表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/71

恋愛上級20

 尾田さん何も心配することないの。私、どんなことを聞いたとしても

嫌いになんてならないから!むしろこんなに思いつめた尾田さんをほっとけないよ。


 「思春期の結衣ちゃんにこんなこと言ったら、軽蔑されてしまうと思うけど

  ずっと君のお母さんのことを・・・好きだったんだ。」


 あぁそれ、圭太が公園で言ってたやつ。そりゃ驚いたけど・・・前もって

圭太から聞いてたから、本当だったんだぁ~くらな感覚なんですけど。


 でも、尾田さんの片思いなだけでママと何かあったわけじゃないよね!?

軽蔑するとかって、まさかそういうこと?


 「結衣ちゃんは、知ってると思うけど僕と麻里華は幼馴染でね。

  親同士も仲が良くて、兄妹みたいに育ったんだ。」


 幼馴染?尾田家の三男としか記憶にない様な。

私。昔の尾田さんのことほとんど知らない。


 「僕が、海外に留学したから。麻里華とは、たまにメールする

  ぐらいになってしまってね。日本に帰国したら、麻里華は

  結婚したって聞かされて。」


 よくある様な無い様な話ね。ママは、どうして尾田さんに

 知らせなかったのかしら?


 「麻里華は、まだ大学生だったから政略結婚だと思った。

  無理やり結婚させられたんだと思い込んでしまってね。」


  「くやしくて、どうしても許せなくて結衣ちゃんに嘘を付いた。

   何が、嘘だったか分かるよね?」


  私が、尾田さんから聞いたのは、パパの会社が倒産しそうになって

 ママの絵の才能を利用したいパパが、

 無理やりママと結婚したってことだよね。


  「すぐに嘘だとバレてもよかった。けれど結衣ちゃんは

   僕の話しを信じて、誰にも事実確認をしなかった。

   僕の思惑通り、康介と君は仲たがいしてしまった。」


  そのことを聞いたのは、小学生の頃だったから確かにショック

 で、しばらくパパと話さなくなったのは事実だけど・・・


  「結衣ちゃんが、僕がパパならいいのにってよく言ってくれたよね

   本当に嬉しかった。康介に勝てたと思ってた。

   僕のこんな歪んだ愛情を子供の君に受け止めさせてしまったのに。」


   「尾田さんが、私に優しくしてくれてたのはパパに勝ちたかったから?」


   今までの、尾田さんの優しさは、偽りだったの?


   「違う!これだけは、信じて欲しい!結衣ちゃんの家庭をめちゃくちゃに

    したかったのは、事実だけど君が生まれてからは・・・結衣ちゃんの

    成長を近くで見守ることが、幸せだった。仲の良すぎる親子に嫉妬して

    バカなことを言ってしまったと後悔している。」


    私は、まだ子供で理解できてないのかもしれないけれど・・・

   尾田さんは、本気で私の家族を壊したかったんじゃないよね。


   だって、もっと別のやり方がいくらでもあるでしょう?


   私の考えって甘い?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ