スペード師団の騎馬隊
S拠点での闘いからしばらく経った頃、南防衛軍の大本陣に戻っていたスペード師団に中央政府よりある指令が下った…
北軍が中央地区の重要な資金源地域を制圧しさらに中央軍の重要な軍事拠点に大軍を差し向けて来た為、スペード師団も援軍としてその軍事拠点に行くよう命じられたのだった…
そしてギール率いるスペード師団はその軍事拠点に来ていた…
「ゼビ師団長からの連絡が途絶えた… もしかしたらゼビ師団長も北軍にやられたかも知れん… ギール殿、悪いが様子を見てきてくれないか?」
アントレイヤ無き後、北討伐軍を指揮する司令官代理にそう言われたギール達スペード師団はゼビ師団長の元に騎馬隊5000を率いて向かった…
そしてギール率いるスペード師団の騎馬隊はゼビ師団長達が戦っているはずの戦場に着く前に北軍と鉢合わせになった…
北軍は何やらその場所で休息を取っていたらしくスペード師団の騎馬隊はあっと言う間に休息をするその北軍の兵士達を身動き出来ないよう取り囲んだのだった…
そしてギールは見覚えのある北軍の兵士を発見しその兵士に馬に乗ったまま近いた…
「やぁ、久しぶり、ゼビ師団長と連絡が取れないから来てみればこんな所で君に会うとは」
ギールが馬に乗ったままキューイにそう言った。
「おっ、お前は… 」
キューイが驚いた様子でギールを見てそう言った。
「ちょっと君に聞きたいんだが… 何故北軍がココに居るんだ?ウチのゼビ師団長の師団が北軍を食い止めていた筈なんだが… 」
ギールはキューイに剣を向けながらそう言った。
「ゼビ?ふはははは、あいつならもうこの世にはいないよ… あいつの兵隊達もな… 」
キューイはうつむきながらそう言った。
「そうか… お前達が殺ったのか?」
ギールは周りにいる北軍の兵士達を見回しそう言った。
「そうだ… あいつらは殺されて当然な奴らだからな… 」
キューイは口元を歪めそう言った。
「随分と個人的な恨みでもあったみたいな言い方だな… まぁ、いい… お前にはウチの最高司令官であるアントレイヤをやられた… 悪いがココで死んで貰うぜ!」
ギールはそう言い剣をキューイに向けたまま馬を降りたのだった…
これはS拠点での闘いの話だ…
スペード師団は旧道電撃作戦を決行した…
そして…
「シャキン、シャキン、シャキィィン」
ギールとルーキ師団長の2人は斬り合いの後、間合いを取った…
「すいませんね、俺たちはもう後戻りは出来ないんですよ」
ルーキ師団長が剣をギールに向けながらそう言った。
「10分の1計画… お前をそこまで変えるなんて… 」
ギールがそう言い口びるを噛み締めた…
「俺たちはこの国の為に悪魔に魂を売った… ギールさん… 俺はもう昔の俺ではないんですよ」
ルーキ師団長は顔を歪めギールに剣を向けながらそう言ったのだった…




