恋愛上級28
尾田さんが、旅立って三ヵ月が過ぎようとしていた。
海外の生活を満喫中みたい。
私の生活は、何も変わることなくただ学校と家を往復の毎日
先生とは、しばらく会っていない。圭太は、ときどき家に来て
勉強を教えてくれる。
相変わらず何を考えているのか、分からないけれど
今一番近くで・・・何でも話せるいい友達だ。
まだ友達なんだと思う。
いつも通りの平凡な日常このまま何事も無く、高校生になって
大学生になってパパの会社を継いだりするのだろうか?
「ただいま~」
「結衣ちゃまおかえりなさいませ。先生いらしてますよ。」
先生?先生が来てる!
聞きたいことが、沢山あるの。電話やメールじゃなくて直接。
階段を駆け上がり急いで部屋に入る。
「やぁ・・・」
久しぶりに会った生徒への一言が、それ?
ファーストキスの話から・・・それとも尾田さん?
「元気そうね」
いや何だか、久しぶりだからなのか照れくさい。相手は、あの先生なのに。
「映画が、完成したから・・・これ試写会のチケット。好きな子と来てよ。
あっごめん!師匠彼氏いなかったよね?まだ。」
デリカシーの無さは、健在ね。
大きなプロジェクトって、やっぱり映画だったんだ。第2弾とか言うやつ?
でも、これマグネットじゃないよね!?
完全新作の映画創ってたんだ。
「ありがとう。」
好きな子と行くから!!絶対!
「圭太から、いろいろ聞いたとは思うけど・・・
結衣ちゃんを巻き込んでしまって、本当にごめん!」
私は、先生からの謝罪の言葉が聞きたかったんじゃないの
巻き込んでくれて、むしろ感謝しているぐらいだから。
「先生。頭上げてよ。そんなことしないで・・・ずるい。」
聞きたかったこと言わなくちゃ
「先生さ・・・どの先生が、瀬戸志人なの?初めて会った日から
別人格を演じてたの?城崎さんも、協力者だったりするのかな?」
私も、先生を騙してたからお相子なんだけど
全てが、演技なら悲しい。
「・・・」
「結衣ちゃんと初めて会った日の俺が、瀬戸志人だよ。誰の役も演じて無い
自分に自信が無くて、ダサくて・・・麻里華さんをその気にさせる為だけで
よかったから・・・結衣ちゃんのことや城崎さんのことは、想定外」
「そう。」
あのダサい先生は。本物なんだ!何だか安心した。先生の言葉信じていいよね?
「どちらかと言うと柳優を演じてる。だから、師匠との出来事が楽しくて
圭太も同じだと思うよ。」
「師匠に出会ってから、柳優も素の自分達で作品を手掛けることにした。
これが、本物の柳優の描きたかった世界なんだ。
だから、本当に感謝している。」
先生と圭太の世界。私も、少しは役に立てたのね。
「この映画恋愛要素が、入ってて俺も圭太もかなり上から
恋愛しろ!みたいな事言われてて、まさか本当に恋愛出来るとは
思いもよらなかったよ。」
へ~それは、よかったですね~。とでも言うと思た?
何それ仕事を恋愛に繋げるとか、ありえない!
「圭太の恋愛相談にも乗ってやってよ。」
「うん。」
次は圭太の恋愛相談だね。圭太の?
「えっ圭太好きな人いるの?」