報告と忠告
ミーナが処分を免れた日から数日後…
略奪兵を束ねるドマ師団長の前に1人の男が護衛兵を5人引き連れやって来た…
「これはこれは、バル殿ではないですか、どうしたんです?わざわざこんなところに… 」
ドマ師団長が南地区にある宿場の部屋の椅子から立ち上がりそう聞いた。
「今日は君に報告と忠告をしに来たんだよ」
バルは小さいテーブルを挟んだドマの向かいの椅子に座りながらそう言った。
「報告と忠告ですか… 一体どんな?」
ドマも椅子に座りそう聞いた。
「そうだな… まずは報告の方を先にしよう… 我々の計画は順調に行っているみたいだという事がひとつ」
バルは小さいテーブルに両手を置きそう言った。
「ほぅ、それはそれは、で、もうひとつの忠告とは?」
ドマが腕組みをしてそう聞いた。
「君達はちょっとやり過ぎなんじゃないか?なんでも聞くところによると幼い少女を平気で殺したり、若い娘達を誘拐して乱暴したりしてるそうじゃないか」
バルがそう言い腕組みをした。
「私達は上から徹底的にやれと命令されてますのでね、やり過ぎはないかと」
ドマが腕組みをしたままそう言った。
「そうか… ボルがそんな事を言ったのか?」
バルも腕組みをしながらそう聞いた。
「ええ、そうですよ」
ドマが頷きそう言った。
「なら、私から君に改めて命令を下そう、子供や若い者にまで手を出すな!いいか?これは命令だ!わかったな?」
バルが人差し指をドマの顔の前にやりそう言った。
「そうですか… バル殿がそうおっしゃるのなら仕方ありませんね… 分かりましたよ、兵士達にはそう言っておきましょう」
ドマがバルの目を上目遣いで見ながらそう言った。
「分かればいい、後、ウチの兵士が君の兵士を50人程殺ったそうだ… ウチの兵士達も我慢に限界が来ているこれ以上はあまり刺激しない様にな」
バルが再び腕組みをしてそう言った。
「ほぅ、確かに55人の兵士が殺されたと報告がありましたよ… 今、誰が殺ったのか調べてる最中でしたがそういう事でしたか」
ドマが頭をかきながらそう言った。
「そうゆう事だ… 10分の1計画は上手く行っている。だからこれ以上はあまり動かなくていい、分かったな?」
バルが腕組みをしたままそう言った。
「分かりました」
ドマが再び腕組みをしてそう答えたのだった。




