1―とりあえず鍛えよう
短編にしようとしてたのですが、長々として読み辛く、終わらなくなってしまい連載にしてしまいました。
完結目指して頑張ります!
会話凡例
「」・・・人間の言葉
『』・・・魔物の言葉
―――・・・頭に直接聞こえる声
《》・・・魔法や魔道具を通した声
[]・・・動物の言葉
※6/27…会話文の表現を修正。
※11/24…言葉使い、言い回しを少し修正。
※12/21…会話凡例追加。
ふと空を見上げると、信じられない光景が視界いっぱいに迫ってくる。
「え?何これ?」
俺の人生はそのまま終了した。
◇◇◇
「こんにちは!気分はどう?」
―――は?なんだこの金髪美女。
「きゃー!美女だって!」
―――いや、お前誰だよ。
「あ、私は女神だよ」
―――なんか危ないヤツだー。
「いやいや、ホントに女神だから!」
―――百歩譲って、女神様が俺に何の用?
「君にこの世界の魔王になって貰おうと思って連れてきたの♪」
―――はぁ!?なんだコイツ。やっぱり頭オカシイ。
「ちょっと!真面目な話なんだけど!」
―――そういうのは間に合ってるんで、失礼しまーす。
「急に他人行儀にならないで!ちゃんと説明するから!」
―――いや、ホント。結構です。
「帰ろうとしてもムダだよ?君の帰るところはもう無いからね」
―――はい?意味わからんし。
「今自分の身体見えないでしょ?」
―――あれ?なんだこれ?
「向こうの君はさっき墜ちてきたきた隕石の下敷きになって、死んでしまいましたー!」
―――そう言えばそんな気が。てか、ここはどこなんだ?
「死んだ直後なのに随分冷静だね。ここは私の仕事部屋。君の言葉を借りれば異世界の制御室みたいなものかな。」
―――はぁ。で、俺に魔王になれと?
「そ。やっと話が通じて良かったよ。異世界転生で俺TUEEEとかどう?」
―――それは拒否「ムリー!」
―――拒否権無いなら聞くなよ!
「まぁまぁ、細かい事は気にするなって!」
―――いやいや、そこ、重要だからね?
「てことで、私の管理する世界に魔王として転生してもらいまーす♪はい、拍手ー!」パチパチ
―――うわぁ、こんな上司は嫌だ。でもどーせ逃げられないんだろ?それで、俺は具体的に何すりゃいいわけ?
「私の指示になんとなく沿って、君の思う通りの魔王を演ってくれればOKさ!」
―――なんててきとーなんだ。
「ちなみに、私は女神で悪魔だから。そこんとこヨロシク!じゃ、いってらっしゃーい♪」
―――は!?ちょっと待てー!おーーーぃ・・・
◇◇◇
これが俺「ショーマ」の異世界転生。
・俺の両親はドラゴンズ(意味不明)
・何故か分かるドラゴン言語(チート?)
・自分は今のとこ普通の人間(現在3歳)
異世界転生だと言うのに、昨日までの記憶が全くない。「この人が俺の親か」ってちょっとやりたかったのに!
朝起きたら目の前に桜色のドラゴンがいるし。マジびびったわ。しかも、騒いでたら空色のドラゴンまで来るし。
それで、両親によると、俺は赤ん坊の時に山に捨てられてた。大切だからもう一度。す・て・ら・れ・て・た!
何故だ!どうしてこうなった!
異世界転生といえば、わりと裕福な家庭に生まれて、幼少からの英才教育を経て、俺TUEEEな人生を歩むんじゃないの!?それが王道だろ!!
俺は捨て子状態でドラゴンと住んでる。初っぱなから詰んでる気がするんですけど!しかも、女神様とどーやって連絡取ればいいんだよ!?
「おい女神様!お前俺の上司なんだろー!!」
「はいはーい♪呼んだー?」
突如ショーマの目の前に金髪美女が現れた。
「え?」
「あなたの愛しの女神様。小悪魔バージョンでーす♪」
それは黒ボンテージに身を包んだ女神だった。
「いや、頼んでないです」
「なんかショーマ君が冷たい!」
「で?」
「で?じゃないの!もぉ。君が呼ぶから折角降りてきてあげたのに!」
女神は頬を膨らませ、一瞬にして前に会ったときの服装になる。
「なんか言いたいことがいろいろあったけど、言う前にどっと疲れた」
「ふーん?そう?じゃ、帰っていい?」
「いやいやいや。この世界について、説明ぷりーず」
「この世界は〈剣と魔法のファンタジー〉で。あとはー。あーもー、めんどくさいなー。ちょっとこっち寄って?」
「これで良い?」
女神はショーマに頭突きをする。
ゴツン!
「いってぇ!いきなり何するんだ!」
「何って、私とリンクしましたー」
「はい?」
「聞きたい事があったら、その都度連絡ちょーだいっ!君が起きてる時間なら大体繋がるから。じゃ、またね!」
女神は一瞬にして消えてしまった。
・・・なんだったんだ?
女神の襲来後、サクラさんから衝撃の事実。ソラさんは、あの女神の移動手段だった!
なんでも、たまに地上に降りてきてはちょっぴり悪さをして帰っていくらしい。彼女は一体何してるんだろうね。
とりあえず、女神リンクを使ってみるか?
「てか、使い方わからん!」
―――ごめーん。リンクの説明するの忘れてたー!
「ぅお!?なんだこれ!?」
―――私だよー。女神だよー!
「また唐突な。で、リンクの使い方は?」
―――まずー、頭の中にスマホを思い浮かべまーす。
「は?」
―――そのスマホの電話帳に『女神』ってあるから、そこをタップで繋がりまーす♪
「え?」
―――ちなみに、スマホのメーカーは問いませーん。自分が生前使っていたものでも、なんならガラケーでも固定電話でもOKでーす。
「・・・。」
―――わかりましたかー?
俺は思い浮かべたスマホの通話終了をそっと触った。
さて、とりあえず体力を付けるか。でも身体はまだ3歳児だしなー。まずは木の実や山菜などの食べられるものを探しながら歩いてくるかな。
「サクラさん。ちょっとその辺歩いてくるから!」
『あまり遠くに行かないでね。気を付けて行ってらっしゃい』
「いってきます!」
ショーマは一人、山へと歩いて行った。