星空
「やぁ、ずっとギールだよ。前回ミーナに男か女か聞いたんだけど、聞いてびっくりしたよー!マジで?って、ところで君はミーナが男か女かどっちだと思う?気になるよね〜、でもその答えは言わないでくれって作者から言われてさ〜、本当は君に教えてあげたいところなんだけどさー、口止めされちゃったからごめんね。なんかネタバレになるとかならないとかでNGなんだって!じゃ、そうゆう事で、グッバイ!」
「ガチャ」
ミーナとギールを乗せた馬が夜空を一望できる丘の上で止まった… そこには何故か真っ白でオシャレなベンチが用意されてあった…
「こんな所に連れてきて… 」
ミーナがそう独り言のように呟いた…
「そこのベンチに座ってくれ… 」
ギールがそう言って馬を降り馬の上に乗っているミーナの手を握りミーナを馬から降ろした。そして2人はベンチに座って目の前に写る満点の星空をしばらく眺めた…
「綺麗だな… 」
ミーナがそう言った。
「そうだろ?」
ギールがそう返した。
「こんなにゆっくりと夜空を見るなんて何年ぶりだろう… 」
ミーナがそう言った。
「人間てやつは日々の忙しさや悩み事なんかで頭がいっぱいで夜空を見上げる余裕さえ失っちまうからな」
ギールがそう言った。
「そうだな… 」
ミーナがそう言った。
「ところで何で俺をこんな所に連れて来たんだ?」
ミーナがそう聞いた。
「お前に心を開いてもらいたくてココに連れて来たんだよ」
ギールはそう言いミーナの目を見た。
「心を開いてもらう為だと?何で俺の心を開く必要がある?さては、南軍の情報を俺から聞き出すつもりか?」
ミーナはギールを睨みつけた。
「はっはっは、まぁ、落ち着け」
ギールはそう言いミーナの両肩に手を置いた。
「俺は何も喋らんぞ」
ミーナがギールを睨みながらそう言った。
「はっはっは、お前は何も喋らなくていい、ただ… お前に俺の側に居てもらいたいんだが… 駄目かな?」
ギールがミーナの両肩を掴みながらミーナの目を見てそう聞いた。
⁈
その時ミーナの胸を一瞬何かが打った…
「バッ、バカな事言ってんじゃねーよ!俺に仲間を裏切れと?そんな事俺がする訳ないだろ!俺をみくびるなよ!」
ミーナが怒りながらそう言った。
「どうしても駄目か?」
ギールがそう聞いた。
「駄目に決まってるだろ!それに必ず俺の仲間が俺を助けに来る!それでお前とはおさらばなんだよ!」
ミーナがそう怒鳴った。
「助けに来る仲間とはサウスの事か?」
ギールがそう聞いた。
「あぁ、そうだよ!あいつが必ず俺を助けに来る!そしたらお前もお終いだ!」
ミーナがギールの腕を振り払いそう言った。
「ずいぶんとサウスの事を信頼してるんだな…」
ギールがそう言った。
「あいつは俺がこの世で唯一認めた男だ!お前みたいに反則技で勝負に勝つような卑怯な男ではない!悪いが俺の事は諦めるんだな!」
ミーナはそう叫んだ。
「なら… そのサウスに俺が一騎打ちで勝ったらお前は俺の側近になってくれるか?」
ギールはベンチから立ち上がり夜空を見上げそう聞いた。
「フフフ、サウスを殺したら俺が命を投げ打ってでもお前を殺す」
ミーナが凄味を利かせそう言った。
「そうか… 」
そう言いギールは夜空を見上げながら考えた…
(サウスとミーナの信頼関係が強すぎる… ミーナを口説くのを諦めるか… いや… 惜しい… 惜しすぎる… 諦めたくない… 俺はこいつを是が非でも側近にしたい… だがどうやって?)
ギールは考えたが答えが出ずこの日は口説くのを諦める事にした…