軍医
「やぁ、元気か?いつもの通りギール様だ!えっ?君の国も最近危なくなって来ただと?何?北朝鮮がヤバいって?はっはっは、そんな国俺は知らんが、ウチの北地区の連中もヤバくて大変だよ!お互い大変だな!じゃ、グッバイ!」
「ガチャ」
どこかで誰かがガチャを回した音がした。
2度目の大戦で北軍に勝利を収めた中央軍はしばらく重要拠点を守っていた。
そして北軍の大軍のほとんどが北地区に戻った事を知ると中央軍は隊を分散させたのであった。
その分散によりギール率いるスペード師団は南の防衛に戻っていた。
南軍はまだ大人しくしていたらしいが、その大人しさが逆に不気味にギールは感じていた。
ギール達が南の防衛に戻って幾日が過ぎたある日の事、1人の兵がギールの居るテントにやって来た…
「ただいま」
マーサがそう言いテントに入って来た。
⁈
「どうしたんだ急に?」
ギールは驚きながらマーサを見た。
マーサはアントレイヤの護衛の任務に就いていたのだが急に帰って来たのでギールは驚いていた。
「アントレイヤ君から君にこの手紙を預かってね」
マーサはそう言いギールに手紙を渡した。
その手紙にはこう書かれていた…
【 北軍の兵が変な密書を持っていた、もしかしたらこの戦自体にも何か裏があるのかも知れない。君にもその密書を見せたい。マーサに案内を頼んだから一緒に俺が居る拠点に来て欲しい 】
ギールは手紙を読み終えその手紙を軍服のポケットにしまった。
「アントレイヤはどんな密書を見つけたんだ?」
ギールがマーサにそう聞いた。
「さぁ?俺は何も聞いてないから分からないよ。ただこの手紙を渡してギールを連れて来てくれって言われただけだから」
マーサは両手を広げそう言った。
「そうか… 分かった今から支度をしよう」
ギールは頭をかきながらそう言った。
「ここに来る途中、所々で戦をしてたから念のために軍医も連れて行った方がいいよ」
マーサがギールにそうアドバイスをした。
「分かった、腕利きの軍医を連れて行くよ!」
ギールはそう言い支度にかかった。
数時間後、南の防衛を副師団長に任せ、ギールはマーサと軍医そして10名程の兵士達を連れアントレイヤの元へと馬を走らせたのであった。




