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北の陣 第2幕  作者: m
8/62

退却

「やぁ、またまたギールだよ。前回ミーナに一騎打ちで勝ったぜ!えっ?あんな勝ち方ありって?アリなもんはアリなんだよ!勝負は勝てばどんな勝ち方でもアリなんだよ!えっ?もっとカッコよく勝って欲しかったって?まったく君は注文が多いなぁ〜、アレはね相手が女かも知れないから俺は斬りたくなかったの!で、仕方なくあんな勝ち方にしたんだよ!これで少しは俺の気持ちも分かってくれたかい?俺は今我慢してるけど本当は腹を刺されてめちゃくちゃ痛いんだからね!早く病院に行きたいんだからね!じゃ、グッバイ!」


「ガチャ」


中央軍の大歓声の中でミーナがギールの前で地面に両膝をついた…


「好きにしろ」


ミーナがギールの目を見てそう言った。


( 武人らしい潔さだな )


「皆の前で全裸にしてもいいのか?」


ギールがミーナの目を見ながらそう聞いた…


「好きにすればいい」


ミーナがそう答えた。


( こいつなんて潔さなんだ… 腕もある… 武人らしい潔さもある… ミーナ… 俺はお前が欲しくなったぜ! )


「お前を捕虜として捕らえる、それでもいいか?」


ギールがミーナにそう聞いた。


「好きにしろ」


ミーナがそう答えた。


ギールがミーナの腕を掴みミーナを立ち上がらせた… その時… ミーナが南軍の軍勢に向かって叫んだ…


「俺は中央軍の捕虜になる!お前達は本陣に帰ってこの事を伝えろ!」


ミーナがそう叫ぶと南軍の軍勢の中から叫び声が聞こえてきた…


「ふざけんなー!そんな事させるかー!」


そう叫び50人程の兵士が南軍の軍勢の中から馬に乗って飛び出して来た。


「ミーナ様を連れて行かれるくらいなら死んだ方がマシだー!」


そう叫びながら50人程の兵士達が馬を走らせギールめがけて突進して来た。


( あいつら一騎打ちの神聖な掟を破るのか? )


ギールは横腹に剣が刺さったまま身構えた…と、その時… ミーナがギールの前に立ち両手を横に広げ南軍の騎馬兵達の行く手を阻んだ…


「ミーナ様!何故その様な事を!」


南軍の騎馬兵が馬を止めそう叫んだ。


「お前達の気持ちはありがたい。だが一騎打ちの神聖なる掟は破るな!お前達は大人しく本陣に帰ってこの事を伝えればいい!きっとサウスが俺を助けに来てくれるハズだ!」


ミーナが南軍の騎馬兵に向かってそう叫んだ。


「くそぉぉぉ!俺達が付いていながら!み… ミーナ様… 」


騎馬兵はそう言い振り上げていた剣を下に下げ… 唇を噛み締めた… そしてくちびるから血を滴り落としながら言った…


「どうかご無事で… 」


南軍の騎馬兵達は目に涙を浮かべその場を立ち去って行った…


「いい兵士達だな、お前の事を本当に心配している…」


ギールがミーナにそう声をかけた。


「うるさい… お前もさっき聞いただろ?サウスが俺の仇を取ってくれる。お前は自分の事だけ心配してな」


ミーナがそう言った。


「ふっ、南赤星師団の頭か… 奴とは1度殺り合いたかった相手だぜ… 」


( 本当は殺り合いたくねー!出来れば一生会いたくねー!けどな! )


ギールはミーナにそう言い、ミーナを自分の陣に連れ帰った… そして南軍は退却して行ったのであった…




















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