武闘派
「やぁ、ミーナだよ!ギールは忙しくなってきたみたいで君と会話してる場合じゃないんだって!えっ?お前ギールだろって?はっはっは、バレちまったか!君もなかなかやるようになったじゃないか!じゃ、グッバイ!」
「ガチャ」
ヒゲの兵士がテントの椅子に腰をおろした、続けてギールも椅子に座った。
「ここの陣も第1最前線で退却してきた兵士と合わせて1万、本陣も1万、向こうさんは4万の兵士を二手に分け本陣に奇襲… か… 」
ギールは右手で頭をかきむしりながらそう言った。
「下手したらウチは全滅ですね… 」
ヒゲの兵士がそう言った。
「あぁ… 向こうの兵士が多いうえに完全に裏をかかれちまったからな… 脳筋は辛いぜ!」
ギールがそう言った。
「ギール殿!冗談を言ってる場合じゃないですよ!一体どうするおつもりですか?」
ヒゲの兵士が声を荒げてそう言った。
「どうするもこうするも俺のやり方は正面からぶつかるのみよ!力でいわせるのが俺のやり方だ!」
ギールも声を荒げてそう言った。
「ははぁ!さすがはギール殿!武闘派らしい戦いを!ですな!さすが俺が惚れた男です!」
ヒゲの兵士がそう言った。
「力でねじ伏せた方が相手も負けを納得するからな!勝っても負けても気持ちよくだ!」
ギールがそう言った。
「さすがギール殿!では私はこの辺で… 」
ヒゲの兵士が椅子から立ち上がりそそくさとテントの出口に向かった。
「おい!何処に行くつもりだ?」
ギールがヒゲの兵士にそう声をかけた。
⁈
「えっ?」
ヒゲの兵士があきらかにキョドッた感じでそう言った。
( こいつ、さては逃げようとしてるな? )
「何処に行くつもりなんだと聞いているんだ?」
ギールも立ち上がり腕組みをし、ヒゲの兵士に近寄りながらそう言った。
「えっ?いっ、いや、この事を本陣に知らせようかと… 」
ヒゲの兵士があきらかにあやしい態度でそう言った。
「本陣には違う兵士を行かせる。お前はココに残って俺と一緒に死ぬんだよ!」
ギールがそう言った。
「ひっ、ひぃぃ、そっ、そんなぁ!」
ヒゲの兵士がギールの方に振り返り声にならない声でそう言った。
「ほら、早く椅子に座れ」
ギールはそう言い、ヒゲの兵士の腕を掴んで引っ張って椅子に戻そうとした。
「ひぃぃ、勘弁して下さいよ〜、本陣には俺を行かせて下さいよ〜 」
ヒゲの兵士が抵抗しながらそう言った。
「ダメだ!ほら椅子に座れって!」
ギールはそう言って、ヒゲの兵士の腕を引っ張った。
「ひぃぃ、ヤダ!座りたくない!やめろ離せ!お前みたいな脳筋なんかと死にたくないんだって!」
ヒゲの兵士が抵抗しながらそう言った。
「あっ、お前… 言っちゃったな… ついに言っちゃったな… 」
ギールはヒゲの兵士から手を離しそう言った。
「ひぃぃ、すっ、すいません!じゃ、そうゆう事で」
ヒゲの兵士がそう言い1度頭を下げテントを出ようとした。と、その時、ギールがヒゲの兵士を襲いサソリ固めを決めた。
「痛い痛い痛い!何をするんですか!」
ヒゲの兵士がそう叫んだ。
「お前の性根を鍛えてやってるんだ!ありがたいと思え!」
ギールがサソリ固めを決めながらそう言った。
「痛い痛い、やめろ!止めろって!」
ヒゲの兵士がそう叫ぶ。
「どうだ?俺と一緒に死ぬ気になったか?」
ギールがそう聞いた。
「ふ、ふざけんな!だからさっきからお前なんかと死にたくないって言ってるだろ!」
ヒゲの兵士がそう答える
「そうか… 」
ギールはそう言い更に締め上げる。
「うぎゃー!しっ、死ぬー!」
ヒゲの兵士がよだれを垂らしながらそう叫ぶ。
「どうだ?死ぬ気になったか?」
ギールが更に締め上げる。
「わっ、分かりましたー!ぎ、ギール殿と一緒に死にますー!」
ヒゲの兵士が口から泡を吹きながらそう叫んだ。
「よく言った!それでこそ中央軍の精鋭だ!」
ギールはそう言った後、サソリ固めを解いた。