解放
「やぁ、ギールだ!あっ、名前言っちゃった… またミーナを語ろうと思ってたのについいつものクセで言っちゃった… えっ?あ〜、はいはい、もう君の言う事は聞き飽きたよ!しょうがないだろ!俺しかいないんだからさ!ガマンしなさい!じゃ、グッバイ!」
「ガチャ」
サソリ固めを解いた後ヒゲの兵士を見ると口から泡を吹いて気絶していた… そしてそこに別の兵士がやって来た。
「ギール副師団長!南軍が我が陣の5キロ先まで迫って来ました!その数およそ2万!どう致しますか?」
兵士が敬礼しながらそう言った。
「来ちまったか… ふー… ここは正念場だ!皆に戦の準備をさせてここに集めてくれ!」
ギールは兵士にそう命令した。
「はっ!ただちに!」
兵士はそう言い走って去っていった。
「逃げた方がいいんじゃないか?」
ミーナが後ろからそう声をかけて来た。
「はっはっは、劣勢の方が燃えて来るぜ!ミーナ… お前はもう逃げていいぞ!多分もうこの陣もお終いだ… 俺もここで死ぬかもしれんからな… 」
ギールはそう言い伸びてしまったヒゲの兵士の顔をたたきながらそう言った。
⁈
「俺を解放するのか?」
ミーナは驚きながらギールにそう聞いた。
「あぁ、解放してやるよ… 南軍にここを突撃されたらお前が危険な目に会うだろ?」
ギールはヒゲの兵士の顔をたたきながらミーナにそう言った。
「フフフ、敵である俺の事を心配するなんてお前はとんでもないバカだな」
ミーナは腕組みをしてそう言った。
「はっはっは、なんてったって脳筋だからな!短かったけどお前といれて楽しかったぜ!」
ギールはヒゲの兵士の胸ぐらを両手で掴み持ち上げたり地面に落としたりしながらそう言った。
「フフフ、面白い男だ、ならこれでお前とはおさらばだ」
ミーナはそう言った。
「あぁ、達者でな!」
ギールはそう言いヒゲの兵士の鼻の両穴に指を突っ込んで上に引っ張った。
「イテテテッ」
ヒゲの兵士が気絶から目が覚めた。
「おい、ここにいる奴を安全なところで解放してやれ」
ギールはヒゲの兵士にそう言い親指をミーナに向けた。
「えっ?解放?」
ヒゲの兵士が涙目をしながらそう言った。
「あぁ、こいつは南軍の捕虜だ、この陣も本陣もヤバイから解放する事にした、お前にその任務を任せる」
ギールが立ち上がりそう言った。
「はっ!はい!」
そう言いヒゲの兵士も立ち上がった。
そしてヒゲの兵士はミーナを連れ第2最前線を後にした… その後ギールの元に続々と戦の準備を済ませた兵士達が集まって来るのであった。