本陣への奇襲
「やぁ、また俺だ!えっ?もうギールは飽きたって?そんな事言うなよ!えっ?たまには違う人が見たいって?まったく君はしょうがない奴だなぁ、じゃあ、次回だけ、ミーナにしようか?一応ミーナに聞いてみるけどあいつがここに来るか分からないからね?次回も俺だからってガッカリするなよ?えっ?何?前回の話でミーナが未来に起こるはずのブルのネタバレの事を過去の話のように話してたのはなんでだって?君はよく理解してるじゃないか!いい子だ!じゃ、グッバイ!」
「ガチャ」
また兵士がテントに入って来た。
「失礼します!」
兵士が敬礼をしてそう言った。
「どうした?」
ギールが腕組みをしながらそう聞いた。
「師団長からギール殿に早く本陣に帰るようにとの命令が来ました!」
兵士がギールにそう伝えた。
「なにー!今さっき俺が本陣に応援要請したところだぞ?ん〜、完全に行き違いが起きちまったな… まだウチの本陣は向こうの本陣が動いた事を知らない… 」
ギールはそう言い考え込んだ。
( う〜ん… 俺が本陣に帰らなければ命令違反になっちまうし… かといって俺が本陣に着く頃にはここに敵が押し寄せてくるだろうし… 一体どうすりゃいいんだ?いや、待てよ?さっき本陣には使いを出したから向こうもここの陣の状況の事は分かるだろう… ここは大人しく本陣からの援軍を待つのが正解か… )
「悪いが向こうの本陣が動いたからウチの本陣には帰れないと伝えてくれないか?」
ギールはそう兵士に言った。
「はっ!分かりました!師団長にはそのように伝えます!」
兵士が敬礼をしながらそう言った。
「あぁ、よろしく頼む!」
ギールがそう言った。
「はっ!では、失礼します!」
兵士はそう言いテントを出ていった。
兵士がギールのいるテントを出て行ってから2時間程経った頃、テントの外からけたたましい馬の足音が聞こえきて1人の騎馬兵が慌ただしくテントに入って来た。
「ギール殿!本陣が奇襲されました!」
立派なヒゲを生やした兵士がギールに慌てながらそう言った。
⁈
「なにー!本陣が奇襲されただと!」
ギールは目を見開きヒゲの兵士にそう言った。
「はっ!本陣が南軍の奇襲を受けました!ギール殿から使いの兵が本陣に来てからしばらくして… なので師団長はこちらの陣の状況は把握してるからここの陣はギール殿に頼むとの事です!」
ヒゲの兵士が額から汗を垂らしながらそう言った。
「そうか… で?本陣を奇襲して来た敵兵の数は何人くらいいた?」
ギールは腕組みをしてそう聞いた。
「はっ!およそ2万です!」
ヒゲの兵士がそう報告した。
⁈
「2万?おいおい… ウチの本陣やばいんじゃないか?5000程しかいないのに… 」
ギールが片手で頭をかきながらそう言った。
「とりあえず第3最前線の兵士5000を本陣の援軍にまわしました!なのでこちらには援軍は来ません… 」
ヒゲの兵士がそう言った。
「そうか… 南軍め… こっちの本陣を動かせないようにしてここの陣を攻撃する作戦で来たか… 」
ギールはまだ頭をかきながらそう言った。
「フフフ、ギール、完全に裏をかかれたな!」
テントの中で会話を聞いていたミーナがそう言った。
「あぁ、完全に裏をかかれたな!正直南軍を舐めてたぜ!まさかウチがこんなにピンチになるとはな!」
ギールは腕組みしながら後ろにいたミーナに振り向きそう言った。