恋愛上級24
尾田さんにとっては、ママが全てだったのかもしれない。
家族の一員になりたかったんじゃなかったんだ。
ママの幸せの為に自分の人生を犠牲にしたんだ。
「居心地が、よくて思っていたより長い年月がかかってしまった
けれど。麻里華に絵を返すことが出来た。僕の役目は、終わろうと
している。瀬戸君。君が、敵じゃなくてよかったよ。」
ママから、絵を取り上げた日からこんな計画立ててたの?
終わろうとしているってことは、まだ終わってない!?尾田さんは、
何を企んでいるの?
「尾田さんにとって、結衣や他の協力者は重要な存在では
なかったんですよね?」
尾田さんは、あからさまに動揺する素振りを見せた。
「でも、気づかないうちに麻里華さん同様にかけがえのない
人達になっていったんじゃないですか?」
もしかして、奥さん?私にだって分かるわよ~でも、その他の人達
私でしょ!?監視委員Aでしょ。あれ?もう終了。
「俺に真実を話してくれなかったのは、敵になる恐れがあった
からですか?」
「そうだね。瀬戸くんは、志人くんに一番近い存在だったからね。
君に反対されたら、僕の計画は成功しないと分かっていたからね。」
二人の会話からすると、先生も協力者ってことよね?あの先生が、
協力できる事って・・・
「ねえ。もしかして先生を柏木から、救うって計画あれって
尾田さんの計画なの?」
だって、あの頃からママはよくパパの会社に行く様になったし
問題集のことだと思ってたけれど、絵を描いてたんじゃ?
「実は、そうなんだ。問題集の件も志人くんと柏木くんに
考えてもらってね。麻里華が、志人くんを守る為に行動
することは、目に見えていたからね。」
柏木が、協力者!!
「誰かが、悪者になることで絆が生まれると考えてね柏木くんが
自ら、引き受けてくれたんだよ。」
この話。先生から聞かなくて、よかったのかな?先に真実を
知ってしまった。柏木は、私の敵じゃなかったのね。
私の利用価値間違ってない?
「麻里華は、絵を描いている。自分の為じゃなく教え子の為に。
志人くんは、唯一麻里華が絵の指導をした弟子なんだよ。」
アトリエに来てたのは、やっぱり先生だったのね。
愛弟子の為に絵を描ける様になったってことだよね。
「今。大きなプロジェクトに携わっているこれが成功したら
麻里華は、本格復帰することになるだろうね。」