処分
ミーナが1人、2人と斬っていく中、ミーナに襲いかかる兵士がついに1人もいなくなった…
剣の腕に歴然の差がある事を悟った中央地区の兵士達はミーナを完全に恐れたのだった。
「たっ、頼む!助けてくれ!」
ミーナに追い詰められた兵士がそう叫んだ。
「お前達のさっきまでの威勢はどうした?」
ミーナが血の滴る剣を叫んだ兵士に向けそう聞いた。
「頼む!命だけは!命だけは助けて下さい!」
中央地区の兵士がミーナにそう懇願した。
「お前達が南地区の人間に今までしてきた事全てを反省しながら死んで行け!」
ミーナがそう言い中央地区の兵士達に斬りかかった。
「ズバッ、ズバッ、ズバッ」
ミーナは広い部屋にいた50人程の兵士達をすべて1人で斬り捨てた…
そして若い娘達に服を着させその建物から解放してやった…
案の定若い娘達は南地区の人間で町や村で誘拐され拉致されたとミーナに証言したのだった…
中央地区の兵士達をついに殺してしまったミーナだったがミーナの怒りはまだ収まりきらなかった… だがミーナは同時に南地区の立場がさらにマズくなる事を危惧していた…
そしてミーナはしばらく考えた末、南地区最高司令官のところへ、この事を報告しに行く事に決めたのであった…
「失礼します」
ミーナは南地区最高司令官の部屋のドアをノックしそう言い部屋の中へと入って行った。
「今日は何の用だ?」
南地区最高司令官が広い机の椅子に座ったままミーナにそう聞いた。
ミーナは誘拐された娘達の事、そして中央地区の兵士達を50人程斬り殺した事を南地区最高司令官に正直に話した。
「そうか… 」
南地区最高司令官が椅子に座りながら腕組みをしてそう言った。
「すいませんでした… 俺のせいで南の立場がまた… 」
ミーナは下を向きながらそう謝った。
南地区最高司令官がしばらくの間ミーナを見ていたが突然…
「かまわん」
腕組みをしたまま南地区最高司令官はそう言った。
⁈
怒られると思っていたミーナは南地区最高司令官の意外な言葉に驚いた…
「えっ?」
そう言いミーナは顔を上げ南地区最高司令官の顔を見た。
「その件は私がカタをつけておく、君は自分の仕事に戻りなさい」
南地区最高司令官はミーナに優しくそう言った。
あれだけ中央地区の人間には手を出すなと言っていた南地区最高司令官がそんな事言うなんてミーナは思ってもみなかった…
「あの… 俺の処分は一体… 」
ミーナは南地区最高司令官の顔を見たままそう聞いた。
「処分?君が何か悪い事をしたのかね?ただ君が町のゴミを掃除しただけの話だろ?」
南地区最高司令官が微笑みながらミーナにそう言った。
「いやっ、あの… それはそうですが… 」
ミーナは返答に困った。
「なら、何も気にしなくていいじゃないか… とにかくこの件は私に任せておけ」
南地区最高司令官はそう言い椅子から立ち上がり窓の外を眺めたのであった…




