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恋愛上級29

 圭太に・・・あの圭太に好きな人が!!

いつの間に?そんな素振り一切無かったし。


同じ高校の子なの?それとも、映画関係のスタッフ?

う~ん年上かぁ。圭太ならありえる。


 「結衣ちゃんどうかした?」


 「えっ?」


 先生の声に我に返る。


 「圭太が恋愛なんて、驚いただろ~?

  俺も、まさか圭太がって思ってたんだけど・・・

  圭太の言動・行動間違いなく恋する男子だね!」


 絶賛恋愛真っ最中の先生にそこまで言わせるなんて!


 この私が、気付かなかったなんて・・・

一番近くにいると思ってたのになぁ。


 「ところで先生。ファーストキスの件だけど」


 「あっ!そうそうその話」


 「その話は、誰にも言っちゃダメだからね!

  二人だけの秘密にしなくちゃダメだよ。」


 本当は、かなり聞きたいんだけれど・・・我慢します。


 「そっか、分かった。じゃぁ俺そろそろ帰るから

  圭太によろしく」


 えっ!今日圭太来るの?来るなんて聞いてないけど・・・


 「先生またね。」


 「おう。」


 先生が、帰った後訳も分からない感情が湧き上がってきた。

圭太に会ったらなんて言ったら、何て聞いたらいいの?

圭太が、私に恋愛相談なんてしてくる訳ないじゃない!?


彼女が、出来たって事後報告のみだって不思議じゃない。

いやもう既に彼女が居るのかも。


 私が、高校生だったら・・・私が、圭太より大人だったら

彼女になれたのかな?


 いやいや。私の方が断然若いんだし、これからの伸びしろを考えたら

十分勝ち目は、ある。

圭太好みの女性になって、それから・・・そもそも、圭太の好み知らない。


 今は、情報不足で手も足も出ない。


 突然部屋のドアが、開いた。

何度も言うけど、ここ女の子の部屋なんだってばぁ~!


 「ゆうにいは?」


 愛しのゆうにい様は、しばらく前にお帰りになりましたけど。


 「とっくに帰ったけど。」


 「何か変なこと言ってなかったか?」


 変なことは、言ってなかったよ。変なことは。


 「圭太って、好きな子出来たんだね。言ってくれれば

  相談に乗るのに。告白までのプランを各種取り揃えて

  おりますが、いかがでしょうか?」


 圭太が、動揺してる。あの圭太が!

やっぱり好きな子情報は、本当なんだ。


 「はぁ~遅かったかぁ・・・俺ってそんなに分かりやすい?」


 認めた。これって好きな子いるの確定だよね。

どんな人なのか、知りたいけど・・・知ったら私達の関係は、終わる気がする。

今更だけど、圭太にとって私は恋愛対象外だって分かってる。でも、彼女が出来る

までは・・・都合よく解釈してたのは、私なんだね。


 「よかったね。もう付き合ってるの?彼女に誤解されてもなんだし

  もう、家には来ない方がいいかもね。」


 圭太に会えないなんて嫌だ。でも、素直になれないよ。

好きの気持ちに気付いたなんて・・・言える訳がない。


 「お前は、本当にそれでいいの?」


 じゃぁ嫌って言ったら、彼女が出来ても

私の先生続けてくれるの?

何で、私が試されてるのよ!

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