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北の陣 第2幕  作者: m
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道端の少女


これは、まだ北と南が独立する以前の話だ…




南地区のとある場所での出来事だった…


少女が町の道端で猫を抱きながら可愛がっていたのを偶然通りかかったミーナが見ていた。


と、そこに5人の中央地区の兵士達がやって来た。


その5人の兵士達は南地区の住民からまた略奪を行ったのであろう、大きな袋をぶら下げ重たそうに歩いていた…


兵士達が少女の近くに来た時… 猫が兵士達を怖がり少女の手元から急に猫が逃げようとした…


そして少女が猫が逃げないよう手を伸ばしたところで少女が兵士にぶつかった…


「いてーな!このクソガキ!」


中央地区の兵士がそう言い、大きな袋を道に置き、いきなり剣を取り出し少女の胸を剣で突き刺した…


胸を刺された少女は道端に倒れ込みそのまま動かなかった…


「ちっ、剣が汚れちまったじゃないか!このクソガキが!」


少女を刺した兵士が動かなくなった少女を何度も蹴りながらそう言った。


ミーナはその様子をただ見ているだけだった…




少女の事件から幾日が過ぎたある日の事、ミーナは南地区の最高司令官の部屋にいた…


「中央政府は一体何を考えてるんですか!南地区で略奪はするわ、平気で南地区の人間を殺めるわ!やり方もだんだんとエスカレートしてます!我慢にも限界がありますよ!」


ミーナが机の上を叩き、南地区最高司令官にそう詰め寄った。


「これは仕方がない事なんだ… 我慢してくれ… 」


南地区最高司令官がミーナに椅子に座ったままそう言った。


「そうですか… まだ我慢しろと?」


ミーナが腕を組み南地区最高司令官を軽蔑の眼差しで見つめ話しを続けた。


「ところで最高司令官は知っていますか?あいつら最近では幼い子供まで平気で手にかけていますよ… 今や我々南地区の人間は動物以下の扱いをされているんですよ?それでもまだ我慢しろとおっしゃるのですか!」


ミーナが最高司令官にそう食い下がった。


「君の気持ちはじゅうぶん分かった… もう少しの辛抱だ… 我慢してくれ… 」


南地区最高司令官が椅子から立ち上がり、窓の外を眺めながらそう言った。




南地区最高司令官との会話を終え、ミーナはサウスの元にやって来た。


そしてサウスに道端の少女の一件、そして南地区最高司令官との会話の一部始終をサウスに話した… そして…


「なぁ、サウス… 俺は一体なんの為に生まれてきたんだ?目の前にある小さい命すら救えない俺に生きる価値なんてあるのか?」


ミーナはサウスにそう問いかけた。


「そんなに自分を責めるな… 俺だってその場にいたら何も出来なかっただろう… 」


サウスはミーナの肩に手を置きそう言った。


「あいつら無茶苦茶だよ… 権力をかさにきてやりたい放題… サウス!俺は怒りで頭がおかしくなりそうだ!」


ミーナが涙をながしサウスにそう言った。










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