任命書
「やぁ、元気か?えっ?インフルエンザにかかっただと?それは大変だ!君は男か?女か?よし女だな!なら俺が胸を揉んでひぃひぃ言わせた後にパイルドライバーにてトドメを刺す。そして君が気絶してる間にアレやコレやをしてやって君が意識が戻る頃には俺がインフルエンザにかかっている事だろう!じゃ、グッバイ!」
「ガチャ」
北軍を撃破して3日後、スペード師団長とギールの2人は中央政府のボル最高総司令官に呼ばれ、中央政府の城の中にあるボルの部屋へと入った。
「ありがとう!良くやってくれた!」
ボル最高総司令官が2人を迎え入れ、順番に握手をしながらそう言った。
「やはり私の睨んだ通りだった、あの裏切り者め… だが、君達のおかげで北軍は自軍の領地に引き上げたみたいだ本当に良くやってくれた」
ボル最高総司令官はそう言いながらソファに座るよう2人に促し2人はソファに座った、続いてボルもテーブルを挟んだ向かいのソファに座った。
「いえ、私達は中央地区にとって当たり前の事をしたまでです」
スペード師団長がそう言った。
「謙遜するな、北軍に勝てたのは当たり前ではない、私はその事を言っているんだ」
ボル最高総司令官が微笑みながらそう言った。
「はっ!では、そのお言葉ありがたく受け取らせていただきます!」
スペード師団長が座りながら敬礼しそう言った。
「うむ… まぁ、それで話しは変わるんだが前に中央軍の最高司令官が暗殺されたのは知ってるな?」
ボル最高総司令官が腕を組みスペード師団長にそう聞いてきた。
「知ってます」
スペード師団長がそう答えた。
「そうか、なら話しは早い、現在中央軍の最高司令官のイスが空いたままになっているんだ、このまま空いたままだと非常にマズい… 早急に誰かを中央軍の最高司令官に決めなければならない」
ボル最高総司令官がそう言いソファから立ち上がり机の引き出しから紙を取り出し話しを続けた…
「私の言っている意味が君に分かるかね?」
ボル最高総司令官がスペード師団長にそう聞いた。
「早く中央軍の体制を整えなければ、っていう事ですよね?」
スペード師団長がそう答えた。
「そう!その通りだ!それでだな… 急な話だがそれを君に是非やってもらいたい」
ボル最高総司令官が微笑みながらそう言った。
⁈
「えっ?」
スペード師団長はその言葉に驚いた。
「アントレイヤ君!君に中央軍の最高司令官になる事を今日ここで任命する!」
ボル最高総司令官が任命書をアントレイヤの顔の前に差し出しそう言った。
⁈
「おっ、俺が中央軍の最高司令官に⁈ 」
アントレイヤは任命書を目を見開きながら見てそう言った。
「中央軍は君に全て任せたよ」
ボル最高総司令官がアントレイヤに任命書を手渡しそう言った。
⁈
「俺なんかが最高司令官なんて勤まるのか?」
アントレイヤは任命書を見ながら小声で独り言のようにそう言った。
「アントレイヤ君!おめでとう!」
ギールはアントレイヤの肩を叩き微笑みながらそう言った。
「ギール… 俺が困ってるのを見てないか喜んでないか?」
アントレイヤはボル最高総司令官に聴こえないように小声でそう言った。
「何を言う、同期の出世を喜んでいるんじゃないか」
ギールも小声でそう言った。
「ゴホン」
ボル最高総司令官が右手を握って口の前に置き咳をして話し始めた…




