恋愛上級22
尾田さんの気持ちは、分かったし私の気持ちも伝えることができた。
圭太に感謝しなくちゃね。でも、圭太って本当に何でも知ってるのね。
もしかして、本物の高校生探偵とか!?
そんなバカげたことを考えながら、ケーキを味わっていると
尾田さんが、書斎に戻って来た。
「ポットここに置いてたの忘れてたよ。」
見え見えの嘘だと気づいたけれど何も言わないことにした。
「そうだ。瀬戸君は、どうして僕が海外へ行くと思ったんだい?
君には、行かないと伝えていたのに。」
何故か、圭太は答えようとしない。どうかしたの?
「無理には、聞かないから・・・」
なんだこの空気。かなり気まずい!何か言わなくちゃ何か・・・
「本当に俺の口から、言ってもいいんですか?」
「是非聞かせて欲しい。」
お~い二人ともここに私もいますよ~!
また私だけ、取り残されてる。
「あくまで、俺の仮説です。尾田さんは、俺に中山家から
離れられない理由を教えてくれましたよね?
ずっと気になってたんです。誘拐未遂は、本当に起こった
出来事なのかどうか。」
誘拐未遂って、私の?
「この前研究室にお邪魔したとき尾田さんの奥さんが、案内
してくれて。そのとき尾田さんの机に飾ってある写真を見たんです。」
研究室の話しとかやっぱり私の知らないところで、動いてたのね!
「あの写真誘拐未遂が、起きたときのですよね?未遂だったとしても
そのまま水族館に行ったりするでしょうか?大人も子供も笑顔でした。
写真の中にどう見ても保護者じゃない人物が、写っていました。
監視委員Aですよね?」
監視委員A?私は、あの日の記憶が、曖昧で。みんなで行った水族館が
楽しかったのとママが、泣き崩れる姿をもう見たくないと思ったことしか
記憶にない。
監視委員Aは、私の知らない人物!?
「監視委員Aか・・・面白い事言うね。君の仮説は、正しいよ。」
「尾田さんは、結衣を誘拐するつもりだったんですか?」
えっ?今何て?尾田さんが、私を誘拐?嘘だよね?
「そんな計画が、出たこともあったけれどたまたま麻里華達の
監視を頼んだ友人が、結衣ちゃんに声をかけてしまってね。
何も、知らない麻里華が誘拐だと勘違いしてしまってね。
いや。誤解されてもしかたのない怪しい格好してたんだよ。」
「すぐに誤解は、解けて友人が水族館まで護衛してくれたんだよ。」
なんだ、誤解だったのね。でも、そんな計画が出たとか何とか言って
なかった?誘拐未遂自体無かったことだよね?なのにどうして、私は
誘拐されそうになったってことになってるの?
これも、尾田さんの計画なの?