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2―ショーマの事実


※6/27…会話文の表現を修正。





 ショーマは出発してから一月程北へ進んだ。




 一月も北上するとやっぱり肌寒いな。ウルシとルリは平気そうでいいな。俺も毛皮が欲しいな。上着を出すにはまだ早いかな。


 お!第一巨人発見!

 この世界には巨人も居るんだ。人型の魔物?なんだろうなー。もしかしたらミツキみたいに言葉が通じるかも。試してみよう!


「こんにちはー」


『え!?』

『悪魔だ!』

『逃げろ!』


「ちょ、ちょっと待って!俺の話を聞けー!!」


 巨人達は俺を発見すると一目散に逃げていく。


 一体今のはなんだったんだ?俺のこと悪魔って言ってた・・・?




「もしもし?女神様?ちょっと聞きたいんだけど」


 ショーマは女神リンクを繋いだ。


 ―――今日はどーしたのー?


「あのさ、巨人に悪魔が出たーって逃げられた」


 ―――あー。さてはショーマ君、魔力制御を習得してないね?


「え?なんだそれ?」


 ―――本は渡したハズなんだけどな。えっとねー、この世界の生物は生きてるだけで魔力を体外に放出してるのね。


「うん。それでそれで?」


 ―――それで、そのままだとロスが多いから、魔法を使う人間は魔力を体内で循環する技術を開発したの。それが魔力制御の事ね。


「ふむふむ」


 ―――今まで会ってた動物型の魔物は魔力に反応しないけど、人型の魔物は魔力に敏感なの。


「じゃ、俺の放出しちゃってる魔力を見て巨人達は逃げた?」


 ―――そう言うこと。ショーマ君の魔力は別格だから、きっと悪魔だと思って逃げたんだね。


「別格ってどういうこと?」


 ショーマは首をかしげる。


 ―――君、私が最初に言ったこと覚えてる?


「この世界の魔王になって。ってやつ?」


 ―――そ。それと、異世界転生で俺TUEEE。


「あ、それすっかり忘れてたわ」


 ―――君、基礎をすっ飛ばして魔法を使ってるじゃない。まぁ、ドラゴン(魔力お化け)と一緒に生活してたら実感ないよね。


「魔力お化けって・・・」


 ―――具体的に言うと、普通の人間の魔力を1として、人間の魔法使いが5~15、サクラちゃんとミツキ君が20、ソラ君で25くらいかなー。


「うんうん」


 ―――で、最近の君は50。


「は?」


 ―――今ショーマ君は一般人の50倍の魔力を持ってるの。しかもまだまだ発展途上なの。


「なんだよそれ!!」


 ―――だから最初に言ったじゃん。俺TUEEEだって。


「なんだよ!もっと実感させろよ!」


 ―――私だっていろいろ予定が狂って困ってるんだよ?そもそも、いきなり捨て子になるとは思わなかったし。


「ちょい待ち!じゃあ、俺が捨てられたのは女神様のせいじゃない?」


 ―――そうよ。自分の首を絞める様なことするわけないじゃない。なんで黒で生まれて来るのよ。だいたい魔力制御の事だって、こんなタイミングじゃなくて、正規の手順で習う予定だったし。


「正規の手順って?」


 ―――貴族の通う魔法学校だよ。せっかく貴族の家に生まれたのに!


「は?マジで!?」


 ―――マジマジ!だってそれが王道でしょ?


「うわぁー」


 ショーマは頭を抱えた。


 ―――私はちゃんと仕事してたのにさ。ショーマ君には出来ない上司扱いされるし?


「それは悪かった」


 ―――しょうがないからソラ君とサクラちゃんに育ててもらって。私だってちゃんと手伝ったし?


「だから悪かったって」


 ―――これからは私の事を出来ない上司扱いはしないでね。


「はい。わかりました。ごめんなさい」


 ショーマはペコリと頭を下げる。


 ―――わかればよろしい。それで、半年くらい魔法学校に行ってみる?


「え?」


 ―――さすがに私たちじゃ、魔力制御の技術は教えられないし。ショーマ君が自分で本から勉強するのも良いけど、結構時間かかるでしょ?


「それはそうだね。でも、貴族でもないのに学校に入れるもの?」


 ―――魔法の基礎コースだけなら平民でも入れるの。学習塾みたいな感じかな?


「へえー。そんなのがあるんだ。それっていつでも入れるの?」


 ―――12歳以上ならいつでも大丈夫だよ。20歳を越えてから突然魔法が使えるようになる人もいるし。事故を起こす前に急いで基礎を習わなきゃダメだからね。


「なるほどね。でも、お金はどうすればいい?」


 ―――そこはこの女神様に任せなさい!私にとっては無料みたいなものよ。


「是非とも行きたいです!」


 ショーマはキラキラと目を輝かせている。


 ―――分かったわ。それに、今から行けば兄弟が生まれるのには間に合うね。


「はっ!」


 ―――マサカ、ワスレテタトカ?


「あははー。そんなことあるわけないじゃないですかー」


 ショーマは一転、冷や汗をかいている。


 ―――まったく。あの二人にはしっかり親孝行してよね。君にとってこの世界の親はソラ君とサクラちゃんしかいないんだし。ここまでキチンと育ててくれたんだから。


「そうだね。うん。ちゃんとする。女神様もありがとう」


 ―――どういたしまして。じゃ、準備が終わったら教えてね。


「了解です。じゃ、また」


 ショーマは女神リンクを切る。




 女神様は意外と出来るヤツだった。今度会ったらちゃんと挨拶しよう。

 とりあえず、一度帰るか。




 ◇◇◇◇◇


 魔王の身にこんな事が起きていたとは!


 最初から観ていたら、どんなに面白かっただろうか!


 ◇◇◇◇◇





 今回立てまくったフラグの回収が出来るか不安です。ガンバリマス。

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