーぞ。さて、どれどれ」


 名前-ウィステリア、性別-男、年齢-13歳


 ここまではそのままだな。


 出身国-プラン王国

 出身地-シェード


「ねぇ女神様ー。プラン王国ってどこにあるのー?」


 ショーマはキッチンにいる女神に話し掛ける。女神は自分のお茶を持って来て答える。


「プラン王国はね、この大陸の中央から東寄りにある小さな国だよ」


「ふーん。俺の出身地にしちゃって問題は無い?」


「大丈夫。この国の魔法学校は入学希望者が少なすぎて教師が集まらないから貴族コースすら開講できないの。だからみんな近隣の大きな国に留学するってわけ。留学証明は出発までに用意するから問題ないよ」


「わかった。書類はよろしく」


 ショーマは更に先を読んでいく。


 父親-スカイ、職業-猟師

 母親-チェリー、職業-なし


 これもそのままだな。


 概要1-プラン王国の魔法学校が現在開校していないため、ラアイテ魔法学校へ入学を希望。


 ふむふむ。さっき言ってたことだね。


 概要2-出身地はシェード近郊の山村。名前が無いため、シェードとしている。

 概要3-村の火事を消す為に魔法が発現した。


 へー。そうなんだ。


 概要4-父は王家へ肉を(おろ)している。

 概要5-母は元王家の人間。


 ちょっと待て、だんだん雲行きが怪しくなってきたぞ。


 概要6-ウィステリアは現王子と従兄弟関係。

 概要7-王位継承権は無い。

 概要8-今はただの平民である。


「ちょっと待ったー!何この概要!!」


「へ?なんかおかしい?」


「いろいろおかしいよ!!俺って英雄か何か?魔王だよね!?なんで王家が出てくるの?なんで王子と従兄弟なの??それで平民って無理でしょ!ちょっとペン取ってくる!!」


 ショーマは内容を書き直すべく、ペンを取りに部屋へ行った。残された女神は、お茶を飲みながら設定の紙を見ている。


 おっかしいなぁ。そんなに変な設定だったかな?


 ショーマが紙とペンを持ってきた。


「書き直すから!」


 名前-ウィステリア、性別-男、年齢-13歳

 父親-スカイ、職業-猟師

 母親-チェリー、職業-なし

 出身国-プラン王国、出身地-シェード近郊の山村

 概要1-プラン王国の魔法学校が現在開校していないため、ラアイテ魔法学校へ入学を希望。

 概要2-出身地の村には半年に1度だけ戻り、普段は獲物を追って旅をしている。

 概要3-旅の途中で火起こしをしている時に魔法が発現した。

 概要4-父の狩りの腕は超一流。


「ふぅ。こんなもんかな」


「えー!貴族っぽい設定は?だめなの?」


 女神は納得がいかない様だ。


「俺はそんな高等教育を受けてないからすぐにバレるっての!てか、そんな身分だったら平民じゃなくて貴族のコースに通うでしょ普通」


「うぅ。言われてみればそうかも」


「だろ?だからこんなもんで良いんだよ」


「うーん。じゃあ設定はこれで行こうか」


 女神はショーマに簡単に丸め込まれた。


「ねぇ、街まではソラ君が送って行くんだっけ?」


「そうだよ」


「そっか。じゃあソラ君といつ出発になるか相談してくるね」


「りょーかいです。いってら」


 ショーマはひらひらと手を振り送り出す。女神はソラと相談するために洞窟の外へ出て行った。




 なんで貴族に拘るんだろう。所々変な先入観があるよな。女神様は俺を魔王にしたいんだよね?




 ◇◇◇◇◇


 女神は何をやっているんだ。


 魔王の言う通りだ。設定がおかしなことになっている。


 だからいつもダメなのだよ。 


 ◇◇◇◇◇




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