恋愛上級30
もちろん今の関係が、ずっと続くとは思っていないけれど
彼女が、できた圭太に会うのは辛い。
私だけが、友達以上だと勘違いしていたのも恥ずかしい。
好きだと気付いたときには、もう・・・
「私の問題じゃなくて、圭太の彼女に悪いからでしょ!」
「俺の好きな子は、そんに心狭くないから大丈夫。」
私は、心が狭いとでも言いたいの?
じゃぁ・・・私が、圭太のこと好きだって言っても、今のままの
関係でいてくれるの?
女として見てないから、なんの問題も無い?
「これ俺の好きな子。見る?」
携帯の待ち受けにしてるんだね。見たい!けど・・・
諦めがつくぐらいお似合いじゃなくちゃ私が、嫌な女になりそう。
携帯の待ち受けには、見覚えのある姿がはっきりと
これっていいんですか?禁断の愛ってやつだよ。略奪愛だよ。
「リンちゃん!!」
「・・・」
お土産何買うかかなり迷ってたものね。水族館に行く度に
ラブリングッツ増えてたもんね。
リンちゃんには、勝てそうにない・・・
そもそも、競い方が分からない!
「ありえないだろ。よく見ろよ。」
ラブリンの後ろに見覚えある男女の姿が、ぼんやり見える。
「これって・・・私?」
こんな写真私持ってない。いつの間に撮られたやつなんだろうか?
そんなことより。圭太の好きな子が、私?
からかってるの?
「えっ?何で私なの?」
中学生のガキには、興味ないって言ってたよね?
「ダメなの?」
ダメな訳じゃないけど・・・
予想外の展開過ぎて、何て答えたらいいか分からない。
「まだ言うつもりなかったけど、どうしても一緒に
この映画に行きたいから。」
そう言って圭太は、照れながら映画のチケットを差し出して
来た。これって、さっき先生がくれたのと同じやつ。
「もう、ネットの噂とかで知ってるかもしれないから
詳しくは、言わないけどこの試写会カップル限定だから」
もしかして、律儀な圭太は本物のカップルじゃないと行けない
と思ってる!?
製作者側なんだから、普通に観れるんじゃないの?
「この映画は、お前に観てもらいたくて創ったから
一緒に観るのは、お前だって決めてる。」
「高校に進学したら、俺と・・・」
「俺と付き合って欲しい。」
そっと圭太の手に握られたチケットを掴む。
「私も、圭太や先生が創った映画一緒に観たい。
もちろん圭太の隣で。」
笑顔で見つめ合う二人。
圭太こんな風に笑うんだ。
今までとは、何か違う。
意識したら、ドキドキしてきた。
圭太は、私を抱き寄せてオデコに優しくキスをした。
「大切にするから」
中学生には、刺激が強すぎてまともに圭太の顔が見れない。
今。圭太の頭の中では、ラブリ~ン・ラブリ~ンと鐘の音が
響いているに違いない!
ラブリンクラゲは、都市伝説じゃなかったのね。
早く高校生になりたいと切に願う。
恋愛上級者への道のりはまだまだ遠そうです。