ルーキ師団長の闇
「やぁ、ギール様だ!えっ?第2幕はいつ終わるのかって?君はまだそんな事を言っているのか?もうすぐだよ!もうすぐ!じゃ、グッバイ!」
「ガチャ」
ギールが馬を止めた音が聞こえた。
あのテントでの会話の後、ギール率いるスペード師団は第3前線の拠点を落とすべくルーキ師団長達と共に進軍を開始した。
ギールはスペード師団だけで第3前線の拠点を落とすとルーキ師団長に言ったのだが、ルーキ師団長が手伝うと言ってついて来ていた。
そしてギール達は第3前線の拠点に着いたのであった。
南軍はすでに準備万端で陣を敷き、待ち構えていた。
「突撃開始ー!」
南軍の師団長がそう叫ぶのであった。
ギール達が南軍と交戦を始め幾日が過ぎたある日の深夜…
ギールとルーキ師団長の2人は南軍の様子を伺う為に陣を離れ、南軍の様子がよくわかる場所までやって来ていた…
「ギールさん、護衛も付けずにこんな所まで来るなんて危険ですよ」
ルーキ師団長が南軍の様子を伺いながらそう言った。
「護衛なんて付けてたら目立つだろ」
ギールも南軍の様子を伺いながらそう言った。
「相変わらず無茶な事をしてるんですね… 」
ルーキ師団長がため息まじりにそう言った。
「無茶はお互い様だろ?別にお前まで付いて来なくてよかったのに」
ギールがルーキ師団長の方を見てそう言った。
「何を言ってるんですか、1人で行かせられる訳ないじゃないですか… 」
ルーキ師団長もギールの方を見てそう言った。
「はっはっは、元スペード師団の特攻隊長が側にいれば俺も安心だよ」
ギールが笑いながらそう言った。
「ギールさん、こんな所でふざけないで下さいよ… 」
ルーキ師団長は南軍の様子を伺いながらそう言った。
「こうしていると、あの頃が懐かしいな」
ギールも南軍の様子を伺いながらそう言った。
「えっ?ええ… そういえば懐かしいですね… 」
ルーキ師団長の声が少し暗くなった。
「どうした?」
ルーキ師団長の声が急に暗くなった事が気になりギールはそう聞いた。
「いや… 別に… なんでもないですよ… 」
ルーキ師団長が何かをごまかすようにそう言った。
「相変わらず嘘が下手な奴だな… どうした?何かあったのか?俺とお前の仲だろ?話してみろよ」
ギールはルーキ師団長の目を見てそう言った。
「ギールさん俺… いや… やっぱりなんでもないです… 」
ルーキ師団長が何かを言いかけそう言った。
「言いかけたんなら言えよ、何かあったんだろ?」
ギールはルーキ師団長の目を見たままそう言った。
「ギールさん、すいません… これは言えない事なんで… ただ俺… とんでもない事を… 」




